皮膚の構造と働き|正しい知識を押さえてスキンケアをアップデート!

肌の悩みやトラブルを解決するためには、肌に合ったスキンケアを行うことが大切です。
そのために知っておきたいのは、ケアの土台となる皮膚の構造や働き、そしてメカニズム。皮膚にはバリア機能や吸収作用といったさまざまな機能や働きがあり、それぞれが日々正常にすこやかに働くことによって、うるおいのある健康的な肌が生まれます。
今回は、そんな肌を目指すために必要な皮膚の基礎知識とそれに基づいたスキンケアをご紹介します。

皮膚 構造

皮膚の構造

まずは、人間の皮膚がどのような構造でできているのかを見ていきましょう。

皮膚の基本構造

皮膚の内部は、主に3つの層で構成されています。私たちが目で見ることができる一番外側が表皮、その下に真皮、そして皮下組織という3層が重なっており、表皮はさらに外側から角質層、顆粒層(かりゅうそう)、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層の4層で構成されています。
ただし、手のひらと足の裏のみ、角質層と顆粒層の間に透明層があり、5層構造になっています。

皮膚 構造 肌

構造別に見る皮膚の仕組み

表皮は、外部刺激や細菌などから皮膚を守る役割を果たしています。主にケラチノサイト(角化細胞)とケラチノサイトが変化した細胞でできており、肌表面にある細かい網目状の溝の部分を皮溝(ひこう)、皮溝で区切られた皮膚が高くなっている部分は皮丘(ひきゅう)とよばれます。
いわゆる「きめ細やかなスベスベ肌」とは、この皮溝の幅が狭く適度な深さがあり、皮丘の形が整っている皮膚状態のことをいいます。

表皮の最も外側にある角質層は、厚みがわずか平均約0.02ミリの薄い層構造天然保湿因子(NMF)やセラミドといった細胞間脂質などの成分が存在し、肌のうるおいを保ち、乾燥から肌を守るバリア機能を持つ大切な部位です。
角質層の下にある顆粒層にも角質層と同じく外部刺激から皮膚を守る働きがあり、層には天然保湿因子の主成分となる細胞が存在しています。

表皮の中でも最も厚みがある有棘層は、表皮の下にある真皮から基底膜を通過して届けられた酸素や栄養素を受け取り、顆粒層や角質層の元となるタンパク質を合成します。また、異物の侵入や外部刺激をリンパ筋に伝えるランゲルハンス細胞が存在し、肌を美しく保つための皮膚免疫をつかさどっています。

表皮の一番下にある基底層にも、さまざまな働きがあります。例えば、表皮の約90%を構成する新しいケラチナサイト(角化細胞)を生成すること。
基底層で作られた新しい細胞は上層へ移動しながら分化し、角質層まで押し上げられると角層細胞になります。この角層細胞は古くなると垢となって角質層から剥がれ落ちます。よく耳にするお肌の「ターンオーバー」とは、この肌が生まれ変わる一連のサイクルのことをいいます。
また、基底層には、メラニン色素を分泌するメラノサイト(色素細胞)があります。
メラニンは、紫外線を受けた際に肌を守るために分泌される色素で、樹技状突起を通ってケラチナサイトへ運ばれます。そして、基底層の最下部には基底膜があり、この基底膜が真皮と接続して表皮と真皮をつなぐことで栄養物や老廃物の交換が行われます。
以上のような表皮にある各層が正常に、すこやかに機能することによって、ターンオーバーの周期が整い、健康的な肌を保つことができるようになります。

表皮の下層にある真皮は、一言でいうと、肌のハリや弾力を保つために大切な部位。表皮よりも厚く、血管や神経、リンパ管、汗腺などが通っている場所で、構造の約7割はコラーゲン線維で構成されています
また、コラーゲン線維はエラスチン線維によって束ねられていますが、このエラスチン線維とコラーゲン線維の間にあるのがヒアルロン酸です。ヒアルロン酸は、水分を蓄える機能をもつゼリー状の物質で、細胞と細胞をつなぐ役割があります。コラーゲンの弾力性を高めるだけでなく、肌のうるおいを保つために必要な物質です。
そして、そんなコラーゲン線維やエラスチン線維を作り出すのが線維芽細胞。線維芽細胞が活発に働くことで肌の新陳代謝がよくなり、ハリと弾力のあるツヤ肌が保たれるのです。

皮膚の3層構造の最下層にある皮下組織は、真皮と筋肉、骨の間に存在する結合組織。血管も通っていますが、脂肪を作って蓄える機能を持っており、表皮と真皮を支えるクッションのような役割を果たしています。

皮膚が持つ働き

皮膚構造がわかった所で、皮膚にはどのような働きがあるのかを具体的に見ていきましょう。皮膚には大きく分けて、「保護作用」「吸収作用」「分泌排泄作用」「知覚作用」「体温調節作用」「表現作用」の6つの働きがあります。

保護作用

物理的衝撃や紫外線などの外的刺激、そして細菌、化学物質などの異物の体内侵入を防ぐバリアとなる皮膚。表皮のうるおいを保つ機能として働く皮脂膜を維持することでバリア機能を向上させ、外的刺激から肌を保護することができます
また、真皮にあるコラーゲン線維やエラスチン線維が、肌のハリを維持し、外部からの圧力をやわらげます。

吸収作用

皮膚には物質を吸収する働きがあり、表皮や毛穴を通して塗布された化粧品や薬剤などを吸収します。この働きがあることで、外側からのスキンケアが可能になります。

分泌排泄作用

皮脂や汗を分泌し、老廃物を体外に排泄する働きがあります。分泌された皮脂と汗が混ざりあうことで皮膚表面を保護する皮脂膜が生まれ、肌のうるおいを守ることができます。皮脂分泌は、肌の乾燥予防にもつながります。

知覚作用

肌に物が触れた際に体を警戒させる機能によって、温覚、冷覚、触覚、痛覚などの感覚を感じることができるのも皮膚の大切な働き。中でも特に敏感なのは、痛覚といわれています。

体温調節作用

熱を通しにくい構造のため、暑い時や運動などで体温が上がった時は汗腺(エクリン腺)から汗をかくことで熱を放射して体温の上昇を防ぎ、寒い時は体温を外へ逃がしにくくする働きがあります。

表現作用

精神的な変化が肌に表れることを表現作用といいます。ドキドキして頬が紅潮したり、ショックで顔面蒼白になったりするなど、心の動きは皮膚に現れることがあります。

すこやかな皮膚を保つために続けたいスキンケア

以上見てきたように皮膚にはさまざまな働きがありますが、皮脂量が異なる肌質、ホルモンバランスの影響によるターンオーバーの周期の乱れ、加齢や老化による皮脂量や肌のハリの低下など、その働きに影響を与える要因にはいろいろなことが考えられます。
すこやかな肌を保つためには、そうした要因も考慮しながら皮膚の働きをサポートする日々のスキンケアが大切で、例えば次のようなことを行うのがおすすめです。

乾燥を防ぐ

自分の肌質に合った化粧水、乳液、クリームなどの基礎化粧品で肌にうるおいを与えましょう。肌が乾燥しがちな人であれば、特に肌のうるおいを長時間キープすることが大切
おすすめのケアアイテムは、肌への負担が少ないアクアオイル配合で肌を湿潤状態に導くもの。さらにオールインワンアイテムなら、手軽にケアができて続けやすいでしょう。肌のうるおいを保ち、バリア機能を高めることで、肌荒れ予防にもつながります。

UVケア

紫外線は、表皮を乾燥させ、肌のハリや弾力を保つ真皮のコラーゲン線維やエラスチン線維に損傷を与えてしまいます。紫外線を防ぐためには、日焼け止めやUVケア成分配合のメイクアイテムの使用はもちろん、帽子やサングラスなどを着用して、できるだけ肌を紫外線からガードするようにしましょう。
紫外線は、一年中降り注いでいるものなので、夏場などの直射日光を受けやすい時期だけではなく、季節を問わず対策を行っていくことが重要です。

やさしく丁寧に洗顔する

肌トラブル対策の一つは、肌を清潔に保つこと。やさしく丁寧な洗顔を行うことで、細菌の繁殖予防にもつながります。洗顔を行う際は、洗顔料の配合成分や洗い方に注意しましょう。洗顔料は皮脂を奪い過ぎない保湿成分配合のものを利用し、肌に摩擦を生じさせないようにやさしく洗うことがポイントです。
さらに、水やぬるま湯で素早く洗うことで乾燥を防ぐことができます。熱いお湯は皮脂を洗い流してしまい、乾燥を招くため避けましょう。

生活習慣の改善

スキンケアをより効果のあるものにするためにも、身体にとって栄養バランスのよい食事、代謝を上げる適度な運動、質の高い睡眠など、日々の生活習慣の改善も大切です。食事については、特にタンパク質、亜鉛、ビタミンA, B6, C, Eなどが肌に良いとされています。
できるだけ、これらの栄養素が摂取できるような食事メニューを心がけましょう。

皮膚の仕組みを知って正しいスキンケアを

日々大切にしたい肌。だからこそ、皮膚の仕組みや正しい情報を知ってより自分の肌に適したケアを行うことが大切です。肌にまつわる知識をアップデートして、すこやかな美しい肌を手に入れましょう。

【監修医師】久保田 潤一郎
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医

杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。

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