毛穴のたるみの原因は?改善・予防に取り入れたいケアと生活習慣【Q&A付き】

黒ずみや開きなど、毛穴にまつわる悩みはさまざまありますが、歳を重ねれば重ねるほど、気になってくるのが毛穴のたるみではないでしょうか。
頬にできる涙型のたるみ毛穴は、ファンデーションの毛穴落ちや顔全体の老け印象にもつながり悩ましいもの。
できてしまったたるみ毛穴は、そのまま放置してしまうと改善するのにも時間がかかるため、見つけたらできるだけ早めのケアをしてあげることが大切です。

今回は、たるみ毛穴の改善・予防対策としておすすめの毛穴ケア方法をご紹介します。
自分で行える範囲で、毎日のスキンケアに簡単に取り入れられる方法ばかりなので、ぜひチェックしてみいてくださいね。

たるみ 毛穴

たるみ毛穴はどのような状態?

そもそも、たるみ毛穴というのは肌・毛穴がどのような状態になることをいうのでしょうか。

たるんだ毛穴の特徴

まずは、たるみ毛穴がどういうものかを知るために、たるみ毛穴の特徴と引き起こされてしまう原因について見ていきましょう。

たるみ毛穴は、皮膚の重みに毛穴が引っ張られて、毛穴がしずく型のように縦長に広がっている状態のこと。
肌のたるみが原因なので、頬をやさしく持ち上げると毛穴が目立たなくなるという特徴があります。
そのままの状態にしておくと毛穴同士がつながって帯状の溝になり、さらに線状のしわになってしまうなどのトラブルが引き起こされる可能性もあるので注意が必要です。

毛穴がたるむ原因は肌のハリ不足

毛穴のたるみを引き起こすものとしては、いくつかの原因があります。主に美容や健康維持に必要な成分の減少で肌のハリや弾力が失われることによって引き起こされます

皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層に大別されており、なかでも真皮にはコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの肌にうるおいと弾力を与える成分が存在しています。
この真皮にあるコラーゲンやエラスチンなどの成分が減少すると、肌のハリが保ちづらくなり、重力によって肌表面がたるむとともに毛穴も下に引っ張られてしまうのです。成分が減少する要因としては、加齢や乾燥による肌のバリア機能の低下、紫外線のダメージなどの影響などが挙げられます。

ほかにも、たるみは加齢による顔の筋肉の衰えも関係しているとされています。
顔の筋肉が衰えると脂肪を支える力が弱くなってしまうからです。表情筋を鍛えることで肌を深部から引き上げると良いでしょう。

また、皮脂分泌が過剰になることも、毛穴がたるむ原因のひとつ。皮脂腺から分泌された皮脂と古い角質が混ざりあってできる角栓により毛穴が押し広げられてしまう可能性があるためです。
しっかりと落とすケアを行い、汚れをオフしたあとは角質層までうるおいが届くよう乾燥予防を行いましょう。

若々しい肌と年を重ねた肌の比較

たるみ毛穴の改善・予防に取り入れたいケア

もしもたるみ毛穴になってしまった時は、どんなケアが効果的なのでしょうか。
ここでは、たるみ毛穴の改善・予防におすすめのケア方法をご紹介します。

過度な洗顔は避ける

たるみ毛穴ができてしまった肌は、うるおいやハリが失われている状態です。さらなる肌ダメージになるようなことは避けるようにしましょう。
たとえば、気をつけたいのは毎日の洗顔。過度なゴシゴシ洗顔は、肌へのダメージにつながる恐れがあります。

メイクを落とす時は、洗浄力が強いクレンジングアイテムの使用を避けると良いでしょう。
メイクなどの汚れを落とすために配合されている界面活性剤は、種類や量によっては肌を守る保護膜である皮脂膜を洗い流してしまい、肌のバリア機能を低下させてしまいます。

洗顔を行う時は、やさしく洗い、肌のうるおいを保つために必要な皮脂を残すように心掛けることが大切です。
洗顔料や石けんを使う場合は、よく泡立てて使用することで、摩擦による肌へのダメージを減らすようにしましょう。
そして、肌へのやさしさを考慮したアイテムを使用し、ぬるま湯で手早く洗うようにしましょう。高温のお湯は必要な皮脂を洗い流しやすいので、ぬるま湯を使用することをおすすめします。

洗顔後のケアにもご注意を。洗顔後の素肌がつっぱると感じる時は、自分の肌質と比べて洗浄力が強いアイテムを使用している可能性があります。
毛穴対策として、過剰なピーリングや角質ケア、小鼻に貼り付けて角栓を吸着させるシートのような毛穴詰まり用のアイテムなどを使いすぎると、油分をとり過ぎたり、肌への刺激になってしまいます。
そのような方は薬用のものや敏感肌用のアイテムに切り替えてみるのも良いかもしれません。

保湿・乾燥予防を行う

たるみ毛穴の対策として、肌の保湿を行うことも大切です。
うるおいに満ちた肌は、毛穴を目立ちにくくしてくれます。お手入れをする際には、年齢や肌質に合わせて適したスキンケアアイテムを選びましょう。

乾燥肌、敏感肌向けの低刺激タイプのものや、美白・ニキビへの効果が期待できる美容成分が入った化粧水や美容液、乳液などさまざまなケアアイテムがあります。
おすすめアイテムとしては、ヒアルロン酸やセラミド、コラーゲンなど、肌の水分の蒸発を防いだり、肌にハリを与えたりしてくれる保湿成分が配合されたローションやクリーム

さらに一時的な保湿ではなく、長時間うるおいを与え続けてくれるオールインワンアイテムなど、乾燥予防処方のアイテムも良いでしょう。
肌を乾かさず、保湿力がしっかりあるアイテムでケアをすることで、毛穴のたるみだけではなく、乾燥による肌のバリア機能低下にも効果が期待できますよ。

たるみ毛穴の改善・予防に取り入れたい生活習慣

たるみ毛穴をはじめ、肌のトラブルを改善・予防するためには、保湿などの外からのケアだけではなく、体内からのケアも重要です。
今日からでも試してもらいたい、すこやかな肌状態を保つための生活習慣についてご紹介します。

しっかり睡眠を取る

人が活動をする上で大事な睡眠は、肌状態にも影響を与えます。
肌のターンオーバー(新陳代謝)に影響を与える睡眠不足は、美肌の大敵です。新しい肌細胞を作り、古い肌細胞を排出する肌のターンオーバーは、睡眠中に活性化するものといわれています。
睡眠が不足するとそのサイクルが乱れ、肌荒れなどのさまざまな肌トラブルにつながりやすく、健康的な肌を保ちにくい状態になってしまいます。
毛穴が目立ちにくい美肌作りのためには、しっかり睡眠を取ることが必要です。

睡眠中は汗をかくほか、室内の空気の乾燥などの影響により乾燥が進む恐れがあります。
寝る前のスキンケアではたっぷりとローションや化粧水で水分を与えることはもちろん、乾燥が気になる時期は乳液のあとにクリームや美容液を追加することもおすすめです。

肌の健康を保ちやすい栄養素を取り入れる

食事は、すこやかな肌をつくるのに大切な生活習慣です。
糖分(砂糖、加糖、ブドウ糖)、炭水化物や脂質などの過度な摂取や、栄養バランスの偏った食生活や極端な食事制限は、肌荒れなどの肌トラブルにもつながりかねません。
反対に、肌状態を整える栄養素を含む食品を取り入れることで、肌状態に良い影響を与えることができます。ここからは、意識して摂取したい栄養素についてご紹介していきます。

タンパク質

炭水化物・脂質とならぶ人の身体にとって不可欠な三大栄養素の1つであるタンパク質は、健康的な肌を作る材料になるものです。
タンパク質が多く含まれる食品には、卵、納豆、豆乳などの大豆製品、魚、肉などがあります。大豆製品には、イソフラボンや食物繊維も豊富に含まれています。

ただし、タンパク質を摂取するにあたり気をつけておきたいのが、糖分です。
タンパク質が体内で糖と結合して糖化すると、最終的にAGEs(終末糖化産物)という物質が生成されます。
このAGEsが蓄積していくと、しみやしわ、たるみといった皮膚への影響だけでなく、病気を作り出す原因になったり、老化現象を引き起こしたりするとされています
食事の際は、糖分を余分に取り過ぎないように注意することが大切です。

ビタミンC

ビタミンCは、肌のハリ・弾力を保つコラーゲンの生成を促進する物質です。
レモン、イチゴ、アセロラ、キウイなどの果物、またブロッコリー、小松菜、赤ピーマンといった野菜に多く含まれています。
ビタミンCは、メラニンの生成を抑制したり、老化の原因の一つとされる活性酸素の働きを抑制したりするのに効果があるといわれています。

ビタミンE

ビタミンEは抗酸化作用があり、エイジングケアのほか、肌のバリア機能を高めることに期待ができる物質です。
ビタミンEを多く含む食材には、大豆製品やアーモンドなどのナッツ類、サバなどの魚介類や、パプリカ、ホウレンソウ、サツマイモといった野菜などがあります。

あくまで栄養素は食事から摂取することがおすすめ。ただし上記でご紹介した栄養素をすべて摂取するのはなかなかむずかしいこともあるので、不足しがちなものについてはサプリなどと組み合わせて摂取するのも一つの手です。

また、食材の場合、調理法にもポイントがあります。
たとえば、ビタミンについては水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンという分類があり、水に溶けやすく、熱に弱いという性質を持つ水溶性ビタミンについては、生か蒸して食べるなどの調理法がおすすめです。
栄養素によって、より効果的に摂取ができるよう調理法にも工夫をしてみると良いでしょう。

たるみ毛穴に関するQ&A

たるみ毛穴について、はじめて知ることがあった方も多いのではないでしょうか。
ここではさらに美肌に近づくために、みなさんからの質問で多かったものについて回答します。ぜひ参考にしてくださいね。

Q. たるみ毛穴を防ぐ日中のケアは?

A. しっかりと乾燥予防を行ったら、UV対策を徹底的に行うことをお忘れなく。
たるみ毛穴を防ぐために紫外線のダメージは避けることが大切です。日焼け止めはSPFやPAなどの数値をチェックして選ぶと安心です。
SPFは50+、PAはPA++++が1番高い数値なので、自分の生活内容に合わせてアイテム選びを行ってください。
日差しが強い場所に行く際は数値が高いものを選ぶことがおすすめです。日焼け止めのほか、日焼け止めや帽子、日傘などを活用することも効果的ですよ。

Q. たるみ毛穴が気になるときのメイクは?

A. ファンデーションを厚塗りすると毛穴のたるみがより目立ってしまうため、ファンデーションで毛穴を隠そうとせず、毛穴のカバー効果が期待できる下地を使用すると良いでしょう。
毛穴をカバーできる下地を使う際のポイントは、塗る場所。毛穴のカバー効果が期待できる下地は余分な皮脂を吸着する、凹凸を目立たせないなどの機能があるため、皮脂が出やすいTゾーンを中心に塗ると良いですよ。
顔全体に伸ばすのではなく、ピンポイントで気になる場所に使用することで、より効果を感じやすくなります。

たるみ 毛穴

規則正しい生活習慣とこまめなスキンケアでたるみ毛穴を予防しましょう

気になるたるみ毛穴の対策には、丁寧なスキンケアはもちろん、睡眠や食事といった日々の生活習慣が大切です。
また、適度な運動やストレスを溜めない生活というのも心掛けておきたい大事な習慣です。
規則正しい生活習慣とこまめなスキンケアに気を配ることで、肌、毛穴のたるみ解消を実感できますよ。

リフトアップ効果のあるスキンケアや引き締め効果のあるスキンケアを使用しているのに効果を感じないという方は、使い方を間違えている可能性もあります。
もしセルフケアで納得のいく効果を得られなかった場合は、皮膚科医に相談することもおすすめです。

より自分の肌に合ったアプローチ方法を、見つけてもらえるかもしれません。体の内外からすこやかな肌づくりを行っていきましょう。

【監修医師】久保田 潤一郎
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医

杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。

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