毎日欠かせないメイクアップ。化粧をすることで気分が上がり、キレイになった自分に自信が生まれて、1日を過ごすのが楽しくなったりしますよね。でも、メイクアップを楽しみたい気持ちがある一方で、化粧による肌荒れが気になってしまう…という人も多いのではないでしょうか。
そんな不安や悩みを解消すべく、今回は実際に化粧によってどのような肌荒れが起きやすいのか。また、肌荒れを起こしにくい、肌にやさしいメイクをするにはどうしたらいいか、その方法についてご紹介します。
化粧で肌荒れが起こる原因
そもそも、なぜ化粧によって肌荒れが起きやすいのか。その原因がどんなところにあるのかを見ていきましょう。
化粧品の配合成分
まず、肌荒れを引き起こすかもしれない原因として知っておきたいのが化粧品の配合成分です。
世の中にはいろいろな種類の化粧品がありますが、使われている成分は製品によってさまざま。使っている化粧品に含まれている成分が肌へのアレルゲンとなり、肌荒れを生じさせてしまう可能性があるため、選び方にも注意が必要です。
たとえば、化粧品使用の際の注意事項にもよく記載されているように、化粧品を使用して、肌質に合うかどうか、違和感、刺激を感じないかきちんと観察することが大切。成分表が記載された外箱は捨てずにとっておきましょう。
かゆみ、赤身、湿疹、かぶれなどが生じているときなどは使用せず、合わなければ自分の肌質に合うタイプのものを探したり、買い替えることを検討してみるのがいいでしょう。
肌のコンディション
自分の肌のコンディションによって、肌荒れを起こしてしまう場合があります。
たとえば、紫外線や乾燥などの外的刺激から肌を守る皮膚のバリア機能が低下している場合に、肌荒れが起きやすくなることがあります。そんな肌コンディションの時は、普段肌荒れが生じない化粧品でも肌の刺激となり、かゆみ、赤みなどが生まれるケースがあるので注意が必要です。
化粧で肌荒れになったときの対処法
化粧による肌荒れ要因となりえるものはわかりましたが、もし化粧で肌荒れになってしまったときは、どのような対策をすればいいのでしょうか。
化粧品を変える
まずは、使用している化粧品を変えてみるのも1つの手です。先程紹介したように、現在使っている化粧品が実は自分の肌に合っていない可能性が考えられます。
オイリー肌や敏感肌向けなど、各肌質に対応した化粧品なども販売されています。敏感肌用、アレルギーテスト済み、アルコール・パラベン・鉱物油・香料フリーなどの記載を参考にして、デリケートな肌に刺激の少ない、自分の肌に合うアイテムを使うようにしてみましょう。
なお、使う際は事前にパッチテストをして、使ったときの肌の変化を確認してから使い始めるのがおすすめ。手頃な価格のお試しセットやトライアルセットなどもあるので、肌質に合うか、使い心地はどうかを事前にチェックしてみましょう。
肌の乾燥を防ぐ
先程紹介したように、肌荒れは自分の肌状態によっても引き起こされてしまう場合があります。
たとえば、気をつけたいのが肌の乾燥。肌の乾燥は、肌荒れを起こす主な原因の1つです。肌の水分や皮脂が不足して乾燥すると、カサつきやかゆみなどの症状が起きたり、肌のハリが失われたりするなど、さまざまな肌トラブルにつながってしまいます。
対策としては、普段のスキンケアでは、化粧水や美容液、乳液などのいつものスキンケアセットに追加して、ジェル、クリーム、ローションなどの保湿剤で肌に十分なうるおいを与え、乾燥を予防することが大切です。生活の中には、紫外線やストレス、睡眠不足の生活習慣、冷暖房の効いた空間に長時間いるなど、私達のまわりには年間を通して肌の乾燥を引き起こす要因がさまざま存在します。乾燥時期に限らず、肌荒れの予防につながるスキンケアを日々行うようにしましょう。
ホルモンバランスを整える
ホルモンバランスの乱れも、肌荒れを引き起こす原因となるものです。
栄養の偏り、睡眠不足、血行不良、ストレスなどによってホルモンバランスが乱れることで、肌が生まれ変わるターンオーバーの乱れなどを引き起こし、肌のコンディションを低下させてしまう場合があります。
また、季節の変わり目もホルモンバランスを崩しやすい時期。湿度、気温、日照時間が変わるので、身体の恒常性を保つ機能(ホメオスタシス)のため、バランスがとれるまで微調整を繰り返すためです。
このように崩れやすいホルモンバランスを整えるためには、栄養バランスの取れた食事の摂取、適度な運動、良質な睡眠など、規則正しい生活習慣を心がけることが効果的。季節の変わり目は特に気を付けるようにしましょう。
皮膚科の受診を検討する
もし、上記のような対策をしても肌荒れが改善しない場合は、皮膚科の受診をおすすめします。
個人でケアをして治せる一時的な肌荒れではなく、もしかすると何かしらの皮膚の病気が発症しているケースもありえます。気づかずに肌荒れをそのまま放置して、さらにひどい状態に悪化などしてしまったら大変です。肌荒れが改善されず、少しでも不安がある場合は、皮膚科へ行ってしっかりと原因を突き止め、治療薬などを処方してもらうようにしましょう。
肌荒れになったときの化粧のポイント
肌荒れ時にも化粧をしなければならない…。そんなとき、どんなことに気をつけてメイクアップをすればいいのでしょうか。次は、肌荒れ時の化粧方法のポイントをご紹介します。
高保湿なメイクアイテムを使う
まず、できるだけ肌に負担がかからないように、摩擦や紫外線などの外部刺激を防ぎ、症状を悪化させないようにすることが大切です。そのためには、肌のバリア機能を高める必要があります。
たとえばメイクアイテムには、セラミド配合のものや高保湿なものを使うのがおすすめ。セラミドは、肌の水分を蓄える働きを持つ保湿成分。セラミドを補い、肌にうるおいを与えることで、肌を守る肌のバリア機能を高めることができます。十分に保湿した肌に、保湿成分が配合された化粧下地・ファンデーションなどでベースメイクを仕上げることで、日中の乾燥を防ぎ、外的刺激から肌を守りやすくなります。
UVケアを怠らない
肌に刺激を与えて乾燥を引き起こすだけでなく、シミやシワ、くすみなどの原因にもなる紫外線も肌荒れした肌には大敵です。
日焼け止めや、UVカット成分配合のメイクアイテムなどを付けて、乾燥を防ぐようにしましょう。紫外線は季節を問わず、常に気をつけたい肌荒れ要因です。肌荒れになってからだけではなく、普段から紫外線対策をしっかり行って素肌を紫外線から守り、肌荒れ予防を習慣化するようにしましょう。
メイクツールを清潔にする
肌荒れを招くおそれがあるものとして気をつけておきたいのが、普段使っているメイクツールの汚れ。肌に直接ふれるメイクツールは、汗や皮脂などがつきやすく、雑菌も繁殖しやすいものです。汚れたまま使っていると、ツールに付着した雑菌が肌につき、ニキビや毛穴詰まりなどの肌トラブルを引き起こしてしまう可能性があります。
一見汚れていなそうに見えても、メイクブラシの洗浄やパフの取り換えなど、普段使用しているメイクツールを定期的にお手入れすることで、雑菌の繁殖を防ぐことができます。また、汚れたメイクツールは肌荒れだけではなく、メイクの仕上がりにも影響を与えてしまいます。毎日使い慣れているとつい忘れがちになってしまいますが、日々使うものだからこそ、清潔な管理を意識するようにしましょう。
日々、肌にやさしい環境づくりと心掛けを忘れずに
化粧が肌荒れに直結してしまうわけではないですが、肌に直接つけるものなので肌に与える影響については配慮したいところ。
そのためにも生活習慣の改善や肌に負担のない化粧品の使用など、肌にやさしい環境づくりをおこなうことは大切です。
肌へのやさしさを忘れずに、日々の化粧を思いきり楽しみましょう。
【監修医師】
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医
杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。