肌荒れの赤みに適したスキンケアと注意点|肌のうるおいキープが大切

肌荒れで吹き出物やカサつき、湿疹ができてしまったとき、かゆみやブツブツはもちろん、肌の赤みが気になるという方もいるのではないでしょうか。
ターンオーバの乱れやアレルギー体質、外部刺激など肌に赤みが出る要因はさまざまですが、そもそもの原因は肌が乾燥しているから。今回は肌荒れの赤みに悩んでいる方に向けて、乾燥から赤みが起こる理由やその対処法、ケアを行う際の注意点をお話しします。

肌荒れ 赤み

肌荒れで赤みが起こる原因

肌が赤みを帯びる一番の原因は乾燥によるものとお話ししましたが、ではなぜ乾燥すると赤みが出てきてしまうのでしょう。ここではなぜ乾燥が大敵なのかについて、赤みが生じる仕組みも交えて詳しくお伝えします。

肌の赤みが生じる仕組み

赤みが出る理由の一つは、肌で炎症が起こり毛細血管が拡張している状態
外部刺激を受けたり、アレルギー反応などの肌トラブルが生じて細胞が損傷すると、ウイルスや細菌などが入り込み、免疫反応が作用します。この「肌トラブルが生じている部分」=「炎症部位」に免疫細胞を集める際に、毛細血管が拡張されることによって、赤みが引き起こされるのです。
肌のトラブルが続くと、毛細血管が拡張されたままになるため、赤みも続くことがあります。
また、皮脂腺に菌が入り込み、化膿することによって周囲が赤く見えることもあります。きちんとしたケアをせずに皮脂が詰まったままになると、アクネ菌などが繁殖し、ニキビや吹き出物の発生につながる可能性も。赤みを気にして肌を触りすぎたり、毛穴のケアを怠ることが赤みの発生につながるのです。

赤みを引き起こす炎症の原因

赤みの原因となる炎症が起こる理由は、肌のバリア機能の低下にあります。
バリア機能は肌表面の角層内にうるおいをたくわえ、外的刺激から肌を守る機能。バリア機能の低下は乾燥や誤ったスキンケア、摩擦、紫外線、花粉などの外的刺激などにより起こるため、日ごろから自分の肌のコンディションをしっかり整えること、うるおいを持続させるスキンケアや紫外線対策を行うことが大切です。
バリア機能が正常に働いていれば炎症を起こす確率も下がるため、肌の赤みを減らすことができるのです。他にも、バリア機能の低下は不規則な生活や食生活の乱れ、睡眠不足がきっかけとなっている場合もあります。適度な運動を行う、栄養バランスの整った食事を意識する、果物やサプリメントでビタミンCを摂取するなど改善方法はたくさんあるので、心当たりのある方は無理のない範囲で試して見てくださいね。

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肌荒れによる赤みを予防するためのスキンケア

赤みを軽減させる第一歩は、乾燥を防いで肌のバリア機能を高めること。具体的にはどんなことに気をつけてケアを行うと良いのか、実践しやすいようにまとめたので、参考にしてくださいね。

やさしく洗顔する

肌荒れによって赤みを起こしている肌は、バリア機能の低下により炎症を起こしている状態。外的刺激に弱くダメージを受けやすいため、肌の赤みに摩擦は禁物です。顔を洗う時は洗顔料をよく泡立て、やさしく洗うと良いでしょう。クレンジングや洗顔料を見直すことも◎。
保湿成分配合の洗顔料を使うと、皮脂の取りすぎを予防しやすいので安心ですよ。洗い流すときは、使用する水の温度にも気をつけて。冷たい水だと汚れが落ち切らず、42℃以上の熱いお湯だと必要な皮脂まで流してしまう恐れがあるため、泡を流すときはぬるま湯で洗い流すことがポイントです。

基礎化粧品で乾燥を予防する

赤み=炎症の起きにくい、バリア機能が正常に働く肌を作るためには、乾燥を防ぐことがとても重要です。
洗顔後はなるべく早いタイミングで化粧水、美容液、乳液、クリームなどを用いて、肌にうるおいを与えてください。
基礎化粧品を選ぶ際に気にしたいポイントは、適切なスキンケアで湿潤した肌に導き、長時間乾燥を防ぐケアを行うこと。水分と油分の両方をバランスよく肌に与えること、使用するスキンケアアイテムは保湿成分がたっぷり配合されたものを選び、肌のうるおいが長時間持続することを意識すると良いでしょう。肌に乾燥する隙を与えず、ずっとうるおった状態を保つことが理想です。

肌に与える水分と油分のバランスを自分で考えるのが面倒な方や何を使えば良いのかわからないという方は、化粧水、乳液、クリームなど多機能を果たすオールインワンアイテムを使うのがおすすめです。年齢に合わせたものや「敏感肌タイプ」「高保湿タイプ」など色々な商品があるので、自分の肌悩みに合わせて商品を選んでみてくださいね。ひと塗りで簡単にスキンケアを完了させることが可能なので、時間のない日のために一つ持っていると便利ですよ。

紫外線をカットする

紫外線は肌表面や角層内のうるおいを奪い、バリア機能を低下させてしまうので、紫外線対策は一年を通じて毎日行うことが大切です。
日焼け止めや帽子などで紫外線から肌をガードするのも効果的ですし、下地やファンデーションとまとめてUVカットができるアイテムやBBクリームを使うと、スキンケアにかける時間やメイクする時間を時短できるので◎。時短アイテムを選ぶことで、忙しい朝でも抜かりなく紫外線対策を行うことができますよ。
この時、紫外線だけでなく大気汚染もブロックしてくれるアイテムを選ぶと、空気中の微細な粒子(PM2.5や花粉など)、ほこりなどの外的刺激からも肌を守ることができるので安心です。長時間外にいる日は汗や皮脂によって日焼け止めが落ちる場合があるので、こまめに塗り直すことをおすすめします。外出時はスプレータイプのものを携帯すると重ね塗りがしやすいのでおすすめです。

肌荒れの赤みをケアする際の注意点

肌荒れによる赤みについて、続いてはスキンケアだけでなく、メイク時に気をつけたいことや悪化してしまった時はどうすれば良いかも合わせてお伝えします。

肌の状態を見極める

スキンケアを行う時に最初に気をつけたいことが、自分の肌に合うスキンケアアイテムを使うこと。SNSで人気の商品や、コスメ売り場の売れ筋商品が自分の肌に合うとは限らないからです。気になる商品を見つけたら、まずはテスターやサンプルなどで自分の肌に合うか確認すると良いでしょう。
乾燥が気になる方は高保湿成分のセラミドや保湿効果の高いコラーゲンが含まれているものが良いでしょう。肌荒れによる赤みがかなり強く出てしまっている方の中には、テスターで試してみても継続して使用することに不安に感じる方もいるかもしれません。そんな方は、低刺激のアイテムを試してみることがおすすめです。無添加のものやグリセリンなど低刺激の保湿成分が配合されたものを選ぶと、刺激に敏感な状態の赤みが生じた肌にもストレスを与えにくいので安心ですよ。

メイクに使うアイテムを清潔にする

メイクに用いるブラシやパフなどのツール類は、使い方や保管にも気を配りましょう。皮膚の薄い目の周りや口元を強く擦るような使い方は要注意です。
さらに、一度使用したブラシやパフには肌表面の雑菌や皮脂が付着している場合があります。雑菌が付いたままのメイク道具でメイクをすると、メイクをする行為自体が肌への刺激となり、赤みを悪化させてしまうおそれがあるので避けましょう。ブラシやパフなどは定期的に洗浄するか使い捨てタイプを選び、清潔に保つことを心がけてください。洗った後はしっかりと完全乾燥させてから使うため、複数のツールをローテーションするのも清潔さを保つコツ。

悪化した場合は治療を検討する

スキンケアを見直した結果、赤みが悪化したり肌のひりつきやごわつき、表面のでこぼこ感が治らない場合は皮膚科受診を検討すると良いでしょう。皮膚科を受診し、皮膚科医からの判断を仰ぎましょう。保湿薬を処方してもらえたり、スキンケアについてアドバイスをもらえたりするので心強いですよ。
市販薬を長期にわたって使用しているという方でも、皮膚科で処方してもらった薬に切り替えるとすぐに症状が治まる場合もあるので試して見てください。
季節の変わり目など特定の時期にいつも肌荒れが起きるという方は、一度アレルギー検査を行うことも◎。原因がわかることで対策をしやすくなるので、その時期がくる前に薬をもらうなどすることで症状を抑えることも可能になります。

肌の赤みが気になったら、うるおいを意識して

肌荒れで赤みが目立つ肌は、バリア機能が低下して炎症が起こっている証し。バリア機能はうるおいのある肌を目指すことでキープできるので、スキンケアや紫外線対策で乾燥から肌を守ることが肌の赤みの元となる炎症を抑えるポイントです。
気をつけたいのは、スキンケアや紫外線対策は赤みが起こってからではなく、普段から継続して行うこと。症状が出てから改善するよりも、日頃から肌に気を配ることでバリア機能の低下を防ぐことができるからです。
毎日のスキンケアやメイクを行う際に自分のコンディションを把握することも、肌の異変に早く気付くことができるので大切。新しいスキンケアアイテムやメイクアイテムを使用するときは、特に注意して肌の反応をみてくださいね。すこやかな肌をキープするためには、自分に合うスキンケアアイテムを見つけて、継続してケアを行うことが一番の近道。オールインワンアイテムなどの便利なアイテムも利用して、うるおいをキープした美しい肌作りに取り組みましょう。

【監修医師】久保田 潤一郎
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医

杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。

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