ニキビと食べ物の関係
肌荒れやニキビは、外的刺激だけでなく、体の内側のケアがおろそかになっている場合も発生します。 特に気を配りたいのが、偏った食生活。食べ物が偏ると栄養素も偏ってしまうため、肌にも悪影響です。 ここではそんなニキビと栄養素の関係について説明します。偏った食事でニキビができる?
ニキビはホルモンバランスの乱れや肌の不調、生理周期による皮脂の分泌量の増加など、さまざまな体調の変化によってできやすくなることが分かっています。 偏った食事によって体調不良を起こすと、健康的な肌を維持しにくくなるほか、肌のターンオーバーが崩れやすくなる可能性も考えられます。 できてしまったニキビや、ニキビ痕が治りにくい状態になりやすいため、食事内容には十分に気を配る必要があります。 肌のターンオーバーについて、こちらの記事でも詳しく説明をしています。 ぜひ参考にしてみてくださいね。
摂取する食べ物によってはニキビにつながる場合もある
量を食べすぎなければ、食べてはいけない食べ物はありません。 しかし、偏った食べ物ばかり食べるような習慣がついてしまうと、肌にも体にもよくないので注意が必要です。 例えば、脂質の多い食べ物は、皮脂の分泌を増加させるため、肌の皮脂バランスを乱れやすくする恐れがあります。 皮脂バランスの崩れがニキビの原因になる可能性があるため、あまり良い状態とはいえません。 肌は食べ物の影響も受けるので、様々な栄養素を偏りなく摂取することが理想的です。 また、便秘も美肌の大敵なので、腸内環境を整えることも肌作りには欠かせないことです。- 腸の善玉菌を増やすためにヨーグルトなどで乳酸菌を摂取する
- 食物繊維が多く含まれている野菜をたっぷり摂取する
- 炭水化物を食べるときは、ミネラルが豊富な玄米を選んでみる
ニキビにつながる可能性がある食べ物
ニキビに直接関係がある食べ物は確認されていませんが、過剰な摂取によって体調に変化が表れやすい食べ物は存在します。 ここではニキビができる、または悪化させる原因になり得る食べ物をご紹介します。 過剰に摂取している方は食べるバランスを考えるなど、参考にしてみてはいかがでしょうか。お菓子類や揚げ物
糖質や脂質は体に入ると皮脂の原料になるため、皮脂分泌量が増え、ニキビなどの肌荒れの原因になりやすいと考えられます。 そのため、糖質が多い菓子類や、脂質が多い揚げ物の過剰摂取はできるだけ避けると安心です。 例えばチョコレートは糖分や油分が多く含まれているため、ニキビ肌の方がたくさん食べると炎症を引き起こすこともあります。 しかし、毎日食べない、食べる量を決めるなど気をつけて付き合えば悪いものではありません。 食品に含まれている成分をしっかりチェックし、量を定めて食べることが大切です。コーヒーやお酒
肌の健康を保つ栄養素ビタミンB群の吸収を阻害することもあると言われている、カフェインやアルコールをたくさん摂取することはお肌にあまりよくありません。 コーヒーやお茶は過剰に摂取しなければ問題ないので、適量を飲むようにしましょう。 ただし、濃すぎるコーヒーやお茶は胃や食道に負担をかけてしまうので避けましょう。 飲み物が肌に及ぼす影響について、こちらの記事にまとめました。 飲み物を買うときや飲む時など、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
香辛料
胃腸が弱ると栄養を吸収しづらくなり、きちんと栄養を摂取できないため、身体や肌の不調につながる場合があるため注意が必要です。 カプサイシンを多く含む唐辛子などの香辛料を摂取しすぎると、胃腸に負担がかかるので、これらの食材を多量に摂取することはなるべく避けると良いでしょう。ドクターズポイント
ナッツ類は油分が多くカロリーも高いため、食べすぎるとニキビの悪化につながります。
糖質制限の観点で、ナッツ類を頻繁に食べているという人は自分が食べすぎていないか見直してみるとよいでしょう。
また最近、「クルミの食べすぎで、アレルギー症状が出ている」という事例が急増しています。
どんな食べ物でも、偏りなく適量を摂取することが大事です。
ニキビができづらい肌作りにおすすめの食べ物
身体をつくる食べ物に含まれる栄養素は、美肌をつくるうえでも重要です。 毎日口にしている栄養素にはどんなものがあるのか、肌を作るために大切な栄養素をまとめました。 必須栄養素は毎日、適量を食べることが大切。普段の食事のなかで自分に足りないものが何かを、一度調べてみてはいかがでしょうか。牛もも肉、豚もも肉、鶏むね肉、大豆製品、乳製品
肌や身体を作る材料になるタンパク質が多く含まれているため、積極的に摂取したい食べ物です。 特に大豆製品は、納豆、味噌、豆腐、豆乳、湯葉などが日常的に摂りやすいでしょう。 乳製品のなかでも、チーズはハードタイプのほうが、タンパク質が多く含まれています。 クリームチーズなど、ソフトタイプは脂質も多く含まれているので、ハードタイプのほうがおすすめです。 チーズに比べ、ミルク(牛乳)のタンパク質は容積あたりで比較すると多くありません。卵、うなぎ、レバー、焼き海苔
脂質代謝を正常化して、皮脂の過剰分泌を抑えてくれるビタミンB2が多く含まれています。マグロ、カツオ、サケ、バナナ、ニンニク
ニキビ痕の原因になるチロシナーゼの活性を抑えるビタミンB6を多く含むため、美肌作りには欠かせない栄養素です。 ただし生ニンニクの食べ過ぎは胃粘膜を痛めるので注意。赤ピーマン、芽キャベツ、ブロッコリー、レモン、キウイ
ストレスによる肌のバリア機能の低下を防ぐほか、肌の水分量を保ち、外的刺激から肌を守るビタミンCが多く含まれています。 肌のバリア機能は皮膚表面の角質層に備わっており、保護的な役割があるため、乾燥予防にも効果的です。 にんじんなどの緑黄色野菜は栄養バランスが優れているため、積極的に摂取したい食材です。 アボカドやパプリカなどの色が濃い野菜や果物もビタミンやミネラルが豊富に含まれているため、毎日のレシピに取り入れることがおすすめです。アーモンド、ドライトマト、ホウレンソウ
抗酸化作用が期待でき、血の巡りを良くするビタミンEを多く含む食べ物です。 アンチエイジング効果も期待できるため、毎日の食事にプラスできると良いでしょう。 肌に潤いを与えてくれる栄養素について、こちらにもまとめました。 ぜひ読んでみてくださいね。
乾燥予防でニキビを撃退
ニキビは脂性肌の方に多い問題だと考えている方も多いかもしれませんが、乾燥肌もニキビが発生する可能性は大いにあります。 その理由は、肌のターンオーバー。 乾燥した肌はターンオーバーが乱れてしまうため、正常に剥がれ落ちなかった角層が硬化し、毛穴をふさいで炎症を起こし、ニキビを作る原因になります。 乾燥による肌のターンオーバーの乱れが起こることでニキビができてしまうため、肌の水分が少ないとニキビが発生してしまうことがあると言えるのです。 ニキビケアのためには皮脂のバランスに気をくばることはもちろん、肌を乾燥から守ることも大切です。 また、ニキビ予防にはスキンケアはもちろん、生活習慣を改めることもかなり効果的です。 十分な睡眠をとる、ストレスをためないようにすることも美容法の一つ。 食事や睡眠などで体の内側のケアをしっかりと行うことでホルモンバランスが安定すると、美肌だけでなくダイエット効果も期待できますよ。 乾燥予防をしっかりと行い、ツヤのあるうるおい美肌を目指しましょう。【監修医師】
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医
杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。