乾燥でガサガサするかかとのケア|ひび割れが起こる原因とは?

肌の乾燥予防となると、目につきやすい顔の乾燥予防は徹底していても、普段衣類で隠れて見えない部分の対策はつい気を緩めがちという方もいるのではないでしょうか。
もちろん、肌の乾燥は全身で起こるものなので、顔以外にもケアが必要な部分がたくさんあります。

中でも注意したいのは、かかと。特に冬時期になると、気づいたらかかとがガサガサ、ゴワゴワになっていて悩みの種になっているなんていうことはありませんか。
かかとには皮脂腺がなく、特に乾燥しやすい部位だといわれています。普段隠れているからといって放っておくと、ひび割れを起こしてしまうなど症状が悪化する可能性があるので注意が必要です。
今回の記事では、乾燥したかかとの手入れについて詳しく紹介していくので、ぜひチェックして今後のかかとの乾燥予防に役立ててみてくださいね。

かかと 乾燥

かかとが乾燥したときに見られる症状と原因

まずは、かかとが乾燥する原因と、乾燥した場合に見られる症状について見ていきましょう。

乾燥したかかとに見られる主な症状

かかとが乾燥すると、まず皮膚がガサガサとした状態になります。
このガサガサとしたかかとの肌状態に伴い脛(すね)などにかかとが当たると痛みを感じたり、着用するストッキングが伝線するなどのトラブルなども引き起こされてしまいます。
また、乾燥をそのまま放置して症状を悪化させてしまうと、痛みを伴う深いひび割れを生じてしまうことがあるので注意が必要です

かかとが乾燥する主な原因

では、なぜかかとが乾燥してしまうのでしょうか。これには、いくつかの原因があります。

たとえば、1つが「肌のうるおい不足」です。
皮膚には、外部刺激などから皮膚を保護するバリア機能を持つ角層(角質層)がありますが、何らかの原因でバリア機能が低下すると、角層のうるおいを保つために必要な水分や油分が不足し、肌が乾燥してしまいます
この状態を改善するためには、保湿ケアが必要になります。

また、「日常生活における摩擦のダメージ」も乾燥を引き起こす原因となります
かかとは、立つ、歩く、靴下や靴を履く など摩擦を受ける機会が非常に多い部位です。他の部位に比べてかかとが乾燥しやすいというのも、うなずけますよね。

そして、忘れてはならないのが、「血行不良による肌のターンオーバーの乱れ」によって引き起こされる乾燥です。
私達の肌は、一定の周期で新しい皮膚が生まれて古い皮膚がはがれ落ちる代謝サイクルを持っています。このサイクルのことをターンオーバーと言いますが、このターンオーバーが正常に働くことで健やかな肌状態を保つことができます。逆にターンオーバーが正常に機能しないと古い角質が蓄積した状態になり、これがガサガサかかとの原因になってしまうのです。
ターンオーバーの乱れを引き起こす原因としては、睡眠不足やストレス、食生活の乱れや血行不良などがあります。

また、ガサガサする原因が乾燥によるものではない可能性もあります。原因として考えられるのが、水虫です
水虫は指の間などに発生しますが、放置して悪化してしまうと、かかとまで症状が進行することがあります。
乾燥か水虫かを見た目で判断するのはむずかしいため、もしも保湿ケアをして症状が改善しない場合は、水虫の可能性を疑ってみるようにしましょう。

乾燥したかかとのケア方法

かかとの乾燥原因が分かった所で、続いてはかかとが乾燥した時のケア方法についても詳しく紹介していきます。

入浴時に角質を取り除く

まずは、硬くなってしまった角質を取り除き、角質ケアをすると良いでしょう。
入浴時、お湯で足の角質をふやかしたら、フットスクラブや足用やすり、軽石などを使用し、硬くなった角質を除去するようにしましょう。
一気に力を入れて無理に除去しようとするのは、肌への負担が大きいためNG。時間をかけて丁寧に行うようにしてください。
また、頻度としては、週に1~2回程度にとどめるようにしましょう。

こまめにクリームを塗る

肌は常に乾燥しやすい状態にさらされるので、ヒアルロン酸やコラーゲンなどの保湿成分や尿素が配合されているものやワセリンなどの油分が多いクリームなどの保湿アイテムを塗る習慣をつけるようにすると良いでしょう。

日々の保湿ケアは、乾燥の進行を防ぎ、肌状態の改善を図るためには大切です。
清潔にしたお風呂上りなどに、足裏マッサージをしながら行うとよいでしょう。素足にストッキングや靴下を履く前などのタイミングで保湿クリームをひと塗りするなど、こまめなケアもポイント。
さらに、長時間水分を与え続け、乾かさないケアをする乾燥予防アイテムも効果的です。
お風呂上がりのフットケアで翌日までかかとのうるおいを保てますよ。

かかとの乾燥を防ぐための注意点

乾燥状態を改善するための保湿ケアも大切ですが、乾燥させないための予防策も同じくらい重要です。
ここでは、効果を発揮するために知っておきたい、予防の際の注意点をいくつかご紹介します。

乾燥した状態を放置しない

肌には、うるおいを保ち、外部からの刺激や異物の侵入を防ぐ役割を担うバリア機能がありますが、肌が乾燥するとこのバリア機能が低下してしまいます。
そのため、かかとを乾燥した状態のまま放置すると、バリア機能のさらなる低下を引き起こし、症状が悪化しやすくなってしまいます
そうならないためにも、かかとが乾燥していたら、そのままにせず、早めに保湿ケアなどの対策を行うようにしましょう。

運動する機会が少ない

肌のターンオーバーの乱れの一因となる血行不良を改善するためには、運動が効果的です。
運動をすると、血行が促進され、肌の新陳代謝が促進されやすくなります。

運動をする機会が少ないのであれば、肌のために体に負担の少ない運動を続ける習慣をつけることが望ましいと言えるでしょう。
血行が良くなることで冷えなどの改善といった効果も期待できます。

偏った食生活をしている

紫外線や空気の乾燥などの外部環境だけではなく、食生活やストレスなどの内部環境も肌状態に影響を与えます。
たとえば、偏った食生活はホルモンバランスや肌のターンオーバーを乱れさせ、肌トラブルの原因となりえるものです
毎日摂取するものだからこそ、しっかりと栄養バランスを考えた健康的な食事を摂るように心掛けましょう。

飲酒量が多い

肌のことを考えるなら、飲酒量にも注意が必要です。
飲酒は肝臓にダメージを与えやすいものといわれており、肝臓へのダメージが多いと、それは肌に影響する恐れがあります。
肌のターンオーバーを乱れさせる原因にもなりやすいので、飲酒をする際は摂取する量に注意するようにしましょう。

かかと 乾燥

日々のフットケアでツルツル&すべすべかかとを手に入れよう」

見えにくい場所だからこそ、忘れずにしっかりケアをしておきたいかかと。
かかとが乾燥してしまう原因にもさまざまなものがあり、保湿を中心とした毎日のフットケアはもちろん、生活習慣の改善などの内側からのケアも大切だということがわかったのではないでしょうか。
ガサガサかかとに悩んでいる方は、ぜひ今回記事に掲載したケア方法や注意点を参考にして、乾燥知らずのツルスベかかとを手に入れてくださいね。

【監修医師】久保田 潤一郎
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医

杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。

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