しわ対策のポイント|肌のハリを取り戻すために意識したいスキンケア

年齢を重ねると肌の弾力が低下するため、顔全体がハリ感がなくしわっぽい印象になってしまいがち。顔のしわが目立つようになると、毎日鏡を見るたびに気持ちが沈んでしまいますよね。特に、まばたきや会話でよく動く目元や口元は、しわが気になる部分です。
しわが増える原因は、女性ホルモンの減少にあります。更年期を迎えてホルモンバランスが乱れると、エストロゲンの分泌が減ってしまうため、肌でコラーゲン(膠原繊維)やエラスチン(弾性繊維)・ムコ多糖類(ヒアルロン酸)などがつくられにくくなり、肌がやせて、しわやフェイスラインのたるみが目立つようになるのです。
今回はそんなしわについて、種類や原因、対策をご紹介します。自分の悩みと向き合って適切なケアを行い、ハリ感のある肌を目指しましょう。

しわ 対策

しわの種類と原因

ひとくちに「しわ」と言っても、発生する場所や症状にさまざまな種類があることをご存じでしたか?
ここではしわを大きく3つのカテゴリーに分けてご紹介します。

しわの種類

表皮性しわ

肌は、外側から表皮、真皮、皮下組織の3層で構成されており、表皮は肌のもっとも外側の組織。
表皮性しわとは、この表皮内のもっとも外側の層・角質層に刻まれた比較的浅いしわのことです。症状としては小じわや細かいちりめん状のしわで、目元や口元にできやすいのが特徴です。
表皮性しわの原因は、角質層と皮表の水分、油分が不足しているからだと考えられています。
繰り返し刻まれると深いしわになる可能性があるため、注意が必要です。

真皮性しわ

真皮まで、深く刻まれたしわを指します。
加齢や紫外線などにより、コラーゲン線維やエラスチン線維などの真皮のハリを保つ成分がダメージを受けることで生じます

表情じわ

同じ表情をすることで表情筋が縮まってできる、顔の表情のくせによってできるしわです。
目元にできる笑いじわ、眉間、額のしわなど、決まった位置にできることが特徴です。

しわ対策の基本【種類別】

しわの種類とできる原因について、いかがでしたか。
ここではしわの種類別に、基本の対策方法をお伝えします。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

表皮性しわの対策

皮膚の浅いところでちりめん状にできる表皮性のしわには、セラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンなどの保湿成分が配合されている、保湿力の高いスキンケアアイテムを使うと良いでしょう。
化粧水で肌をほぐしてうるおいを届けた後は、乳液やクリームでカバーして、肌に保湿成分をキープすることを心がけましょう。
肌から水分が蒸発することを抑えてうるおいをキープし、肌を柔らかく保つことをエモリエント効果と呼びます。
うるおいが長時間持続するオールインワンアイテムも販売されているので、スキンケアに時間をかけられないという方は使ってみると良いでしょう。

真皮性しわの対策

皮膚深くまで刻まれてしまった真皮性のしわには、肌のハリ、弾力を保つコラーゲン線維やエラスチン線維の修復を促す必要があります。
レチノール、ビタミンA、ビタミンC、ペプチドなどの、アンチエイジング効果の期待できる成分が配合されたアイテムを使用すると良いでしょう。
加齢や紫外線が原因の場合が多いため、エイジングケアを取り入れる、日中に浴びる紫外線を防ぐなども効果的です。

表情じわの対策

表情じわの原因は、表情筋が縮まっていること。マッサージなどでゆるめ、血行を促進すると良いでしょう。
血行を良くすることで、肌のしなやかさを保ちやすくなるほか、表情筋のコリもほぐされ、表情のクセを直しやすくなります。
頬周りや口周りなどの筋肉は、指先で軽くほぐすようにマッサージを行うと効果的です。かっさを使う方法もありますが、摩擦が肌に負担となる場合もあるので注意してください。

入浴時にゆったりとストレスを解消し、リラックスするのもしわ改善に効果的。
入浴後の体が温まっているタイミングで表情筋をほぐすと、さらに血行が良くなりやすいのでおすすめです。
ほうれい線が気になる方は、マッサージでほぐした後に表情筋トレーニングもするとリフトアップが期待できるので、試してみてください。

また、視力の低い方は必ず度数のあったメガネや老眼鏡、コンタクトレンズを使いましょう。
焦点が合わないと眉根を寄せがちになるので、縦ジワの原因になります。

ハリのある肌に導く、しわ対策のポイント

しわの種類によってさまざまなアプローチ方法があることが分かりましたね。
次はシワ対策について、見直した方が良いことやスキンケア法などを具体例を交えながらご紹介します。

乾燥を防ぐ

肌にはもともと、バリア機能という皮脂膜、角質層により肌を保護する機能があります。
肌が乾燥してバリア機能が低下すると、外部刺激を受けやすく、ターンオーバーが正常に働かない状態になります。
ターンオーバーが正常に働かないと古い細胞が新しく入れ替わらなくなるため、うるおいをキープすることが難しくなり、しわが生じやすくなります

乾燥を予防することで肌のバリア機能の向上につながるため、乾燥予防をしっかりと行うことでしわも改善することができます。
乾燥肌の方は、アクアオイルなどが含まれた、うるおいが長時間持続するアイテムがおすすめ。角層にじっくりと水分を与え続け、乾燥予防することができるので、試してみると良いでしょう。

スキンケアは化粧水で水分を補給したあと、乳液やクリームの油分でフタをして蒸発を防ぐ、その後、美容成分が多く配合されている美容液を使用するという手順が一般的ですが、疲れているとこの手順が面倒に感じる方もいるかもしれません。
そんな時は、ひと塗りで水分と油分をバランス良く肌にとどけることができるオールインワンタイプのスキンケアを使用すると便利です。ローションタイプのものより肌にとどまる時間の長いジェルタイプのものを選ぶなど、テクスチャーにもこだわって商品を選んでみてくださいね。

スキンケアを肌に塗布した後は、一番最後に手のひらを肌に押し当ててみてください。
手を離したときに肌が手に吸い付くような感覚があったら、しっかりと保湿ができている証拠です。

外的刺激から肌を守る

外的刺激とは、ほこりなどの外気中の異物だけでなく、紫外線のことも指します。
肌の弾力やうるおいを妨げる恐れがあり、しわだけでなく、たるみを引き起こす原因にもなるため注意が必要です。そのため、1年を通じて紫外線対策をすることがおすすめです。

日焼け止めを塗ることはもちろん、その後に使う下地やファンデーションなどのメイクアイテムも紫外線カット成分が配合されたものを選ぶと効果的でしょう。
肌が弱い方は、紫外線吸収剤を使用していない、肌にやさしいアイテムを使うと安心。
紫外線ダメージを効果的に防ぐためには、SPFとPAの数値にも着目するとより良いですよ。長時間外にいる日はこまめに塗り直すことも大切です。

また、クレンジングや洗顔が外的刺激となる場合もあります。
アイメイクなどのポイントメイクを落とすとき、クレンジングクリームやジェルでゴシゴシと擦るのは特にNG。
コットンに専用のリムーバーを浸して優しく拭き取るようにすると肌への負担が減りますよ。

生活習慣を見直す

しわの改善にはうるおいと、肌の新陳代謝を促すターンオーバーを正常化させることが大切です。
そのためには、規則正しい健康的な生活を送ることで、ホルモンバランスを整いやすくさせることが重要
栄養バランスの取れた食事を取る、適度な運動を続ける、ストレスの原因を取り除く、入眠前にリラックスし、目を休めて睡眠の質を高めるなど、自分が取り組みやすいところから整えていくと良いでしょう。
特に運動は急に動くと体を痛める可能性があります。無理をせず、エクササイズやウォーキングなど、体の負担が少ないことから始めてみてください。

乾燥予防でしわ対策

しわの原因はさまざまあることが分かりましたが、特に注意すべきは乾燥予防です。
肌は乾燥するとバリア機能が低下し刺激を受けやすい状態となるため、しわ以外の肌トラブルの原因にもなるので注意が必要です。
特に乾燥肌の方は肌の保水力が低下しバリア機能も低い状態なので、しわができやすいと言えます。
シートマスクやパックをするなど、基本のスキンケアに加えて定期的にスペシャルケアを取り入れることを習慣づけると、肌の変化を感じやすくなりますよ。
目の下のや目尻のたるみやシワが気になるときはアイクリームを使うなど、気になる部位の悩みにアプローチしてくれる商品を選ぶと効果を実感しやすいです。

おでこのしわやフェイスラインのゆるみなど、老化を感じる場合は目的にあわせて集中ケアを行うと効果的です。エイジングケア効果のあるアイテムを使用してみてください。
セルフケアに限界を感じたら、エステなどへ行ってプロの手をかりることもおすすめです。
日々のケアやスペシャルケアでしっかりと乾燥予防を行い、透明感のあるキレイな肌を目指しましょう。

【監修医師】久保田 潤一郎
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医

杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。

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