顔の乾燥を防ぐ保湿の方法は?潤い不足が招く肌トラブルに注意しよう

メイクのりや仕上がりにも影響しがちな顔の乾燥。季節による乾燥だけでなく、昨今続くマスク生活で、さらに気になっているという方も多いのではないでしょうか。
顔の皮膚が乾燥すると、カサつきや皮むけ、粉吹き、赤みやかゆみを生じるなどの肌荒れ、さらにはシワやシミなどの肌トラブルにつながってしまう可能性があります。
そうならないためにも、普段のスキンケアを通して肌のうるおいを保ち、乾燥対策をしていくことが大切です

特に、女性よりも皮脂分泌が多く、肌が乾燥しにくいと思っている男性は要注意です。日々の生活習慣やケア不足で知らないうちに、男性の肌も乾燥を招いてしまっていることがあります。
乾燥の原因からおすすめの予防対策までをご紹介していくので、顔の乾燥が気になっている方、スキンケアの方法が知りたい方はぜひ参考にしてみてくださいね。

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顔の乾燥が原因で起こりうる肌トラブル

まずは、顔が乾燥すると、実際どんな肌トラブルがひき起こされる可能性があるのでしょうか。よくある肌トラブルをいくつかご紹介します。

顔の乾燥でよく起こるトラブル

顔の乾燥でよく起きがちなトラブルとしては、以下のようなものがあります。

かゆみが出る

肌が乾燥すると、肌のバリア機能が弱まり、外的刺激の影響を受けやすくなってしまいます。すると肌は少しの刺激にも反応し、これがかゆみを起こす原因となってしまうといわれています。

粉が吹く

肌の表面が乾燥してカサカサになり、白っぽい粉を吹いてしまうことがあります。
これは、水分が不足している肌状態で、皮膚の角層細胞がはがれやすい状態になっています。肌をひっかく、衣類と擦れ合うなどの外部からの刺激を受けると、角質層表面の角層細胞がめくれ上がり、粉を吹いたように見えてしまうのです。

赤みが出る

乾燥してバリア機能が低下して刺激に敏感になった肌は、赤みも出やすくなります。
これは、刺激に対する肌の免疫反応によって炎症が起こってしまうことが原因とされています。

顔の乾燥でよく起こるトラブル

乾燥が原因で起こりうる体質の変化

乾燥は体質の変化にも影響を与えることがあります。
たとえば、アトピー性皮膚炎や乾燥肌。アトピー性皮膚炎は、肌のバリア機能が低下し、外部刺激を受けやすい状態になった肌に刺激物質やアレルゲンが入り込み、炎症を起こしてしまう疾患です。
発症すると、かゆみや湿疹をなどの症状を繰り返し、慢性化してしまうことが特徴としてあげられます。発症にはストレスやアレルギーを起こしやすい体質など、いくつかの要因があるといわれていますが、乾燥肌がベースとなっている疾患といえます。

また、乾燥によって水分が不足してうるおいが失われた肌は、カサカサとした乾燥肌の状態になります。

このように、肌の乾燥においては、乾燥が原因で起こりうる体質変化にも注意しておかなければいけません。

アトピー性皮膚炎と乾燥肌の違いについては、こちらを参考にしてください。

肌を乾燥させる落とし穴

肌の乾燥を防ぐためには、空気の乾燥や紫外線などの外部刺激に気を配るだけでは不十分です。
日々気づかずにしてしまっている、肌を自ら乾燥させてしまう習慣やお手入れ、自身のもともとの肌質にも気をつける必要があります。

睡眠時間が十分ではない

肌の細胞が一定のサイクルで生まれ変わるターンオーバーが正常に働くことで、肌ダメージを修復し、すこやかな肌状態をキープすることができます。逆にターンオーバーが乱れてしまうと、肌の水分の蒸発を防ぐバリア機能が低下し、さまざまな肌トラブルを引き起こしてしまいます

ターンオーバーに影響を与えるものとしては、乾燥や紫外線などの外部刺激もありますが、睡眠といった生活習慣もその一つ。
ターンオーバーは睡眠中に活発化するといわれており、十分な睡眠時間がとれていないとターンオーバーの促進に必要な成長ホルモンの分泌が不足し、ターンオーバーの乱れを引き起こしてしまうのです。

マスクの使用

コロナ禍ですっかり習慣となったマスクの着用。これも乾燥につながりやすい習慣です。
マスクの着脱、マスクや口を動かすことで生じる摩擦は、肌に刺激を与えてしまいます。この外部刺激によって、皮膚のバリア機能が低下し、肌の水分が不足して乾燥を引き起こし、肌荒れへとつながってしまうのです。

男性と女性の肌質の違い

肌質も肌の乾燥を左右する要因であることを知っておくことも大切です。
男性の肌は女性の肌と比べて皮脂腺の分泌能力が高いため、キメが粗い傾向があります。また、皮脂分泌が多いためにごわつきが感じられることも。

逆に、女性の肌は男性よりも皮脂が少ないために乾燥しやすいのが特徴です。皮脂は皮脂膜の元となり、水分の蒸散を防ぐのに役立つもの。これが少ないと蒸発によって水分が不足し、肌の乾燥が生じやすくなってしまいます。

顔の乾燥を防ぐ保湿の方法

さまざまな要因で引き起こされる肌の乾燥。では、顔の乾燥を防ぐ保湿ケアとしてどんなことを行っていけばよいのでしょうか。
まず、乾燥予防のスキンケアについて注意しておきたいのが、ケアアイテムの選び方です。使用するアイテムを選ぶ際は、下記のポイントを重視して選んでみるとよいでしょう。

スキンケアには保湿成分が配合されたアイテムを使う

今日、化粧水や乳液、美容液、フェイスクリームなども、保湿対策向けのさまざまなスキンケアアイテムが市販されていますが、購入の際は保湿に効果のある保湿成分がしっかり入ったアイテムを選ぶようにしましょう。

配合が望ましい保湿成分としては、ヒアルロン酸、セラミド、コラーゲン、プロテオグリカンなどがあります。
ヒアルロン酸は、人の体内にもともと存在し、すぐれた保水力を持つ成分。
そしてセラミドは、肌を外部刺激から守るバリア機能の働きを促進するために必要な細胞間脂質です。
それから言わずと知れたコラーゲンは、タンパク質の一種で真皮に存在し、肌のハリや水分を保持するために必要な成分とされています。
プロテオグリカンは軟骨や皮膚に存在する成分で、保湿性にすぐれ、整肌作用があるといわれています。
アイテム選びに迷った時は、このような成分が配合された高保湿タイプを選ぶことをおすすめします。

また、逆に避けた方がよいのが、肌に刺激を与えてしまう恐れがある成分。
例えば、パラベン、アルコール、香料、着色料、鉱物油、シリコンなどが配合されていると、人によっては肌あれが起きてしまう可能性があります。皮膚のバリア機能が低下して敏感になった肌に、刺激性の強い成分は厳禁。できるだけ避け、敏感肌向けのアイテムを選びましょう。

肌にやさしいスキンケア商品を使う

クレンジング剤や洗顔料などについても、乾燥を予防するためには肌にやさしいタイプを使用するのがおすすめです。
うるおいのあるすこやかな肌を保つためには、水分と油分のバランスが整っていることが大切。洗顔により皮脂を取り過ぎてしまうと皮膚のバリア機能を低下させてしまいかねません。
低刺激性や敏感肌用とされている肌にやさしいアイテムを選ぶようにしましょう。
また、自分の肌に合うかどうかを知るためにも、使用前にパッチテストを行って成分や使用感をチェックすると良いでしょう。

配合成分の違いの他に、ジェルやクリームなどのテクスチャー、香り、肌悩み別など、アイテムにはさまざまなタイプのものがあります。また、化粧品としてではなく医薬部外品扱いのものも販売されています。
使い心地や浸透度、価格なども考慮した上、自分の肌質や好みに合ったものを探してみましょう。さらに、スキンケアを効率よく行いたいのであれば、オールインワンタイプのアイテムもおすすめ。化粧水、美容液、乳液などの機能をあわせ持つオールインワンなら、洗顔後、ワンステップでスキンケアを行うことができますよ。

皮膚のバリア機能の詳細については、こちらをご確認ください。

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日々の保湿ケアで、乾燥から肌を守りましょう

乾燥が引き起こす肌トラブルはさまざま。
季節の気候や冷暖房、マスクの着用など、肌に刺激を受けやすい状況にある今、日々の保湿ケアは欠かせません。
今回ご紹介した内容をぜひ参考にして、毎日の保湿ケアを習慣づけてはいかがでしょうか。

【監修医師】久保田 潤一郎
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医

杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。

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