顔の乾燥性皮膚炎の症状は?疑わしいときの対応策や予防方法

乾燥性皮膚炎とは、乾燥肌のひどい状態である乾皮症や皮脂欠乏性湿疹などを含む乾燥による皮膚炎のこと。肌に赤みがでたり、強いかゆみ、水ぶくれを伴う湿疹などが発生することが特徴です。
今回はそんな乾燥性皮膚炎について、予防法やなってしまったときの対処法についてお伝えします。
「乾燥性皮膚炎かな?」と思ったら、早め早めにケアや治療を行うことが、早い改善への近道です。自分の肌状態を正確に把握して、きちんとした対策を行いましょう。

乾燥性皮膚炎 顔

顔の乾燥性皮膚炎の症状

顔の乾燥性皮膚炎を疑う時にまず確かめたいのは、それがどういう症状で何に反応して発生しているのかということ。
ここでは乾燥性皮膚炎が起こる仕組みと、その症状や原因についてお話しします。

乾燥性皮膚炎とは

乾燥性皮膚炎症は、空気の乾燥が気になる秋や冬の時期に発症しやすい症状です。
乾燥によりカサカサしたり敏感になった肌が、衣類の摩擦や入浴時に体があたたまった時などの小さな刺激によってかゆみを感じたり、発疹が現れたりする場合もあります。かゆいからといって体を洗う際にタオルで強くこすったり、ひっかいたりしてしまうと症状が悪化するので注意が必要です。

皮膚の乾燥が進むと、皮脂膜が失われ、角質層の水分が不足することでひび割れなどの症状が起こるケースもあります。強いかゆみや赤み、水ぶくれなどの湿疹を併発している状態は、乾皮症や乾燥性皮膚炎になってしまっているサインなので注意が必要です。

乾皮性皮膚炎の症状

主な症状は、かゆみです。
乾燥性皮膚炎は肌の水分が不足して肌を保護する皮脂膜が減少し、バリア機能が低下している状態。わずかな刺激からもかゆみを感じてしまうほど、肌が敏感になっています。
敏感な肌は炎症を起こしやすく、さらに乾燥が進むと皮膚の表面に色むらができたり、赤みが目立つ場合もあります。
そのほか、皮膚が隆起して中に液体が溜まった状態や、ブツブツや水ぶくれなどの湿疹が見られることもあります。乾燥性湿疹が生じる原因は、繰り返し外部からの刺激を受けることにあります。そのため、外部刺激に負けない、しっかり乾燥予防が行われた肌状態を作ることが、改善への近道です。

顔の乾燥性皮膚炎が疑われるときに取りたい行動

顔にかさつきやかゆみを感じると、つい手で触ったり、かいてしまったりしますよね。
かゆみに任せてかいてしまうと肌が傷つく上に、かくことで更にバリア機能を低下させてしまったりと乾燥性皮膚炎の方にとって悪循環。
ここでは顔に症状があらわれた時の適切な対処法をご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

皮膚科に行く

まずはスキンケアによる乾燥予防が大切ですが、自己流のケアで改善が見られない場合は皮膚科を受診することがおすすめです。医師の診断により、適切な治療を受けることで早い改善が期待できます。
皮膚科に行った場合は、一般的に保湿剤や炎症を抑える塗り薬などが処方されることが多く見られます。治療薬にはステロイドが配合されている外用薬が用いられる場合もありますが、ステロイドも正しく使用すれば怖い薬ではありません。
発疹があらわれている患部に何日くらい続けて使用するのかなど、皮膚科医のアドバイスをきちんと守って使うことを心がけてください。

スキンケア用品を見直す

顔の乾燥は、使っている化粧水や乳液などのスキンケア用品の保湿力が低いために乾燥している場合が多くあります。
乾燥肌の方は、できるだけ保湿成分が高いスキンケア用品を使用すると、角層までしっかりとうるおい成分を届けることができるため乾燥の症状も改善しやすくなります。
また、化粧品を選ぶときに、自分の肌に必要な成分や栄養素をきちんと知った上でスキンケアを行うことも重要なポイント。やみくもに化粧品を試すのではなく有効成分をきちんと調べる、スキンケアだけで症状が落ち着かない場合は軟膏やクリームを基材とした治療薬を使用することも検討するなど、肌状態をしっかりと見極めてケアを行いましょう。

顔の乾燥予防に役立つ保湿ケアアイテムについてまとめた記事もご用意したので、ぜひ参考にしてみてください。

乾燥性皮膚炎を避けるために顔の乾燥を予防する方法

乾燥性皮膚炎の主な原因は、名前からも分かる通り乾燥によるものです。
ここでは、顔の乾燥を予防するためにはどうしたら良いか、具体的な解決策を2つお伝えします。
乾燥は皮膚炎だけでなく、ニキビや敏感肌の原因にもなります。乾燥予防をしっかりと行い、健やかな肌を手に入れましょう。

優しく洗顔を行う

過度な洗顔は、顔の皮脂を余分に奪い乾燥を促進させてしまいます。強い洗浄成分が入った洗顔料や、強い摩擦をできるだけ避けましょう。
顔を洗うときは、よく泡立てた弾力のある泡で、顔全体を包むように優しく洗いましょう。ゴシゴシこすらず、泡を潰さないようにふんわりとしたタッチを心がけると、肌への摩擦も少なくなり、乾燥が進むことも避けることができますよ。
また、乾燥予防には、自分の肌質に合ったアイテム選びを行うことも効果的。洗い上がりがしっとりするタイプの洗顔料やクリームタイプのクレンジングなど、肌の乾燥を防いでくれるものを使用すると安心です。

スキンケアを徹底する

顔の保湿を十分に行うことでも、肌の乾燥を妨ぐことができます。
乾燥肌は、肌の水分量と油分量のバランスが崩れて、バリア機能が低下している状態です。
バリア機能が低下すると外部刺激に弱い肌になってしまうので注意が必要。保湿をすることにより、低下したバリア機能を正常に導き、うるおいのある肌を作るサポートができるため、顔の乾燥を防ぐ上で保湿は欠かせません。

スキンケアを正しく行うためには、化粧品選びも大切なポイントです。
乾燥肌の方におすすめなのは、高保湿なアイテムや、クリームやオイルといった肌から水分が蒸発することを防いでくれる商品です。こってりとした使用感が苦手という方は、比較的さっぱりとした使い心地で保湿力の高いゲルタイプのアイテムを選択すると良いでしょう。

スキンケアは水分を与えるだけでなく、与えた水分が蒸発しないように油分で膜をつくることも重要です。
化粧品を塗り重ねることが面倒という方は、ひと塗りで化粧水・乳液・美容液・クリームの効果を期待できるオールインワンアイテムがおすすめです。

顔の乾燥対策についての詳細はこちらの記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

乾燥性皮膚炎 顔

乾燥予防で症状を改善

乾燥性皮膚炎は、空気の乾燥が気になる秋や冬の時期に発症しやすい症状。わずかな刺激からもかゆみを感じてしまうほど肌が敏感になっているため、スキンケアなどで肌を保湿してバリア機能をたかめることが大切です。
症状が進むと肌が赤みを帯びて赤ら顔がきになったり、湿疹や水ぶくれが生じたりとかゆみはもちろん、美容的な観点からも気になる部分が増えてしまいます。目に見える変化はストレスの原因にもなり、より症状が悪化してしまう恐れもあるため、早い段階で適切な処置を行いましょう。

保湿を行う際は、清潔な肌にローションやクリームなどで水分と油分をしっかりと与えることだけでなく、日中も紫外線やエアコンなどの乾燥に気をつけて、こまめな日焼け止めの塗り直し等を行うことも大切です。
また、乾燥予防には生活習慣の見直しも効果的。食事の栄養素の偏りや十分な水分補給、寝不足などに気をつけるほか、乾燥肌の方は顔だけでなく全身を洗うときに使用する石けんも保湿力が高いものにすることもポイント。
日常的に乾燥予防を意識した生活を送ることが、肌トラブルの減少につながります。乾燥予防をしっかりと行い、うるおいのある美肌を目指しましょう。

【監修医師】久保田 潤一郎
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医

杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。

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