かゆみを伴う乾燥肌の人が選ぶべきボディソープは?選択のポイント

肌が乾燥してくると、カサカサとした肌のカサつきだけではなく、かゆみや赤みを生じてしまうなんてことがありませんか。
これは、肌がちょっとした刺激にも反応してしまうデリケートな状態になっている証拠。そんな状態の時は、日々使うボディソープ選びにも気をつけておきたい所。

今回は、そんなかゆみを伴う乾燥肌の人に参考にしてほしい、乾燥肌になる原因、改善するためのボディソープ選びのポイントをご紹介します。
ぜひ、最後まで読んで、今後のボディケアの参考にしてみてくださいね。

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乾燥肌がかゆみを引き起こす理由は?

乾燥肌になると、なぜかゆみを生じてしまうのでしょうか。ここでは、肌の乾燥がかゆみを引き起こす仕組みについてご紹介します。

乾燥肌によりかゆみが生じる原因

まずは、かゆみを生じる原因について詳しく見ていきましょう。
角質には、外部の刺激などから皮膚を守ったり、肌の水分の蒸発を防ぐバリア機能があります。肌は「表皮」「真皮」、その深部にある「皮下組織」の三層に大別されますが、表皮の一番外側には部位によってはわずか約0.02mmの薄さしかない角質層があります。その角質層には、皮脂膜、角質細胞間脂質、NMF(天然保湿因子)という3つの保湿因子があり、この3つがバランスよい状態で整っていることでバリア機能が正常に働き、肌をうるおいのあるすこやかな状態に保つことができるようになります。
そのため、乾燥によって肌のバリア機能が低下すると、乾燥や外部からの刺激をやわらげる役割を果たせなくなり、肌がちょっとした刺激にも反応するようになって肌にかゆみを生じやすくなってしまうのです。

肌のバリア機能が低下する理由

この肌を保護するバリア機能の低下は、さまざまな要因によって引き起こされます。たとえば、乾燥した肌を何のケアをせずそのまま放置させてしまったり、体の洗いすぎにも要注意。

洗いすぎは、ボディタオルなどで肌に強い刺激を加えてしまっている状態なので、これもバリア機能を低下させる要因となります。
また、衣服の擦れや締め付けによる刺激にも留意する必要があります
実は日頃何気なく行っている習慣の中にも、バリア機能を低下させやすい行動がいろいろあるので、気をつけなければなりません。

かゆみに悩む乾燥肌の人が意識したいボディソープの選び方

肌が敏感になってかゆみを生じやすくなってしまった場合、気になるのが直接肌にふれるボディソープの使用。
ここでは、乾燥肌の時におすすめのボディソープの選び方についてご紹介します。

低刺激のボディソープ

乾燥肌になってしまった際は、これ以上悪化させないように乾燥の促進を防ぐようにすることが大切です。そのためも、ボディソープは低刺激性のものを選ぶと良いでしょう

乾燥肌は、肌のバリア機能が低下しているデリケートな状態です。強い刺激を与えてしまうのは、もちろんNG。無添加のものや弱酸性洗浄成分が含まれているものなど、できるだけ肌への負担が少ないボディソープを使うようにしましょう。
万が一、自分の肌に合わないということも考えられるので、自分の肌状態に使っても大丈夫かどうかを確認するためにも、まずは体の一部分を洗い、肌荒れしないか試してから使用すると良いでしょう。

泡立ちが良いボディソープ

肌に刺激をあまり与えないためには、洗い方にも注意をしなければいけません。
あまり肌をゴシゴシと洗いすぎると、強い刺激を与えてしまうだけではなく、必要な肌の油分まで奪い取ってしまうことになります。
うるおいをキープしたまま、しっかり汚れを落とすために大切なポイントは泡立ちです。泡が体を洗う際の刺激や摩擦を軽減してくれるため、泡が濃密であるほど、肌に負担をあまりかけずに洗うことができます。
乾燥肌が気になる時は、泡立ちの良いボディソープ、もしくは固形タイプのものをしっかり泡立てて使いましょう。
最近は泡が出てくるタイプのものもありますが、使いすぎると皮脂を奪いすぎてしまうので使用量には注意することがポイントです。

保湿成分が豊富に配合されている

乾燥肌のケアには保湿が大切。保湿成分がしっかり配合されているボディソープを選ぶのもおすすめです。

保湿成分は、肌の水分を補い、洗った後の乾燥の進行を妨げてくれるものです。代表的な保湿成分として挙げられるものは、スクワランやグリセリン、ヒト型セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなどです。

スクワラン:サメ肝油や植物油から作られるオイル成分で、人の肌にも存在する成分です。肌の保湿効果をはじめ、肌をやわらかい状態に保つエモリエント作用を備えています。

グリセリン:植物や海藻類、動物などに含まれているアルコールの一種で、人の体内でも中性脂肪として存在しています。高い保湿作用を持っているため、化粧品などに保湿成分として配合されていることも多い成分です。

セラミド:角質層にある角層細胞同士の間をつなぐ細胞間脂質のひとつで、水分の蒸発を防ぐ働きを持っています。
セラミドには、「天然セラミド」「植物性セラミド」「ヒト型セラミド」「合成類似セラミド」などいくつかの種類があり、中でもヒト型セラミドは人の肌に存在するセラミドと同じ構造を持つものです。そのため、肌との親和性が高く、角質層に浸透しやすいという特徴があります。

ヒアルロン酸:こちらも人体由来の成分で、皮膚や関節、骨、血管などさまざまな部位に存在し、すぐれた保湿力と弾力性を持っています。

コラーゲン:人体を構成する重要なたんぱく質の一種で、皮膚にハリや弾力を与える成分といわれているものです。

これらの成分が配合されたボディソープは、保湿力にも期待が持てる上、洗い上がりもしっとりとするので、肌の乾燥の加速を防ぐのに効果的でしょう。

乾燥肌によるかゆみがあるときに避けるべきボディソープは?

乾燥肌でかゆみを生じた時、避けた方がよいボディソープについてもご紹介しておきましょう。

肌への刺激になりやすい成分が入ったボディソープ

やはり、肌へ刺激を与えることがバリア機能のさらなる低下を引き起こしてしまうため、肌への刺激になりやすい成分が入ったボディソープの使用はできるだけ避けるようにした方が良いでしょう。
刺激物になるものとして挙げられるのは、たとえば、アルコール、香料、パラベン(防腐剤)などです。アルコールには脱水・脱脂効果が強いため、乾燥を進ませるリスクを伴います
また、香料やパラベンなどの添加物によっても刺激を感じる可能性があるので、使用前にはチェックして肌に合うかどうかを確認すると良いでしょう。

洗浄力が強いボディソープ

洗浄力が強いと肌のうるおいや必要な皮脂まで奪ってしまうため、それが肌への負担につながってしまいます。
特に、汚れを落とす洗浄剤などにも使われている合成界面活性剤が多く入ったボディソープは、洗浄力が強いため、肌に必要なうるおいまで奪ってしまいやすいので注意。バリア機能が低下し、肌状態が良くない時には使用を避けた方が良いでしょう。
合成界面活性剤ではなく、石けん系のボディソープなら肌にやさしいものが多いのでおすすめです。

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日々のこまめな保湿ケアをプラスして、乾燥によるかゆみを改善しましょう

肌が乾燥してかゆみを生じている時は、肌のうるおいを保つためのバリア機能が低下した状態のため、ボディソープを使用する際は、その種類や洗い方に気をつけなければいけません。ご紹介したアイテムの選び方を参考に、自分の肌に合うものを探してみてください。

また、乾燥肌の改善や予防には、保湿のためのこまめなスキンケアが重要です。
保湿がより期待できるクリームやボディケア製品を普段のスキンケアに取り入れて、ぜひ習慣化してみてください。

もしもそうしたケアでかゆみが改善されない場合は、乾燥以外の原因が潜んでいるかもしれません。早めに皮膚科に相談し、医師の処方に従うことをおすすめします。

【監修医師】久保田 潤一郎
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医

杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。

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