さまざまな要因によって、肌は日々乾燥しがち。
秋冬の乾燥時期だけでなく、年間を通して肌のカサつきや、乾燥による肌荒れといった肌悩みを持っているという人も多いのではないでしょうか。
乾燥から肌を守ることはもちろん、実際に乾燥してしまった肌を改善するためには、毎日のスキンケアによる保湿や乾燥予防ケアが欠かせません。
でも、いろいろなケアアイテムがある中で、どんなアイテムを使うのがいいのか迷ってしまいますよね。
今回は、そんな時に参考にしてほしい、乾燥肌向けの化粧水の選び方と使用法についてご紹介します。
ぜひチェックして、自分に合ったアイテム探しに役立ててみてくださいね。
化粧水を付けていても乾燥肌になる?
スキンケアの基本アイテムとして欠かせない化粧水ですが、付けたから安心というわけではありません。
実は化粧水を付けていても、乾燥肌になってしまうことがあるんです。
そもそも乾燥肌とは
なぜ化粧水を付けても乾燥肌になる恐れがあるのでしょうか。その理由を理解するためにも、まずは乾燥肌とは何かを知っておきましょう。
乾燥肌とは、言葉の通り、肌が乾燥した状態のことを言います。
肌表面には、表皮とよばれる皮膚組織があり、その表皮はいくつかの層が積み重なって構成されていますが、その中で一番外側にある層が「角層(角質層)」です。
角層には、肌のうるおいを保ち、外部刺激から肌を守るバリア機能という働きがあります。このバリア機能が、空気の乾燥、肌ダメージなどが原因で低下してしまうと、角層部分の水分量や油分量が低下して肌の乾燥を引き起こしてしまうのです。
乾燥の原因は他にも、紫外線や加齢による皮脂分泌の低下、ストレスや生活習慣によるターンオーバーの乱れなどが挙げられます。
そして肌が乾燥すると、かさつきや粉吹き、かゆみなどの症状が現れます。
乾燥小じわやハリ感の低下、肌の質感の変化などの年齢サインにも影響があるといえますね。
化粧水を付けていても乾燥肌になることがある
肌が乾燥しても、化粧水を付けていればきっと大丈夫、とつい安心してしまいがちですが、実は化粧水を付けていても乾燥肌は引き起こされてしまうことがあるのを知っていますか?
化粧水を塗布した肌が乾燥してしまう理由として、使用している化粧水が肌に合っていない、またスキンケアの方法に誤りがある…などの可能性が挙げられます。
具体的に言うと、たとえば、肌に刺激となる成分が配合された化粧水を使用している、保湿効果のない化粧水の後に乳液を付けずにいて、化粧水の水分が蒸発してしまうなどです。
乾燥肌の予防が期待できる化粧水の選び方
肌の乾燥を防ぐためにも肌に合った化粧水、スキンケア方法を知っておく必要がありますよね。
ここでは、化粧品を選ぶ際のポイントをご紹介していきます。
うるおいが持続しやすい化粧水を選ぶ
肌の乾燥を防いだり、改善するためには、保湿機能が大切になってきます。
外出時間中の乾燥を避けるためにも、化粧水を選ぶ際はうるおいができるだけ継続しやすいものを選ぶようにしましょう。
乾燥予防処方であれば、塗布した後も肌に水分を与え続けてくれるため、長時間肌を乾かさずにうるおいが持続します。
また、配合成分もポイントです。たとえば、セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンなどの保湿成分が多く配合されたアイテムならうるおいキープに期待できるでしょう。
セラミド:肌の角質層にある成分で、細胞と細胞をつなぎ、水分を保持する働きを持っています。
コラーゲン:体内のあらゆる組織に存在するたんぱく質の一種で、肌にハリや弾力を与えてくれる、美容や健康維持に欠かせない成分といわれています。
ヒアルロン酸:もともと人の体内に存在しており、細胞間の水分を蓄え、皮膚の柔軟性や弾力性を保持する働きを持つ、保湿性にすぐれた成分です。
プロテオグリカン:体内にある成分で、コラーゲンやヒアルロン酸と同様、高い保湿性と柔軟性を持ったうるおい成分になります。
これらの成分は小ジワや乾燥が目立ちやすい目元のケアなど、エイジングケアとしての効果にも期待が持てますよ。
また、化粧水にも、さらさらとした着け心地のものやとろみのあるものなど、テクスチャー違いのものがさまざまありますが、中でもジェルタイプのテクスチャーはうるおいの持続機能が高いといわれています。
他にも、化粧水や乳液の機能が備わっているオールインワンアイテムもおすすめ。忙しい時にも他のスキンケア製品の重ね塗りの手間が省ける分時短にもなりますし、重宝しますよ。
香りや使い心地などにも考慮して、自分の肌質や好みに合うものをドラッグストアなどで探してみてください。
肌への優しさで選ぶ
乾燥肌はデリケートな肌状態であることが多く、乾燥予防のためには、肌への刺激を与えないことも重要です。
そのためにも、できるだけ肌への負担が少ない、肌に優しい化粧水を選ぶようにしましょう。具体的には、肌への刺激を感じないと思う化粧水を使用するのが良いでしょう。
たとえば、敏感肌向けの必要な成分だけで作られたシンプルな化粧水や、無添加、着色料フリー、パラベンフリー、エタノールフリーなどの記載を参考にするとよいでしょう。
ただし、スキンケアアイテムを試す前には成分表示を確認したり、必ずパッチテストをしてみることをおすすめします。
乾燥肌の方に試してほしい化粧水の使用法
化粧水を選ぶだけでなく、保湿対策のためにはその使用法にも注意が必要です。
ここでは、乾燥肌の方に試してほしい使い方をご紹介していきます。
洗顔後や入浴後はすぐに化粧水で保湿をする
肌の乾燥を引き起こしやすいシーンは、日常のさまざまな所に発生します。
まず気をつけたいのが、洗顔・入浴後。肌に必要な皮脂や保湿成分まで洗い流されてしまい、水分が蒸発しやすくなり、肌の乾燥を引き起こしやすいタイミングです。
できるだけ乾燥を防ぐためにも洗顔や入浴後は、肌のつっぱりを感じる前に速やかに化粧水などで保湿をするように心掛けましょう。
手で顔に付ける
化粧水の種類だけではなく、塗り方によっても保湿の効果は変わってきます。
化粧水を使う時は、できるだけ直接手で顔に付けるようにしましょう。コットンは肌に摩擦によるダメージを与えやすく、肌に負担をかけてしまう可能性があります。
そのため、刺激に敏感になっている乾燥肌への使用は、あまりおすすめできません。
化粧水をつける時は、化粧水を手のひらで優しく馴染ませてから肌につけ、優しくハンドプレスをして肌全体になじませるようにしましょう。
パンパンと強く叩くようなパッティングは、肌へのダメージとなるため避けましょう。
化粧水の後は油分で蓋をする
乾燥肌は、水分だけではなく、油分も不足している状態です。
油分が足りないと、その分水分が肌から蒸発しやすくなってしまいます。
化粧水をしっかり肌につけて水分や保湿成分を浸透させた後は、水分が逃げないように、エモリエント効果のある乳液やクリームなどを塗布して油分でしっかりと蓋をするようにしましょう。
エモリエントとは、皮膚の水分や油分を保持して皮膚を柔らかく保つ皮膚作用のことです。
エモリエント効果のあるアイテムを使うことで、乾燥予防の効果を高めることができます。
正しい化粧水の選び方と使い方を知り、健やかな美肌を目指しましょう
時節を問わず、年中乾燥にさらされやすい状態にある肌。だからこそ、乾燥を防ぐためには普段からの保湿・乾燥予防ケアが欠かせません。
また、効果的なスキンケアを行うためには、普段使う機会の多い化粧水についても正しいアイテムの選び方、そして使い方が重要になってきます。
今回ご紹介した情報を参考に、自分の肌質に合う、より保湿効果の高い化粧水を選び、正しく使って日々の乾燥予防をぜひ習慣化してみてください。
乾燥に負けない、うるおいある肌をキープしていきましょう。
【監修医師】
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医
杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。