老け見えの原因にもなるほうれい線。
年齢を重ねると現れる、まぶたや目の下、フェイスラインのたるみ、シミや小じわなどが老け顔の代表格ですが、中でもほうれい線は大敵。
顔の中心に近い部分でもあるため目につきやすく、年齢を感じさせるので、ほうれい線を悩みに感じている方も多いのではないでしょうか。
今回はそんなほうれい線の予防についてアプローチする方法をご紹介します。
ほうれい線が目立つ原因は?
ほうれい線が目立つと、年齢がぐんと上がって見えるため、若々しい印象から遠ざかってしまいます。
ほうれい線とはどういったものなのか、目立つ原因は何なのかを知ることで、改善点をみつけることができるかもしれません。
ほうれい線(法令線)とは?
ほうれい線とは、小鼻(鼻翼)から口元に向かってハの字に伸びる溝のこと。頬の筋肉(表情筋)が皮膚に付着(起始停止)することによってできる溝で、医学用語では鼻唇溝と呼ばれます。
頬のふくらみと口の筋肉(口輪筋)の境界線にあり、一般的にいわれる「シワ」とは別ものです。
ほうれい線は骨格や筋肉などの影響で刻まれる溝を差し、シワは肌のハリが失われることで起こる皮膚のよれを指すことが多く、この2つは別の悩みとして考えることが多いです。
口輪筋は、唇の周囲を取り囲む筋肉の事。口輪筋は顔の骨とくっついている、体のなかでも珍しい部位。
口輪筋が弱くなると、周囲の表情筋もあまり動かなくなり、表情が乏しくなります。
ほうれい線が目立つ主な原因
真皮にあるコラーゲンやエラスチンは肌のハリを維持していますが、これらは加齢によって減少しやすいという特徴があります。
そのためほうれい線が目立つおもな原因は、真皮内のコラーゲン、エラスチンの減少と考えられています。
そのほか、表情筋の衰えや急激なダイエットが要因となることも。
表情筋が衰えると頬がたるみやすくなり、たるみの程度が大きいほど、ほうれい線の溝が深くなりやすくなります。
また、急激なダイエットをすると、頬がたるむ原因にも。顔の脂肪が減り、脂肪によって引き伸ばされていた皮膚が余ってしまい、たるむ可能性があるので注意が必要です。
皮膚の構造についてこちらの記事に詳しくまとめました。ぜひ、目を通してみてくださいね。
目立つほうれい線を予防する生活習慣
ほうれい線が目立つのは、毎日の生活習慣が原因かも。
この章では乾燥予防など、毎日なにげなく行っている行動をふりかえっていきます。
自分のスキンケア方法などと照らし合わせて、改善点を見つけましょう。
保湿ケアをする
肌が乾燥すると、真皮層にあるコラーゲンやエラスチンへのダメージを高めやすくなるので、毎日の乾燥予防を徹底して行うことが大切です。
肌の乾燥は、皮膚を保護する役割(バリア機能)を低下させやすく、バリア機能が低下した肌は様々な肌トラブルの原因になります。
そのため、洗顔後は化粧水、美容液、乳液、クリームなどでいち早く保湿することを心がけましょう。
いくつものアイテムを使用することが面倒な方は、1本で乾燥予防ケアができる、オールインワンゲルもおすすめです。
使用するアイテムはセラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン、プロテオグリカンなど、保湿成分が多く入ったものを選ぶと、肌への効果も高く乾燥を防ぎやすくなるので、良い結果を期待できますよ。
紫外線対策をする
紫外線は肌を黒くするだけでなく、顔をたるませる原因にも繋がることが分かっています。
そのため、紫外線ダメージから肌を守ることはとても重要。
外出時に日焼け止めや日傘、帽子を活用することはもちろん、室内にいる場合でも、窓ガラスやカーテンの隙間などから紫外線が入るので、外に出る予定がない日でも日焼け止めを塗ると良いでしょう。
顔の筋肉を鍛える
頬を支えている筋力を上げることで、メリハリのある表情を保つことも効果的です。マッサージよりも、顔の筋トレを取り入れると良いでしょう。
固いものをよく噛んで食べることも、口まわりの筋力を鍛えることにつながるので、意識的に歯ごたえのあるものを食べることもおすすめです。
また、顔の血流を促してむくみを解消させることも、ほうれい線を改善するための第一歩です。
親指を使ってこめかみを押したり、ブラシを使って頭皮をマッサージしたりして、顔の血行を良くすることで、フェイスラインもすっきりし、顔全体が引き締まった印象へと変化することが期待できます。
これらの方法は、ほうれい線だけでなく、目元もぱっちりさせてくれるので、メイク前などに取り入れると良いでしょう。
顔のむくみは寝る前に摂る水分の量や食事の影響もあるため、日頃から意識しておくことも予防法のひとつ。
良い状態をキープするためには毎日の自分の行動を意識してチェックすることが大切です。
顔のたるみについて、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ目を通してみてくださいね。
目立つほうれい線の予防・改善に取り入れたい顔の筋トレ
口周りの筋肉が衰えることにより、口元がたるみ下がってしまった口角は、リフトアップ効果のあるエクササイズで引き上げることができるかもしれません。
乾燥予防などのスキンケアはもちろん、表情筋を鍛えることで、メリハリのある表情を作り出すことも大切です。
ここでは、簡単に取り入れることができるエクササイズをご紹介します。
メイク前や寝る前などに、気になる部位の運動を行うことで、ほうれい線のお悩み解消に繋げましょう。ぜひ、ためしてみてくださいね。
【エクササイズ1】割りばしトレーニング
口角と頬周辺の筋肉トレーニングです。身近なアイテムを使って簡単にできるので、ぜひ試してみてくださいね。
- 割りばしを口にくわえ、両端の口角を上げる
- そのまま「いー」と声を出す
口角を割りばしの線よりも上げるのがポイント - 声を出したままの状態で30秒間キープする
- 3セット繰り返す
鏡の前で行うとよいでしょう。
【エクササイズ2】舌回しトレーニング
口輪筋を刺激して血流を良くするトレーニングです。
唾液の分泌も促され、口腔内の健康もアップします。
- 口を閉じて、舌の先端で外側の歯茎をなめるように舌を時計回りに回す
- 2秒に1回くらいのペースでひと回しし、これを10回程度行う
- 反時計回しに同じ回数を回す
乾燥予防で老け顔にバイバイ
化粧品を使ったエイジングケアや、乾燥予防ケアなどのスキンケアだけでなく、エクササイズも効果的。
メイク前など毎日の習慣にすることで、じわじわと効果を感じることができますよ。
肌のターンオーバーを整えることも、若々しい見た目を保つために大切です。
ターンオーバーは肌の再生を促す動きなので、正常に働かなくなると要注意。
ターンオーバーの乱れは、乾燥によって起きることも多いため、まずは十分な乾燥予防を行うことがポイントです。
ターンオーバーが乱れは、たるみだけでなく、毛穴の開きやシミ、肌の弾力低下による小ジワの発生や、老化による肌質の悪化なども引き起こしてしまいます。
スキンケアの見直しだけでなく、食生活のクセや睡眠時間の見直しなど、体の内側のケアも大切です。
使用しているアイテムが肌に合っていない場合は買い替える、年齢に合わせて目もとや口もとなどの部分ケアも始めるほか、皮膚科などで治療を行うことも効果的です。
セルフケアが物足りなくなった方は、ヒアルロン酸を注入する注射など、施術で改善する方法もあります。
自分に合った方法で、肌質を改善し、老け顔にさよならしましょう。
【監修医師】
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医
杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。