かゆみやカサカサした手触りなど、肌が乾燥するとストレスが増えますよね。
うるおいのある肌トラブルの少ない肌は、見た目が美しいだけでなくストレスに感じることが減るので毎日を過ごしやすくすることにも繋がります。
今回は、そんな美しく健康な肌を手に入れるために気をつけたいポイントをご紹介します。
肌が乾燥する原因や原因を知った上でできる解消法など、すぐに試せる情報もたくさんあります。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
肌が乾燥する原因
肌のカサつきや赤み、つっぱり感にお悩みの方は、肌の乾燥が原因かもしれません。
この章では、肌の仕組みや乾燥の原因についてお伝えします。
原因をしっかり知ることは、症状を早く改善するためには何を行うべきかを考えることに繋がります。
乾燥肌はさまざまな肌荒れのきっかけになることもあるため、早めの対処や予防が大切です。
基本的な肌の仕組みとは
肌は「表皮」「真皮」、その深部にある「皮下組織」の三層に大別されます。
乾燥していない通常の状態の肌は、肌のバリア機能がしっかりと機能しているため肌から水分が蒸散することを防いでくれます。
肌のバリア機能とは皮膚を保護する役割を持った機能のことで、皮膚表面の角質層に備わっています。
乾燥が進むとバリア機能が低下するため、十分に水分を保つことができなくなった肌は乾燥したり外的刺激に敏感になってしまいます。
角質層のバリア機能を高めるためには、細胞間脂質、天然保湿因子、皮脂の3つを大切にすることが重要です。
肌細胞の中でも、セラミドなどで構成される細胞間脂質、角層をうるおす働きのある天然保湿因子、皮脂膜を作り外的刺激から肌を守ってくれる皮脂、この3つの機能が低下すると、バリア機能が低い敏感で乾燥しがちな肌になってしまうため、注意が必要です。
乾燥は肌のバリア機能の低下が原因で起こる
肌表面のバリア機能が低下すると、皮膚の水分量を保ちにくくなります。
そのため、「乾燥しているかな?」と感じたら、まず第一に肌のバリア機能の低下を疑うと良いでしょう。
肌のバリア機能が低下する原因は、ターンオーバーの乱れや室内で暖房や冷房を使用することによる湿度の低下や空気の乾燥、季節の変わり目、紫外線によるダメージなどさまざま。
原因に合わせて対処法を考えると、症状の改善も早く、予防も行いやすくなるためおすすめです。
肌のバリア機能について、こちらの記事で詳しく解説を行っていますので、参考にしてみてくださいね。
肌の乾燥を促進させる主な原因
肌が乾燥する原因はさまざまあります。この章では、そんな乾燥肌の原因について詳しくお伝えします。
ポイントは、肌に必要なケアがしっかり行えているかどうかと、美しい肌をつくるために大切な毎日の生活をきちんと送れているかどうか。原因を正しく理解し、肌の悩みを解決しましょう。
誤ったスキンケアをしている
肌が乾燥する原因はさまざまありますが、意外と多いのが毎日のスキンケア方法が間違っていること。
きちんと保湿ができていない方はもちろん、せっかくスキンケアを行っていても使用している基礎化粧品が肌に合っていなかったり、洗顔や体を洗うときなどの入浴時に体を洗い過ぎていると、肌荒れを引き起こしてしまいます。
特に体を洗うときは汚れを落とそうとゴシゴシ体をこすってしまう方もいらっしゃいますが、肌を強くこすると必要な皮脂が流れ、角質の表面に細かい傷ができてざらつき、バリア機能を低下させる原因になるので注意が必要です。
顔や体を洗うときはよく泡立てた泡で包み込むように洗い、洗顔後や入浴後はなるべく早く保湿を行うことが乾燥対策の第一歩です。
紫外線を過剰に受けている
紫外線は肌を刺激し、ダメージを与えるだけでなく、肌から水分を奪う要因になるため注意が必要です。
窓ガラス越しでも太陽の光を浴びると紫外線の影響を受けてしまうため、外出時だけでなく室内にいる時も日焼け止めを塗り、紫外線対策を習慣づけると安心です。
生活習慣が乱れている
ターンオーバーの周期が乱れると肌の乾燥につながりやすいため、毎日の生活習慣を整えることも大切です。
肌のターンオーバーは、表皮で起きる細胞の生まれ変わりのこと。細胞を常に入れ替えることで肌のバリア機能を維持することができるため、うるおいのある肌をキープするためにはとても大切です。
睡眠不足や栄養不足は肌のターンオーバーの乱れに影響するため、毎日きちんと睡眠をとる、脂質や糖質に偏っていないバランスの良い食事を心がける、適度な運動を行うなどの生活面を整えることにも注意しましょう。
肌の乾燥を予防するスキンケア方法
毎日の肌のスキンケアも、ただ行えばいいというわけではありません。ここでは、スキンケア時に気をつけたいポイントについてご紹介します。
乾燥が進んだ肌は、ちょっとの刺激にもとても敏感な状態です。
乾燥が悪化すると湿疹が炎症を起こし、皮膚炎などの病気に繋がることもあるので、正しいスキンケア方法で乾燥予防につとめましょう。
肌を刺激しない
顔や体を洗う際は、ごしごしこすらず優しく行うことが大切です。
肌への刺激はなるべく抑えることを心がけ、洗顔料や石けんの泡はたっぷり立てるように意識しましょう。
保湿・乾燥予防する
自分の顔や体の肌の状態に合ったスキンケアを行うことが大切です。
化粧水で水分を補い、乳液やクリームなどの油分が入ったアイテムで水分の蒸発を防ぐことを基本とし、さらに潤いを与えたい箇所にはクリームやオイルを重ねましょう。
ニキビやシミなどの肌悩みが気になる部分には、悩みに特化した美容液を取り入れるなどすると効果を感じやすいですよ。
さらに乾燥を予防するには、長時間水分を与え続けられるような乾燥予防ケアを意識すると良いでしょう。美容成分やゲル状のテクスチャーなどにより、肌を乾かさず水分を保つ処方のものがおすすめです。
美容成分配合のメイクアイテムを使う
乾燥肌用の保湿成分が配合されたファンデーションなど、メイクをしながらスキンケアができる商品を取り入れることも乾燥予防に効果的です。
美容成分が豊富に含まれたメイクアイテムを使い乾燥を予防することで、お化粧をしているあいだも肌を乾燥から守ることができます。
乾燥肌用だけでなく、加齢によるシワやたるみといった年齢肌の悩みに対応したもの、敏感肌用の商品などもあるので、ご自身の肌悩みに合わせてメイクアイテムを選んでみると良いでしょう。
乾燥予防のポイントは、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。ぜひ目を通してみてくださいね。
乾燥予防で、肌荒れの原因をなくそう
乾燥予防には、スキンケアだけでなくクレンジングや毎日の生活習慣の気を配ることも大切です。
例えばクレンジングや洗顔料ですが、洗浄力が強いと、汚れと一緒に肌に必要なうるおいも洗い流している可能性があります。そのため、保湿成分が配合されている洗浄アイテムを選ぶと、乾燥肌の方も安心です。
毎日使うスキンケアアイテムは、ご自身が快適に使用できる香りやテクスチャーのものを使用するのがスキンケアを持続することができるのでおすすめです。
でも中には、さっぱりとした使用感がお好きでも、肌タイプ的には高保湿タイプの化粧品を使用した方があっているという場合もあるため、注意が必要です。
ベタつくのは気になるけど保湿はしっかり行いたいという方は、ゲルタイプのオールインワンアイテムを試してみてはいかがでしょうか。
化粧水、乳液、美容液の成分が1つにまとまっているため、ひと塗りで乾燥予防を完了できるほか、水分の保持率は高くても皮膜感は低いゲルタイプの商品は、さまざまな肌タイプの方に使いやすいアイテムです。もしスキンケアや生活習慣を見直しても症状が改善されないという場合は、皮膚科を受診して医師の判断をあおぎましょう。
【監修医師】
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医
杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。