かゆみを抑える方法|部位別対処法を押さえて、むずむずを解消しよう

肌がかゆくてつい引っ掻いてしまうこと、ありますよね。掻くと一時的にはおさまりますが、原因を探って根本から治さない限り、かゆみは落ち着いてくれません。
また、かゆみだけでなく皮膚表面がカサカサしたりブツブツしたりという目に見える肌荒れや皮膚トラブルがある場合は、「少しかゆいだけだから」と放置していたりするとどんどん症状が悪化してしまうことも。
つい油断してしまいがちなかゆみですが、治るのが遅かったり、症状が長引いてしまったりとやっかいな一面もあるのです。実はかゆみの要因が病気だったという可能性もあるので、放置せずにしっかり原因を明らかにした上で正しい対処を行うことが大切です。

今回はそんなかゆみについて、かゆくなる原因やかゆみが起きやすい部位など、詳しく掘り下げて解説していきます。

かゆみ 抑える方法

かゆみの原因と注意したい体の部位

肌のかゆみはなぜ生じるのか。原因が分かると、それに合わせた対処の仕方が見つかりますよね。
ここではかゆみの原因、かゆみを感じやすい部位についてお伝えします。

かゆみの原因

かゆみは、肌に異常が生じたことを知らせる防御反応の一つと考えられています。この反応が特に起きやすいのが「乾燥したとき」。
加齢や生活習慣によってバリア機能が低下すると、角質層の水分量も減少。肌がうるおいを保てず乾燥することで、肌はどんどん外的刺激を受けやすくなります。
するとちょっとした刺激でも、刺激を感じる神経が過敏に反応して肌の表面まで伸びてくるため、外部からの刺激に敏感になるといわれています。

外的刺激

肌は外側から、表皮、真皮、皮下組織の3層で構成されていて、真皮の細胞が刺激されると、かゆみ物質が分泌される原因になります。

代表的なかゆみ物質はヒスタミンというもので、このかゆみ物質が知覚神経に働きかけるとかゆみが起こり、血管に働きかけると赤みが生じます。
かゆみを伝える神経の末端は肌の表皮と真皮の間に位置しているため、肌が乾燥しバリア機能が低下することで外的刺激を受けやすくなった結果、かゆみが生じやすくなるケースも。逆に言えば、乾燥を予防することによって肌のバリア機能を高めることが、かゆみの原因から肌を守ることにつながります。

外的刺激とは、肌に直接触れたり影響を及ぼして刺激になるものを指します。摩擦や花粉、ウイルス、ハウスダスト、金属、繊維など、さまざまあります。
刺激物によってはアレルゲンとなり、湿疹や皮膚炎の発症につながるおそれがあるため、気になる方はアレルギー検査を行い、かゆみの原因を探ると良いでしょう。
また、エアコンもカビやダニなども刺激物の温床となりやすいので、こまめに清掃を行うようにしましょう。

乾燥肌にかゆみが起きる仕組み

体内のアレルギー反応

外的刺激の他にも、摂取した食べ物が体に合わない、猫や犬アレルギー、花粉症などの場合、かゆみが起こることがあります。

これはペットの毛やフケ、食べ物、花粉に含まれるアレルゲンなどの原因物質に対して免疫反応が起こり、体にさまざまな異変が現れるためで、症状はかゆみ、赤み、じんましん、むくみなど様々。
皮膚症状以外にも、呼吸器症状や、消化器症状などが現れるケースもあるので注意が必要です。

肌から分泌された汗が体に残ると、それが刺激となりかゆみが生じる場合があります。
汗には水分のほか、塩分や微量の老廃物なども含んでいるため、肌に残ると刺激になり、あせもなど皮膚トラブルの原因になります。
汗をかいた際はこまめに拭き取り、肌を清潔に保ちましょう。

ホルモンバランスの乱れ

生活習慣の乱れや疲労、ストレス、生理などの影響によりホルモンバランスが変化すると、肌の状態に影響することがあります。
ホルモンバランスが崩れることでターンオーバーの周期が乱れ、バリア機能が低下し、外的刺激を受けやすい状態になるためです。
そのため、肌ケアは外側だけでなく内側のケアにも気を使うことが大切です。

十分な睡眠時間の摂取や栄養バランスのとれた食生活を送る、内臓疾患などの病気がある場合はきちんと治療を行うなど、健康面にも気を配りましょう。

かゆみが生じやすい部位

かゆみは外的刺激が一番の原因です。
そのため、かゆみが生じやすい部位は、汗をかきやすい部位や乾燥しやすい部位が上げられます。
頭皮、顔、首、腕、ひじ、胸、背中、デリケートゾーン、手、脛(すね)、ひざなど、日常的にスキンケアを行う部位なので、乾燥予防につとめ、肌のバリア機能を高めることで、かゆみに強い肌を目指しましょう。

かゆみを抑える方法【基本編】

かゆみを感じても、患部を引っ掻いたりこすったりしてしまうと、その刺激がさらに強いかゆみをひきおこしてしまう場合もあります。
傷になり、そこから菌が入ることで新しい肌トラブルを招く恐れもあります。

症状を悪化させないためにも、まずはかゆみを抑えることが大切です。
ここではかゆみを抑えるのに役立つ方法をいくつかご紹介します。かゆみを感じた際に、ぜひ試してみてくださいね。

拭う、冷たいシャワーで流す

かゆい部位が熱っぽく感じる場合、冷やす方もいるのではないでしょうか。
炎症を起こしてかゆみを感じる部分には血液が集まっており、かゆみを引き起こす神経伝達物質も集中している状態です。冷やした布を当てたり、布でくるんだ保冷材を当てると、一時的に患部の血液のめぐりが鈍くなって、かゆみ神経が鎮まったように感じられることがあります。
しかしこれはあくまで一時的に治まっているだけなので、後からかゆみがぶり返してしまうこともあります
酷いかゆみを感じる場合には、皮膚科の受診や処方薬の使用も検討しましょう。
かゆみが出る前に、あらかじめかゆみが起きないように乾燥予防ケアをしておくことが重要です。

乾燥を予防する

肌が乾燥すると、外的刺激を受けやすくなるため、かゆみを感じやすくなります。
長時間肌にうるおいを保ち、乾く隙を与えずに肌のバリア機能を高めておくことが大切です。

保湿ケアを行う際は、化粧水のみのケアは水分が蒸発しやすく、肌が乾燥してしまうため避けること。
必ず乳液やクリームを併用して肌表面に膜を作りましょう。
オイルやワセリンの他、ひとぬりで肌に必要な水分と油分を与えることができるオールインワンアイテムを使うこともおすすめです。

朝晩の乾燥予防を意識したスキンケアはもちろん、日中も肌のうるおいを保つためにこまめにミストを使用したり、喉が渇く前に水分を補給したりすることも乾燥予防する上で意識すると良いでしょう。

外用薬を塗る

かゆみだけでなく、湿疹・皮膚炎などが発症している場合は薬で対処する方法も検討すると良いでしょう。
ドラックストアなどでもかゆみの鎮静が期待できる外用薬が販売されているので、手軽に手に入れることができます。

「かゆいな」と感じたら、我慢したり引っ掻いて症状が悪化する前に、市販の外用薬を使用してみると良いでしょう。
湿疹やかぶれなどの症状に使用される薬としては、抗炎症作用のあるステロイド外用薬などがあります。
外用薬を塗るタイミングは、入浴後の肌が清潔な時がおすすめです。

そうした外用薬を使っても症状が緩和されない、回復しない場合は、皮膚科の受診も検討してください。
単なる乾燥肌ではなく、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、老人性乾皮症、皮膚掻痒症などと呼ばれるような病気の可能性もあるので、早めに原因を明らかにして正しい治療法を行うようにしましょう。

かゆみを抑える方法【部位別】

かゆみを感じる場所によっても、対処法は異なります。
頭皮や顔、手など、部位が違うと使える薬や改善方法がそれぞれ違うためです。

ここでは部位ごとに効果的なかゆみの対処法をご紹介します。

頭皮

頭皮は乾燥や皮脂、汗などを原因に、かゆみが発生しやすい場所です。
乾燥している場合は、シャンプーの使い過ぎに注意し、保湿成分配合のシャンプーを使用したり、洗髪後の頭皮にオイルをつけたりして、うるおいを保ちましょう。

皮脂、汗などで頭皮がべたつきがちな場合にかゆみが発生している場合は、脂漏性皮膚炎を引き起こしている可能性もあります。
また、殺菌成分配合の外用薬なども市販されていますが、かぶれが起きる可能性がありますので、皮膚科医の判断をあおぎましょう。

顔、デコルテ

顔のかゆみには、基礎化粧品で基本の乾燥予防ケアを徹底することがベスト。

目元は皮膚が薄く、特に刺激を感じやすい部位のため、アイクリームやジェルなどの選択肢もあります。
乾燥予防できるケアアイテムで集中的に保湿すると良いでしょう。

首筋から肩まわりにかけてのデコルテは保湿ジェル、クリームなどで肌をうるおすほか、顔と同じようにスキンケアを行うことで乾燥予防を行うことができます。

いくつものアイテムを重ねていくことが面倒な場合は、ひとぬりで肌に適量の水分と油分を届けることのできるオールインワンアイテムを使用すると手軽に保湿ケアができるのでおすすめですよ。

手、ひじ

水仕事や、外出から帰ってきたときの手洗い、外出先でのアルコール消毒など、乾燥する場面が多い「手指」。ケアをしっかりしないと、ひび割れ、手湿疹などの症状が発生してしまうこともあります。
そうならないようにするためにも、ハンドクリーム、軟膏などでこまめに乾燥を予防し、肌のバリア機能を高めると安心です。
しもやけでかゆみが起きることもありますが、この場合は血行障害などが原因となりますので、別途適した治療を行いましょう。

特に手仕事が多い場合は、手袋などを装着し、できるだけ外的刺激から肌を守ると◎。
就寝時に手にはめてハンドケアができる手袋も販売されているので、試してみるのも良いでしょう。
爪まで保護されるので、眠っているあいだに手にうるおいを届けられるだけでなく、無意識のうちにかゆい部分をかいてしまうことも防げます。

また、皮脂腺の少ないひじも乾燥しやすいパーツの一つ。
ひじは、乾燥だけではなく、ひじをついたときの圧迫や衣服を着用した際の摩擦などにより、皮膚の角質が厚くなり、色素沈着を起こしやすい部位。衣服に隠れて見えにくいからといって、ケアを怠るのはNGです。
他のパーツ同様にこまめな保湿ケアが必要です。

デリケートゾーン

下着の締め付けや、生理中のナプキンの擦れ、かぶれ、雑菌(細菌や真菌)の繁殖などでかゆみが生じている可能性があるため、注意が必要です。
濡れたタオルで拭いたり、低刺激の洗浄アイテムを使用したりして、デリケートゾーンを清潔に保つことを心がけましょう。
デリケートゾーン専用の洗浄アイテムも販売されているので、使用してみるのもおすすめです。

それでもかゆみが収まらない場合は、下着のサイズや素材などを見直し、肌への負担を抑えることを意識してみてください。
長期間に渡ってかゆみがおさまらない場合は感染症の可能性があるため、専門医(皮膚科・婦人科・レディースクリニック等)を受診し、原因を確認することも大切です。

太もも、脛(すね)

広範囲に渡る部位なので、ボディローション、ミルク、ジェル、クリームなどのボディ用保湿ケアアイテムでバリア機能を高めることがおすすめです。

肌が弱い方やアトピー性皮膚炎をお持ちの方は、衣類などの繊維が刺激になっていないかどうかも注意すると良いでしょう。
化学繊維、天然素材に関わらず、肌にやさしく刺激の少ない衣類を選ぶと安心ですよ。

皮脂腺や汗腺が少ないひざなどを含む、足も乾燥や汗などが刺激となり、かゆみが起こることが多くあります。
抗ヒスタミン剤などのかゆみ止め成分が配合された塗り薬を塗布することでかゆみを抑えられるので、乾燥予防などで効果がみられなかった際はこれらの成分が配合されている市販薬を使用することも検討してください。

皮膚の表面にぶつぶつができている場合は、湿疹になっている可能性があります。
かゆみを感じる場所をかかずに、抗炎症薬を使用すると良いでしょう。ステロイド外用薬などを塗布することでかゆみを軽減したり、緩和できる場合もあるため、皮膚科医に相談をしてみてください。

指の間が湿り、ジュクジュクしていたり、化膿していたら水虫になっている可能性があります。
症状によっては皮膚科の受診がすすめられるため、恥ずかしがらずに医師の判断を仰ぎ、正しい処方を受けるようにしましょう。

乾燥による肌のかゆみに関するQ&A

以上、乾燥による肌のかゆみについて基本的な情報を見てきましたが、ここではさらに気になる疑問についてお答えしていきます。

Q. 乾燥による肌のかゆみを放っておくとどうなるの?

A. 乾燥性皮膚炎をはじめとする病気や皮膚疾患になる可能性があります。
乾燥性皮膚炎は、肌の乾燥が進むことで発症するもので、患部に赤みやかゆみ、湿疹などの炎症を生じる疾患です。
毎日のセルフケアでできるだけ全身をしっかり保湿し、乾燥予防することが大切です。

Q. 乾燥によりかゆみを感じる場合の保湿剤の塗り方は?

A. 乾燥したところを中心に薄くの伸ばすように塗るようにしましょう。
塗り方のポイントは、無理に刷り込まないようにすること。刷り込んだ際の刺激でかゆみが増してしまうことがあるので注意しましょう。

かゆい肌の悩みは乾燥予防でシャットアウト

かゆみの原因は、皮膚の刺激を感じる神経が外部刺激に反応したり、アレルギーなどに反応すること。
乾燥している肌はバリア機能が低下して刺激を受けやすいため、肌を乾かさない乾燥予防ケアを徹底することで、かゆみの原因から肌を守ることができます。

一口にかゆみといっても、乾燥肌など自分の肌タイプによるもの、季節やホルモンバランスの乱れによる一時的なものもあれば長期に渡って慢性的に症状が続くもの、目に見えて皮膚の変化があるものなど、さまざまあります。
セルフケアをしっかりと行って乾燥予防につとめ、市販薬を使用してみても症状が落ち着かない場合は、病気や皮膚疾患が隠れている場合もあるため皮膚科医の判断を仰ぎ、適切な治療を行うことも大切です。

適切な対処方法を知り、乾燥によるかゆみに悩まされない、すこやかな肌を目指していきたいですね。

【監修医師】久保田 潤一郎
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医

杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。

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