スキンケアアイテムを選ぶ際に、「普通肌用」や「敏感肌用」といった表示を見かけることは多いのではないでしょうか。
これらの表示は、そのアイテムがどんな肌タイプの方に合った商品かを表しているもので、化粧品を購入するときの目安としてとても大切な表記です。
では、みなさんは自分の肌が何タイプなのか、本当にご存知でしょうか。
乾燥している、乾燥していないなどのジャッジは個人差があるものなので、乾燥肌の自覚がない方や、脂性肌なのに過剰な保湿をしてしまっている方も、なかにはいらっしゃいます。
自分の肌タイプに合わないアイテムを使用していると、どんなにセルフケアを頑張っても肌が改善されなかったり、ときには肌質に合っていないスキンケアアイテムが刺激になっていたりして、肌荒れを引き起こしてしまうことも。
今回はスキンケアをする上で欠かせない肌タイプについて、診断からおすすめアイテムまで詳しくご紹介します。
肌にはタイプがある?
「肌」と一言で言っても、さまざまな種類があることはご存知ですか?
普通肌や乾燥肌など、なんとなく知識として知っているつもりになっているものも、間違えて覚えていたりする場合もあるかもしれません。
この章ではそんな肌タイプについて、1つずつ細かくご説明します。
肌タイプってなに?
肌は角質層の水分量や皮脂の分泌量などによって、一般的に大きく5つのタイプに分けられます。
肌タイプごとに適切なスキンケアは異なるため、肌タイプごとの特徴を知り、自分の肌をよく理解することで、より自分に合うスキンケア方法を見つけやすくなります。
また、コスメカウンターなどで見かけるスキンチェッカーは、かなり専門的なものでないと再現性がなため、あくまでも目安として理解しましょう。
主な肌タイプ
1. 普通肌
肌の水分量が多く、皮脂量が少ないタイプ。
肌のバリア機能やターンオーバー(新陳代謝)が良好に保たれ、肌トラブルが少ないことが特徴で、肌にうるおいと適度のツヤがあり、キメが整っている方が多いです。
2. 乾燥肌
肌の水分量と皮脂量がともに少ないタイプ。
肌のバリア機能やターンオーバーが低下していて、肌トラブルが起こりやすいことが特徴。
表面がカサつき、角質片がはがれやすく粉っぽい状態で、質感がザラザラしていてキメが粗くなっている場合が多いです。
3. 脂性肌(オイリースキン)
肌の水分量と皮脂量がともに多いタイプ。
顔全体にテカリやベタつきが生じているほか、毛穴の開き、鼻や頬の赤みが目立つ場合が多いです。
皮脂にはほこりや汚れなどが付着しやすく、肌トラブルの原因になりやすいので注意が必要です。
4. 混合肌(インナードライ)
顔の部位によって肌質が異なるタイプ。
Tゾーンはべたつきがあるのに、目元や口元はカサカサし、乾燥しているなどのトラブルに悩まされている方が多くいます。
Tゾーンなどは皮脂腺の働きが活発な部位で、オイリーになりやすい反面、目や口のまわりの皮膚が薄い部分はかさつきを感じやすいため、スキンケア方法や使うアイテムに工夫が必要です。
5. 敏感肌
水分や皮脂を維持しにくいタイプ。
肌トラブルやアレルギーなどが原因で、水分量などの状態が不安定であるほか、そもそもの肌が弱いため、スキンケアが刺激になることも。
成分表記をよく見て無添加、無着色のものを選ぶと安心です。
季節の変わり目など、気温や湿度の変化にも弱いため、定期的に使用アイテムの見直しを行いましょう。
特に注意が必要な敏感肌の症状について、こちらの記事にまとめました。ぜひチェックしてみてくださいね。
肌質診断で肌タイプを確認
「オイリー肌だと思っていたら、隠れ乾燥肌だった」「乾燥肌だと思っていたら敏感肌だった」というように、自分の肌タイプを間違って認識している方も多いはず。
間違ったスキンケアは肌荒れの原因にもなるため、注意が必要です。美しい肌作りのために、まずは自分の肌質がどのタイプなのかを探るところからスタートしましょう。
この章では、肌質診断の方法と、診断表をご用意しました。ぜひ試してみてくださいね。
肌質診断の方法
■洗顔後にあぶらとり紙を使用し、肌の状態を確認する。
- いつも通り洗顔し、タオルで顔の水分をふき取る
- 何もつけずに放置する ※夏季は20分程度、冬季は10分程度が目安
- あぶらとり紙を肌に押し当て、表に当てはまるタイプを確認する
肌質診断の結果まとめ
肌タイプの見分け方について、こちらの記事に詳しくまとめました。
上記でご紹介している診断方法で肌タイプを診断後、こちらの内容も併せて確認すると、より自分の肌への理解度が深まるかもしれません。
ぜひチェックしてみてくださいね。
肌質診断で確認した肌タイプ別のスキンケア
自分の肌質をきちんと知ることで、必要なスキンケアを確認することができます。
どんなに良いアイテムを使用していても、自分の肌に必要なかったり、肌質に合わないものだったりすると、逆に肌荒れを引き起こす原因になることもあるので注意が必要です。
この章では肌タイプ別の特徴や、必要なスキンケアアイテムをご紹介します。ぜひ参考になさってくださいね。
普通肌
ターンオーバーも正常で、肌に必要な水分量と油分量のバランスのとれた、健康的なお肌です。
クレンジングや洗顔で、メイクや皮脂汚れなどをしっかり落とした後は、化粧水や乳液、クリームなどで肌を保護するといった、日常的に続けている基本的なスキンケアを続けてください。
肌質(肌タイプ)は、生活習慣により変わることがあるため、睡眠や食事などの乱れに注意しましょう。
乾燥肌
肌の内側のうるおいを保つ力が、低下している状態です。乾燥した肌はバリア機能も低下し、肌トラブルを招きやすい状態。
肌がしぼんでいてハリがない場合も多いため、乾燥肌は小じわやシワという年齢を感じさせる肌悩みのもとになることも。
現在使っている保湿クリームや乳液を高保湿なものに変える、顔の中でも特に皮膚が薄い目元にはアイクリームなどを使用するなど、毎日の保湿ケアの方法を見直すと良いでしょう。
乾燥が気になる方は、朝の洗顔後や夜の風呂上がりだけでなく、日中も小まめに保湿ケアを行って、乾燥予防することがおすすめです。
メイクの上からでもかけられる、ミスト状の化粧水を活用するなど、肌のうるおいを継続させることを心がけると安心です。
脂性肌
油分の少ない乳液や美容液など、さっぱりタイプの保湿ケアアイテムを使用すると良いでしょう。
脂性の方が高保湿なアイテムを使用しているとニキビの原因になる場合もあるので注意しましょう。
食事の際は、脂質の摂取を抑え、脂質の代謝を促し、適正な皮脂の分泌を保つ働きがあるビタミンB2を摂取するように心がけて。
ビタミンB2が豊富な食品は豚レバー、卵、アーモンドなど。食事で補えない場合は、サプリメントを取り入れることもおすすめです。
混合肌
Tゾーンなどの脂っぽい部分には、油分の少ないスキンケア商品を使う、乾燥が目立つ部分には、保湿効果が高い乳液やクリームを塗るなど、乾燥している部位を重点的に保湿するようにしましょう。
肌の状態に合っていないケアは、肌トラブルの原因になることもあるため、部位によって必要なケアをきちんと見極めることも大切です。
敏感肌
化粧品やスキンケア用品は肌への刺激が少ない、敏感肌にも使用できるスキンケアアイテムを選ぶようこころがけましょう。
セルフケアを続けても症状が収まらない、かゆみ、痛み、赤みの症状が強い場合は、皮膚科専門医に相談すると良いでしょう。
肌質診断で、自分に合った乾燥予防を
自分の肌状態を知ることは、肌悩みの改善につながるためとても大切です。
今回の肌診断を通して、自己診断とは違う結果が出た方も、いらっしゃるかもしれません。
使用しているアイテムが肌質に合わないものだった場合は、肌に合う商品に変えてみることをおすすめします。
「乾燥肌という診断が出たけど、さっぱりタイプのスキンケアアイテムが好き」という方は、自分が好きなテクスチャーの商品を選ぶと良いでしょう。<br? 配合されている保湿成分などをチェックして、軽いつけ心地ながら保湿成分がたっぷり含まれているものを選ぶと、ストレスなく乾燥予防を行えるのでおすすめです。
アイテムを塗り重ねることが苦手という方は、ひと塗りで肌に必要な水分と油分をチャージできる、オールインワンアイテムがおすすめ。
ローションタイプのものよりも、肌の上での滞在時間が長いジェルタイプのものを選べば、乾燥肌の方でも安心して使うことができますよ。
スキンケアは継続することがいちばん大切。
肌タイプに合っているものでも、使い心地が好きになれないと、継続して使えない場合も。自分の肌質はもちろん、使い心地にもこだわって、毎日のスキンケアを楽しく行いましょう。
毎日の乾燥予防の積み重ねで、ハリのある美肌を目指しましょう。
【監修医師】
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医
杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。