保湿の大切さとスキンケアのポイント|健やかで肌トラブルのない肌

スキンケアといえばまず保湿。それは乾燥肌、脂性肌に関わらず、肌のお手入れの基本でもあります。
しかし漫然と肌に水分を与えるだけでは意味がありません。なぜ肌にとって保湿が大切なのか、正しく知っておくべき保湿ケアの基本をまず理解しておきましょう。
今回は肌を保湿する重要性と保湿ケアのメカニズム、さらに乾燥を防ぐ美容理論までを徹底的にご紹介します。しっかりとポイントをおさえれば、乾く隙のない健やか美肌を目指せますよ。

保湿

肌にうるおいをキープする保湿ケアの大切さ

手のひらで肌に触れたとき、カサつき、ざらつきなどの肌荒れを感じるととても気になるもの。でも乾燥状態の肌は、手触りや感覚だけではない、もっと深刻な肌悩みにも直結しているってご存じですか?

スキンケアで意識したい保湿とは

本来肌には、皮脂膜などの皮膚の水分を保持する「バリア機能」が備わっています。しかし日々の洗顔等で皮脂が洗い流されてしまうため、失われた水分と油分を与え、うるおいを保つ必要があります。スキンケアでの重要ポイントはこの「うるおいを与え、保つ」ことなのです。
ただ単に水分だけを与えても水分は蒸発してしまうので、油分で覆ってフタの役割をする膜をつくってあげることがポイント。一時的にうるおいを補給するだけでなく、肌自体に水分をキープし続けることで健やかな肌状態が保てます
肌の角質層にはもともと、肌が自ら水分を蓄えるための細胞間脂質や天然保湿因子(NMF)が存在しているのですが、水分不足の肌では細胞間脂質や天然保湿因子が減少し、肌の保湿力が低下。
つまり皮膚の内部をしっかりと水分で満たし続けることで、肌本来の水分保持力を高め、健やかな肌状態でいられるのです。

バリア機能とは

肌の保湿力を高める必要性

肌の水分量が増えると、肌の持つバリア機能がしっかりと働き、外的刺激から肌を守りやすくなります。肌のバリア機能とは、細胞間脂質と天然保湿因子(NMF)と呼ばれる天然の保湿剤によってうるおいを蓄え、皮脂膜が表皮をガードする仕組みのこと。
この細胞間脂質、天然保湿因子(NMF)と皮脂膜は、いずれも肌の水分と油分のバランスが整っていることで正常に働きます。
乾燥によってバリア機能が低下してしまうと、摩擦、雑菌、紫外線、花粉などの外的刺激を受けやすくなり、敏感肌状態となって肌トラブルが起きやすくなります。雑菌の繁殖がニキビや吹き出物を引き起こしたり、摩擦や紫外線によって湿疹やアトピーの悪化、深刻な肌ダメージにつながることも。
肌を乾燥させず、角質層に適度な水分を保ち続けることが、さまざまな肌トラブルの予防にもなります。

肌の保湿力が失われる原因

では肌からうるおいが失われ、水分保持力が衰えてしまうのはなぜなのでしょうか。代表的な原因を見ていきましょう。

誤ったスキンケア

過度なピーリングやスクラブで肌を傷つけたり、洗顔時に肌を擦り過ぎたり、熱いお湯で洗うようなケアはNGです。角層が傷つき、バリア機能が低下して乾燥が促進してしまう恐れがあります。
また、肌表面のベタつきをふき取るためにコットンで擦る、化粧水を肌に浸透させようとパンパンと叩く、などのお手入れ方法も強い刺激に。
表皮上の皮脂膜が壊され、角質が無理やりはがされることで、肌から水分が逃げやすくなり逆効果です。

加齢

人の肌は、年齢とともに皮脂分泌量や、細胞間脂質、天然保湿因子(NMF)が減少していく傾向にあります。肌に水分を蓄える力が弱くなり、肌表面からも水分が蒸散しやすくなっていきます。
肌の水分量は年齢に応じて緩やかに低下していきますが、皮脂分泌量は特に女性において急激な減少が起こります。30代から著しく減少していくため、「お肌の曲がり角」と呼ばれることも。
肌のうるおいやハリがなくなり、乾燥したりたるみが目立つようになるのはそのためです。

紫外線

太陽から降り注ぐ紫外線が与える肌へのダメージは、日焼けだけではありません。
日焼け止めの塗布や帽子の着用など、対策をせずに紫外線を浴び続けると、紫外線によって肌表面が乾燥するだけでなく、さまざまなダメージを受けることに。
紫外線に含まれるUVA波は肌の奥の真皮まで到達し、肌にうるおいを貯めハリ・弾力を保つ成分に損傷を与えてしまいます。ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンなどの成分が減少し、肌内部に水分を貯めることができなくなるのです。乾燥だけでなくシワ、たるみの原因にもつながり、老け顔の原因にも。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスが乱れると、肌の代謝である「ターンオーバー」に影響を与えます。
毎日の睡眠や食事、ストレスや日中の活動など、生活習慣が不安定になるとこのターンオーバーのペースが乱れ、バリア機能が低下しやすくなってしまうのです。
すると肌の生まれ変わりが滞り、古い角質が表面に堆積して肌が硬く乾燥しやすくなったり、逆に早く生まれ変わりすぎてうるおいを保つ機能が弱い肌になってしまう可能性があります。
スキンケアはもちろん、規則正しい生活や栄養バランスの整った食事、よい睡眠習慣などで、ホルモンバランスを整えることが大切です。

うるおいに満ちた肌へ導く保湿のポイント

乾燥の原因がわかったら、まずはそのNG習慣をやめること。その次は乾いてしまった肌にうるおいをプラスしていきましょう。

肌の負担を抑えて洗顔する

スキンケアの中でも、肌への負担がとても大きいのが洗顔です。ごしごし強く洗顔すると、角層の表面を傷つけたり、うるおいを奪いすぎてしまう可能性があります。
保湿成分配合の洗顔料をたっぷり泡立て、泡をクッションにしてやさしく洗顔するのがおすすめ。不要な皮脂や汚れのみ洗い流すような洗顔を心掛けましょう。
また、長く洗いすぎると乾燥を招くおそれがあるため、38℃以下のぬるま湯で手早く洗うようにしましょう。

水分と油分のバランスを整える

洗顔後は肌の皮脂が洗い流されて無防備な状態。間を置かず、すぐにスキンケアをすることが大切です。まず化粧水・ローションで水分を浸透させ、肌をほぐして柔らかくします。そのあとは必ず乳液やクリームの油分で肌の水分をカバーして、肌の水分の蒸発を防ぐこと。乳液は水分と油分をエマルジョン化(乳化)させたアイテムですが、クリームはもっと油分が多いものを指します。季節や環境、自分の肌に合わせてスキンケアアイテムを上手に使いわけると、水分と油分のバランスを整えやすくなりますよ。
また、入浴後の身体も同様で、特に熱いお湯に浸かったあとは肌の水分が奪われやすい状態となっています。特に赤ちゃんや子どもの場合は皮膚が薄いため、お風呂上がりの全身を丁寧に保湿してあげましょう。うるおい成分配合の入浴剤や、お風呂から上がる前に使用するボディクリームなどにも気を配ると、さらにしっとり肌に近づきますよ。

乾燥を予防する

肌を健やかに保つためには、一時的な保湿だけでなく、うるおいが持続するようなアイテムを使うことが重要です。セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンなど、水分を保持するような保湿成分が含まれているかをチェックして選んでみましょう。
また、肌に長時間うるおいを与え続けるために、ジェルタイプのテクスチャーを試すのも良いでしょう。さらさらした使い心地のアイテムよりも肌の上に留まる時間が長いため、日中もうるおいの持続が期待できます。
たっぷり保湿成分が配合されたオールインワンアイテムなら、肌への摩擦回数もぐっと減らせるため、敏感肌の方にはおすすめです。
その他、保湿成分配合のファンデーションでメイクしながら乾燥を防いだり、日中に乾きを感じたらミストタイプの化粧水などでこまめに水分を与えてあげるのも◎。
特に目元や頬骨の上など、皮脂腺の少ない部位は乾燥しやすいデリケートな部分のため、保湿ケアに気を配りましょう。

大切なのは保湿の先、常に乾かさないこと

ここまで見てきたように、肌が乾燥してしまうとさまざまなトラブルの引き金になってしまいます。肌を美しく保つために、「乾く隙を与えず、常にうるおいをキープする」という考え方をしっかりとおさえておくことが大切です。乾燥をあらかじめ防ぐスキンケアと、日々の生活習慣によって、肌のバリア機能を健やかに保ちましょう。
肌をうるおいで包んでくれるような高保湿のスキンケアアイテムを選び、外的刺激から守りながら長時間水分を与え続ける「乾燥予防」を続けることで、乾燥に負けない理想的な肌を保つことができますよ。

【監修医師】久保田 潤一郎
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医

杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。

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