セラミドとは?乾燥予防に必須!肌の角層に存在するうるおい成分【Q&A付き】

乾燥予防など肌の話題になると耳にする機会の多い単語、セラミド。
スキンケアに興味がある方、うるおい不足になやんでいる方は、ご存知の方も多いかもしれないですね。

セラミドは、うるおいのある肌には欠かせない成分。
肌荒れを引き起こす原因となるバリア機能の低下にも、セラミドが深く関係しているんです。

今回はそんな、うるおいを考える上で欠かせないセラミドについてお話します。
難しいテーマに感じるかもしれませんが、わかりやすく解説していくのでご安心ください。
セラミドの知識を深めることで、美肌を目指すためには何に気を付けると良いのか、自身のスキンケアにどんなことが不足していたのかが明らかになるかもしれません。
今後の美容ライフを充実したものにするためにも、ぜひチェックしてみてくださいね。

セラミド とは

乾燥予防の強い味方「セラミド」とは?

そもそも、セラミドとはどんなものでしょうか。
ここではセラミドとはどういう成分なのか、どんな特徴があって、なぜ乾燥予防に効果的なのかをお伝えします。

セラミドとは?

セラミドは、人の肌に存在するうるおい成分です。
表皮の中でももっとも外側にあたる角層に存在する細胞間脂質で、角質細胞の隙間を満たし、水分を抱え込む働きがあります。
セラミドが肌に存在することで、角質層までしっかりとうるおいを保ち、外的刺激からも肌を守りやすくなるため、乾燥予防のためには欠かせない成分なのです。

セラミドはスフィンゴ脂質(スフィンゴエミリン、グルコシルセラミド)という細胞を形作る成分の一種。
糖などと反応することで、スフィンゴ糖脂質やスフィンゴエミリンと呼ばれる物質に変換されます。
スフィンゴ脂質の一種であるセラミドは、スフィンゴシンと脂肪酸がアミド結合した化合物群の総称で、これらの物質が細胞間脂質として角質細胞同士の間を埋め、水分と交互に重なりあう「ラメラ構造」という層状構造を形成します。
この構造がバリア機能となり、外的刺激から肌を守り、水分の蒸発を防ぐ役割を果たします。

そんなうるおいのある肌のために欠かせないセラミドですが、加齢、過度なお手入れによる摩擦、ストレスなどにより、徐々に減少してしまうという特徴があります。
そのほか生活習慣の乱れなどでホルモンバランスが崩れると肌のターンオーバーが乱れ、その結果セラミドが減少するというケースもあります。

セラミドが減少するとキメの乱れ、肌のハリ不足やシワの発生につながるため、注意が必要。
また、アトピー性皮膚炎患者の肌にもセラミド不足が指摘されています。

肌の水分保持や皮脂バランスを整えるためには細胞内まできちんとセラミドの補給を行うことが必須なのです。

セラミドとは

セラミドの種類

セラミドには多くの種類があり、それぞれに特徴があります。
化粧品で配合されるアイテムでは、天然セラミド、ヒト型セラミド(バイオセラミド)、植物性セラミド、合成疑似セラミドの主に4種類に大別されることが多いでしょう。それぞれの特徴について、下記で詳しくお伝えします。

天然セラミド

動物の脳や脊髄から抽出されたセラミド。“動物セラミド”と呼ばれることもあります。
人がもともと持っているセラミドに近く、保湿力・角層への浸透力は高いといえます。
伸びが良いことも特徴。他のセラミドと比べて、少し価格が高い場合が多いです。

ヒト型セラミド

酵母などにより製造されたセラミド。
人の皮膚にあるセラミドとほぼ同じ構造をしており、肌への刺激が少なく、保湿力、角層への浸透力も優れています。

植物性セラミド

大豆、米など植物から抽出されたセラミド。
低刺激で保湿力は高いが、角層への浸透力は天然型セラミドやヒト型セラミドに比較すると低いとされています。

合成疑似セラミド

化学的に合成されてつくられたセラミド。
大量生産が可能なため、他のセラミドに比べて比較的安価に入手することができるのが特徴です。天然セラミドやヒト型セラミドに比較すると、保湿力は低く、“類似セラミド”と呼ばれることもあります。

肌にセラミドを補給するおすすめの方法とは

セラミドについて理解が深まったところで、次はそのセラミドを肌に補うためにはどうすれば良いかをお伝えします。
ここでご紹介する方法は、大きく2つ。どちらも簡単に始めることができるので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

スキンケアアイテムを用いる

セラミドを肌に補給する一番手軽な方法は、化粧水、乳液、クリーム、オールインワンアイテムなどセラミド配合のスキンケアアイテムを使用すること。
塗る際は次から次へと重ね塗りするのではなく、一つ一つのアイテムがきちんと肌になじんだことを確認して。次のステップへ移るよう気を付けましょう。

市場にはセラミド配合のスキンケア商品が多数販売されているため、自分の肌やライフスタイルに合うものを選ぶことが大切です。
セラミドが豊富に配合されたスキンケアアイテムは、肌のうるおいを持続しやすいため、うるおいが保たれやすく、メイク崩れしにくいといえます。

肌のうるおいはどうしても時間とともに失われていくもの。スキンケアアイテムを選ぶ際は化粧水タイプよりも、肌表面に留まってくれる時間の長いゲルタイプの保湿アイテムを選ぶと、長時間うるおいのある肌をキープしてくれます。

スキンケアだけでなく、セラミド配合のメイクアイテムも販売されているので、併せて使用するのも効果的です。
化粧水や乳液、美容液を重ね塗りすることが面倒な方は、オールインワンアイテムを取り入れると簡単に保湿ケアを行うことができるのでおすすめです。

セラミドを与えるだけでなく、角層までアプローチ

24時間潤い続けるメディプラスゲルは、ヒト型セラミド、密着型ヒアルロン酸・コラーゲン・アミノ酸などの厳選された美容成分をたっぷり配合。さらに、独自成分が角層細胞まで潤いでブーストすることで、外的刺激にぶれない肌へ導きます。乾燥に由来する肌のゆらぎ、乾燥小ジワ、肌荒れ、ハリ低下などにお悩みの方に、洗顔後の新習慣としておすすめです。

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サプリメントで摂取する

セラミドが多く含まれる、と表記されたサプリメントも販売されていますが、経口摂取の場合、消化器官を経由した結果アミノ酸等に分解されます。
セラミドを構成する原料にはなりますが、あくまで栄養補助であり、食事による様々な種類の栄養摂取のほうがより効果的であることは覚えておきましょう。
栄養バランスの取れた食事を心掛け、サプリメントを飲む際は必ず、用法・用量を守って上手に利用することが大切です。

セラミド配合アイテムを選ぶときのポイント

乾燥予防に効果的なセラミドですが、ただ「セラミド配合」と書かれている商品を使用するだけでは、十分な効果は得られません。
自分の症状に合わせてセラミドの種類や配合量を選び、効果的に使用しましょう。

セラミドの種類

「セラミド」と一口にいっても、種類は多数あります。その中でも、人の角層に存在するセラミドの構造に近い天然セラミドや、ヒト型セラミドが配合されたアイテムがおすすめです。
ヒト型セラミドは、スキンケアやメイク用品を作っているブランドによって、独自開発が進められています。
それぞれに特徴があるので、保湿力の高さ、うるおいの持続力に注目して選ぶと良いでしょう。

セラミドの配合量

セラミドは、配合されている量が多いほど肌のバリア機能を高めやすいといえます。
化粧品の配合成分は、商品の裏などに書かれている成分表に記されているので購入する前にチェックしましょう。

成分表に記載されている成分は量の多い順に並んでいる場合が多いため、前方にセラミドが記載されていると、その商品は量が多い商品である可能性が高いといえます。
乾燥予防のためにも、必ず確認するようにしましょう。

セラミド以外の保湿・整肌成分

セラミドの配合量はもちろん大切ですが、セラミド以外に含まれる成分にも着目することで、よりうるおいが持続するアイテムを選ぶことができます。

注目したいのは保湿成分と、整肌成分。
保湿成分はうるおいを持続させる働きがある成分のことで、コラーゲン、ヒアルロン酸、アクアオイル、プロテオグリカン、アクアオイルやプロテオグリカンなど。整肌成分はビタミンCやプラセンタなどがあります。
セラミドが配合された商品を選ぶ際は、ヒアルロン酸やコラーゲン、プラセンタエキス、ビタミンCなどがバランス良く配合されたものを選ぶと良いでしょう。

セラミドが多い食べ物と生成を助ける栄養素とは

スキンケアはもちろんですが、うるおいのある肌を作るためには、毎日の食事も重要。
食べ物から摂取する栄養素は、美しい肌を生成するためには欠かせません。この章では、セラミドを多く含む食物についてご案内します。

セラミドを多く含んだ食べ物

体内のセラミドの生成を促して健やかな肌を保つために、食べ物の栄養素にも意識することをおすすめします。
食べ物では、米、小麦、そばなどの炭水化物、わかめ、ひじきなどの海藻類、こんにゃく芋、ごぼう、ほうれん草などの野菜、小豆やキノコ類に、セラミドが多く含まれていることが分かっています。
飲み物では、牛乳などにもセラミドが含まれているといわれています。

セラミドの生成を助ける栄養素

セラミドの不足は、ターンオーバーの乱れによって起こる場合があるため、ターンオーバーを促す栄養素を摂取すると良いでしょう。

まずは肌を作るもとになる栄養素であるタンパク質不足すると肌トラブルの原因になりやすいため注意が必要です。
肌のターンオーバーのサイクルを整える働きがあるビタミン類は、特にビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEがおすすめ。
ほかにも肌のターンオーバーに欠かせない酵素を作る働きがある亜鉛や、体内では作ることのできない不飽和脂肪酸の1つで、セラミド成分を作る土台になるオメガ3系脂肪酸も必要な栄養素。
すべてを食事からとることが難しい場合はサプリメントを取り入れることもおすすめです。

セラミドに関するQ&A

セラミドについてより知見を深めるために、Q&A方式で疑問に答えていきます。
不足した際のサインや維持するためのポイントといった大切な知識です。ぜひ参考にしてくださいね。

Q. セラミドが不足している場合のサインは?

A. 肌のかさつきを感じたら、セラミドが不足している可能性があるので注意が必要です。
角層のセラミドが不足し、バリア機能が低下すると、角質のうるおいが逃げやすくなります。
そのため、セラミド不足を感じたらスキンケアでしっかりと対策して、すこやかな肌を保つために、食べ物による内側からのケアで改善を図ると良いでしょう。

Q. セラミドを維持するために避けるべき食べ物はある?

A. 揚げ物、加工食品、菓子類など、脂質が多い物の食べ過ぎは、ニキビや肌荒れにつながる可能性があるため、なるべく避けることがおすすめです。
うるおいのある肌には欠かせない成分である、セラミドを維持するためにも、摂取量を考えて楽しむと良いでしょう。

食べ物が肌に与える影響について、こちらの記事でも詳しく解説をしています。ぜひチェックしてみてくださいね。

セラミドを上手に利用して乾燥予防を

セラミドは人間がもともと持っているうるおい成分。減少してしまうと肌のうるおいがキープできなくなるためバリア機能が低下してしまいます。
バリア機能が低下した肌は乾燥だけでなく、外部刺激にも弱くなってしまいがち。そのため、肌のカサつきやかゆみなどの肌トラブルを引き起こしやすくなってしまいます。

肌荒れを改善して健やかな肌へと導くには、セラミドを賢く利用して乾燥予防を徹底して行うことが重要ポイント。
徹底した乾燥予防ほか毎日の食事に気を配ること、不足した際のサインを見逃さないことなどで健やかな肌を作り、維持することが可能になります。

スキンケアアイテムのほか日々の食事やサプリで必要なセラミドを補給し、うるおいのあるつややかな美肌を手に入れましょう。

【監修医師】久保田 潤一郎
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医

杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。

この記事を読んだ方に

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