乾燥肌にしわができる原因と対策|上手にカバーするメイクのコツは?

バリア機能が低下している乾燥肌は、肌荒れが生じやすいだけでなく、しわもできやすいってご存知でしたか?
乾燥肌は適切な水分量を保つことができないため、肌の弾力が低下している状態。つまり、しわができやすい肌状態なのです。
今回は乾燥肌としわの関係について深く掘り下げ、しわ予防対策やケアの方法までお伝えします。ぜひ参考にしてくださいね。

乾燥肌 しわ

乾燥肌にしわはできやすい?

ここではしわができてしまう原因と、対策についてお伝えします。乾燥肌としわについてお悩みの方は、改善に向けてのヒントがあるかもしれません。

しわの種類と原因

対策についてより理解を深めるためにも、まずはしわができる主な原因について知っておきましょう。

しわの主な種類

しわには、いくつかの種類があります。顔に現れるしわの主な種類としては、以下の3つのものがありますが、実際にはいくつかの要因が重なってできることが多いと考えられます。

  • 表皮性しわ(表皮じわ):表皮にできるしわで、ちりめんじわ、小じわとも呼ばれます。
  • 真皮性しわ(真皮じわ):真皮の部分にできるしわで、まぶたの下、ほうれい線などにできます。
  • 表情じわ:笑ったときにできる目じりのしわ、おでこのしわなど、一時的なもの。

しわができる原因

続いて、しわができる原因について見ていきましょう。紫外線、加齢など、しわができる原因はさまざまありますが、どのしわについても必ず通る症状が「乾燥」です。
肌は表面から表皮、真皮、皮下組織の3つで構成されており、主に乾燥を原因としたしわは表皮にある角層内の水分が失われることで起こりやすくなります。
初期段階は表皮しわであるちりめん状の小じわが多いですが、「そんなに深刻な状態ではないから」とお手入れやセルフケアをせずにそのまま放置してしまうと、しわがどんどん深くなる可能性があるので注意が必要です。
また、紫外線を原因としたしわは、紫外線により表皮が乾燥し、真皮の弾力を保つ細胞に損傷を受けることで生じます。
UVBは表皮を乾燥させたり、炎症を生じさせたりするダメージを与え、UVAは真皮に存在するコラーゲン、エラスチンなどにダメージを与えます。紫外線による乾燥を防ぐためにはUVAとUVBの両方から肌を守る必要があるので、日焼け止めなどの紫外線対策アイテムを選ぶ際にポイントとして覚えておくと良いでしょう。
加齢によるしわは、年齢を重ねることによって弾力が失われた皮膚に、跡が残りやすくなることが原因となります。
加齢によって皮脂分泌が減ると乾燥を引き起こしてしまい、皮膚内部の水分が減少。それが肌のハリ不足を引き起こし、眉間にしわを寄せる、遠くを見ようと目を細めるなど長い時間同じ表情をしていると、少しずつ皮膚にしわが刻まれていき、しわにつながるのです。最初は小さなしわでも、それが積み重なって大きなしわにつながるおそれもあるため、年齢を重ねるごとに乾燥予防に力を入れると安心ですよ。

しわができる原因

乾燥肌のケアはしわ対策の一つ

乾燥した状態の肌は表皮の適切な水分量を保つことができないため、表情じわが刻まれやすくなります。
また、乾燥肌の人が保湿を怠ったままでいると、真皮の水分量も低下。その状態が長く続くと、弾力が低下し、真皮まで刻まれる深いしわにつながります。
長時間肌をうるおし、乾かさない乾燥予防ケアによって肌のうるおいを保つことで、表皮の乾燥によるしわ予防は可能なので、なるべくしわが浅い間に適切なケアを行いましょう。

乾燥肌の人が取り入れたいしわ対策

乾燥肌の人がしわを改善するために必要なケアについて、4つの項目でまとめました。どれもすぐに実践できるものばかりなので、日常のケアに取り入れてみてくださいね。

1. 朝晩の保湿ケア

乾燥予防の第一歩は、基本的なスキンケアです。朝晩の洗顔後、化粧水や乳液、美容液やクリームなどの基礎化粧品を用いて肌を保湿すると◎。この時、使うアイテムの保湿成分などに注目するとより効果的にケアを行うことができるのでおすすめです。
しわが気になるお肌には、セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸、ヒト型セラミドなど、肌にハリをもたらす成分が配合された商品を使用すると良いでしょう。
化粧水のみではうるおいを肌に蓄えにくいため、化粧水をつけたコットンでやさしくケアをしてあげたら、必ず乳液やクリームでカバーしてくださいね。しわが目立つ方は、リンクルクリームなど、しわケアに特化したアイテムも販売されているので試してみるのも良いでしょう。
毎日のケアが面倒な方、疲れてしまって頑張れない時がある方は、オールインワンアイテムを取り入れてみてはいかがでしょう。オールインワンアイテムは、一つのアイテムで化粧水、乳液、クリームを使用した時と同様のケアが可能。形状は、ローションタイプのものよりも肌に長時間とどまってうるおいをキープしてくれるゲルタイプの商品がオススメです。ぜひチェックしてみてくださいね。

2. 乾燥予防

小じわを防ぐための乾燥予防には、常に肌のうるおいをキープし、乾燥状態に陥るのを防ぐことが大切です。
スキンケアアイテムを選ぶ際は、水分と油分両方の性質を備えたアクアオイルが配合されているものなどがおすすめ。肌を湿潤状態に導き、肌の水分量をキープしてくれるので、うるおいが続きやすくオススメです。
乾燥肌はしわが目立ってしまうので、特に肌のうるおいを長時間キープしてくれることはとても大切。
メイク後の乾燥に悩んでいる方は、メイクの前に目元、頬、口元など乾燥しやすい部位にあらかじめオイルや保湿ジェルを塗っておくと◎。外出時もこまめに保湿を繰り返すと、乾燥によって肌がガサガサになり、しわが目立つといった深刻な状態を回避することができます。

3. UVケア

紫外線は肌の表皮を乾燥させたり、真皮の弾力を保つ細胞に損傷などの紫外線ダメージを与える可能性があります。そのため紫外線対策は、しわ予防をする上で大切なアクションの一つです。
紫外線対策を行うことがしわ予防につながるため、夏の日差しが気になる時期以外にも一年中紫外線対策を徹底することがオススメ。
汗をかきやすい季節や屋外では何度も日焼け止めを塗り替えることが重要です。継続して行うためにも、日焼け止めの塗布や帽子、サングラスの着用など、自分に合うものを取り入れてみてくださいね。

この時、メイクアイテムもSPF、PAの値に注目し、数値や+の数が多いアイテムを選ぶと良いでしょう
SPFは短時間で発赤や炎症、いわゆる赤くなる日焼けを引き起こしシミの原因になるUVBを防ぐ効果指数で、PAは一時的に黒化を引き起こし、長時間かけて皮膚の弾力を失わせてしわやたるみの原因になるUVAを防ぐ効果指数を示しているので、どちらか片方ではなく、両方の数値の高い商品を選ぶこともポイントです。
商品のテクスチャータイプもさまざまなものがあるので、自分の肌質や着け心地などで合うものを見つけてみると良いでしょう。
クリームタイプの日焼け止めのベタつく感じや肌に塗るときの伸びにくさが気になる方は、ローションタイプやスプレータイプの商品を使用すると、ストレスなく紫外線対策ができるのでおすすめです。

4. 表情筋トレーニング

しわやたるみが増えると、全体的に老けて見えてしまうもの。そんな時は表情筋の筋肉をしっかり鍛えて、メリハリのある表情をキープするのも対策の一つです。
マスクの着用や、おうち時間が増えた昨今は特に、表情筋の衰えには注意が必要。
ここでは手軽にできる表情筋トレーニングをご紹介します。表情筋を鍛えることで、二重顎の改善も期待できますよ。普段の隙間時間に簡単にできるものなので、ぜひ、チェックして日々やってみてくださいね。

舌回し運動

  1. ほうれい線の裏側をなぞるように、舌を一回転させる
  2. ほうれい線の改善が期待できる
  3. 上を向いて舌を突き出し、10秒間キープ

乾燥肌にできたしわを上手にカバーするメイクのコツ

乾燥によるしわをメイクでカバーするためには、いくつかコツがあります。便利な商品からその使い方までご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

下地で肌を滑らかに整える

まずは、徹底的にスキンケアによる保湿を行いましょう。肌を柔らかく、ふっくらとさせることで化粧ノリもよくなり、乾燥を防いでしわが目立ちにくくなります。
そこへ「肌のざらつきを抑える」「凹凸をカバーする」「しわを埋めてくれる」など、肌をなめらかに整えられる効果のある下地を使うと効果的。
下地は水分と油分のバランスが取れた乾燥予防状態の肌に塗ることで、より効果を感じることができます。

深いしわは、少しずつカバーする

ほうれい線など、真皮まで深く刻まれたしわはファンデーションが入り込みやすいため、隠そうとしてメイクを重ねることで逆に目立ってしまうこともあります。
隠したいからといってメイクアイテムを一気に塗るのではなく、鏡で確認しながら、少しずつ塗布していくことがオススメです。少しずつ塗ることで量を調節できるので、しわが悪目立ちしなくなるだけでなく、日中のメイク崩れを抑える効果もありますよ。

ファンデーションでカバーしすぎない

しわを隠すアイテムは下地、コンシーラー、ファンデーションなどたくさんありますが、どれも塗りすぎには注意が必要です。特に広範囲に使うファンデーションはメイク後の肌の質感にも影響しやすいため、塗布しすぎないように気をつけましょう。
下地からファンデーションまで、しわのない部分の肌と見比べながら少しずつ塗り重ねることが、しわが目立たない肌作りで大切なポイントです。
メイク時にしわにメイクが入り込んでしまったら、ティッシュオフ、または綿棒で取り除く、乳液などで周囲となじませるなど、悪目立ちさせないように調節をしましょう。メイクの前にしっかり乾燥予防を行い、日中の乾燥から肌を守ることも大切です。

乾燥肌のしわに関するQ&A

乾燥によるしわ予防の対策を見てきましたが、ここでは乾燥のしわに関する疑問についてお答えします。ぜひ、予防対策をする際の参考にしてみてくださいね。

Q. しわができやすい部位は?

A. 動く機会が多く発生する目元、おでこ、眉間、口元、首など多々あります。
しわといっても、しわが特にできやすい部位はどこなのかは気になりますよね。
まず注目しておきたい部位は、顔の表情作りにも頻繁に動かすことの多い目元。普段皮膚を動かすことも多い分、小じわやちりめんじわなどの細かいしわが発生しやすい部位です。
続いては、顔の上部にあたる、おでこです。おでこも目元と同様に、動く機会が多く発生する部位です。目を開いたり、眉毛を上げたりの動きは日頃意識せずについ自然と行ってしまいがちですが、しわができてしまう要因でもあります。
また、おでこは紫外線の影響も受けやすい部位でもあるので、しわ予防には紫外線対策も必須です。
それから、実は眉間もしわができやすいといわれる部位になります。特に、眉間にしわを寄せるくせがあるひとは要注意。ふと鏡をみたら、眉間にしわが深く刻まれてしまっていたという風にならないように、できるだけ眉間にしわを寄せないように日頃から習慣づけておくと良いでしょう。
他にも気をつけたいのは、口元。口元は動かす頻度も多い上に乾燥のしやすく、乾燥による細かいしわ、筋肉の衰えなどによるほうれい線などが見られます。特にほうれい線は、あるのとないのとで見た目の印象を左右するようなしわでもあるので、しっかりと日々のケアをおこなっていきたい部位です。
そして最後に忘れてはならないのが、首元です。首は皮膚が薄く、乾燥によってしわができやすい部位とされています。顔より表立っている印象はないものの、年齢を感じさせる部位として気になるポイントではあります。クリームを塗って保湿ケアをおこなうなど、顔のお手入れとあわせてしっかりとしわ対策に力を入れるようにしましょう。

Q. 生活習慣で対策できることはある?

A. 乾燥しにくい健やかな肌状態を保つためには、普段のスキンケアだけではなく、正しい生活習慣を送ることも大切です。
乾燥予防の保湿ケアなどのスキンケアや紫外線対策の他、生活習慣の中で対策できることについてもご紹介しておきます。

  • 良質な睡眠をとる
    食生活もそうですが、良質な睡眠をとることがまずは大切です。睡眠時には成長ホルモンが分泌されるので、良質な睡眠をとることが新陳代謝が活性化され、皮膚のハリを保ったり、肌トラブルに負けない肌作りにつながります。
    そのためにも、寝る前にアルコールやカフェインを多く含む飲み物をとらない、スマホやゲームなどを控える、日中に適度な運動をするなど、良質な睡眠をとるための習慣を身に着けると良いでしょう。
  • なるべくストレスをためないようにする
    ストレスもしわには大敵です。ストレスがたまると、肌の細胞が生まれ変わるサイクルであるターンオーバーが乱れやすくなってしまいます。
    ターンオーバーが乱れると、肌を守るバリア機能が低下して外部刺激を受けやすくなったり、肌の乾燥が進んでしまい、肌荒れや皮膚のたるみ、しわを引き起こすことにもつながってしまいます。なるべく日々のストレスをためこまないように、心と身体のセルフケアを心掛けるようにしましょう。
  • 姿勢を良くする
    乾燥を防ぐこともそうですが、正しい姿勢もしわを作らないための重要なポイントです。悪い姿勢を長時間続けていることが、しわの原因になってしまうことがあります。
    たとえば、猫背であごを引き気味の姿勢であったりすれば、首元の横じわも出やすくなります。乾燥対策のスキンケアももちろんですが、日々自分の姿勢のクセなどをチェックして正しい姿勢を留意しておくようにしましょう。

肌の乾燥を促進してしまうおそれがあるタバコを吸わないなど、他にもしわ予防につながる対策はあります。まずは、自分のできるところから行っていくようにすると良いでしょう。

乾燥予防でしわを改善

乾燥肌はしわが目立ってしまうだけでなく、弾力の低下によってしわができやすい原因にもなっています。そのため、長時間うるおい続ける状態の肌を保つことがしわ対策の第一歩
さらに頰の乾燥が目立つ部分には美容液を重ね塗りする、目尻の小じわを予防するためにアイクリームを塗るなど、プラスアルファの乾燥予防を意識することがとても大切。
毎日のスキンケアやこまめな保湿、紫外線対策をしっかりすることで、うるおいとハリのある肌を目指しましょう。また、スキンケアだけではなく、うるおいのある健やかな肌を保つためには、生活習慣や日々の姿勢などに気をつけることも必要です。
乾燥対策、そして生活習慣をしっかりと継続すれば、肌の乾燥状態は改善します。真皮まで刻まれた深いしわを完全になくすことは難しいですが、表皮に刻まれた乾燥によるしわ予防は可能。乾燥予防で弾力のある肌を取り戻し、長時間うるおいの続くハリ肌を手に入れましょう。

【監修医師】久保田 潤一郎
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医

杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。

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