顔の赤みの原因と3つの対策法|マスク着用時に工夫できることは?

顔が火照ったように赤くなる、顔の赤みに悩まされたことはありませんか。
コントロールカラーやコンシーラーなど、化粧品やメイク用品で目立たなくしようとしても隠しきれなかったりすると、人に会った時にも自分の赤ら顔が気になって話に集中できなかったり、テンションも下がってしまいますよね。

肌が赤みを帯びる原因の一つが、ニキビや肌あれなどの肌トラブルによって引き起こされる皮膚の炎症です。
乾燥や紫外線、栄養バランスの偏った食事や睡眠不足、さらには近年のマスクによる刺激など、肌トラブルを引き起こす要因はさまざまなものがあります。

今回は、顔の赤みの原因や赤みを引き起こす肌トラブル、特にマスク着用時にできる、肌荒れを防ぐための対策をご紹介します。
肌荒れの原因をきちんと知って、顔の赤みのお悩み解決にぜひ役立ててみてください。

顔 赤み

顔の赤みが起きる仕組み

顔が赤みを帯びてしまう時、皮膚にはどのようなことが起きているのでしょうか。
顔の赤みが起きる仕組みについてご紹介します。

顔の赤みの原因は炎症と毛細血管拡張症

赤みの原因に、皮膚が炎症を起こし、毛細血管を拡張させていることが挙げられます。炎症は免疫システムによる反応です。
皮膚は、「表皮」「真皮」、その深部にある「皮下組織」の三層に大別されます。
その中で一番外側に位置する表皮には、乾燥や摩擦、紫外線や雑菌といった外部刺激から肌を守る働きを持つバリア機能があります。

この皮膚のバリア機能が何らかの原因で低下すると、細菌やアレルギー物質(アレルゲン)の侵入を防げなくなり、免疫系統が反応。白血球などの免疫細胞が集まるため、血管が拡張し皮膚の炎症が起こります。
そして、この炎症を繰り返すと、皮膚の毛細血管が拡張したままになり、肌の赤みが続く状態となってしまうのです。

いわゆる“赤ら顔”が疑われる疾患には、アトピー性皮膚炎、酒さ、頭や顔、腋などに生じる、湿疹の脂漏性皮膚炎などがあります。
脂漏性皮膚炎が発症すると、赤み、かゆみ、皮膚がカサカサになり、皮むけなどの症状があらわれます。

肌の赤みが生じる仕組み

炎症が起きる理由

皮膚の炎症が起きる理由としては、前述したとおり、肌のバリア機能の低下が大きく関係しているといわれています
肌のバリア機能が十分ではない場合、皮膚の乾燥が起こり、外部から異物が侵入したことによる、外部刺激によって肌の炎症が起こります。
このバリア機能の低下を引き起こしやすい原因としては、不規則な生活やストレス、栄養不足、紫外線、乾燥などが挙げられます

顔の赤みが気になるときの3つの対策法

実際に顔に赤みが生じてしまった時は、どんな対策を行えば良いのでしょうか。

保湿をする

低下しているバリア機能を高めるためには、肌に水分を保ち、うるおいを持続させることが大切です。
十分に保湿して皮膚のバリア機能を向上させ、赤みを予防するようにしましょう。

肌を保湿するためには、普段のスキンケアを行う際に、化粧水・クリーム・乳液・ワセリンなどの保湿アイテムを使用するのがおすすめです。例えば保湿アイテムのなかでも、セラミドやヒアルロン酸など、保湿成分が配合されたアイテムを使うと効果的ですよ。

また、赤みが出ている肌は敏感な状態です。
刺激物となるものが入っていない、敏感肌や乾燥肌にやさしい低刺激のものなど、自分の肌質に合った保湿アイテム塗るようにしましょう。
初めて使う保湿アイテムは、腕などでパッチテストをし、肌に異常がないか確認してから使うと良いでしょう。

他にも保湿についてのポイントとして覚えておきたいのは、保湿するタイミング。入浴後と同様に、気を付けたいのが洗顔後です。
メイクをしっかり落とそうとして、洗浄力が強すぎるクレンジング剤や洗顔料を使うと、肌をすこやかに保つのに必要な油分まで取り去ってしまいます
肌へ負担のかかりにくい、適度な洗浄力と保湿効果があるものを選び、やさしく丁寧に洗顔をするようにしましょう。

紫外線対策をする

紫外線は肌に強い刺激を与え、皮膚のバリア機能を低下させる原因の一つになります。
外出時には日焼け止めをしっかり塗るのもそうですが、日傘や帽子なども活用して紫外線を防ぐと良いでしょう。

また、紫外線については屋内にいる時でも注意が必要。
窓からも紫外線が入るため、室内でも日焼け止めの使用をおすすめします

紫外線によって肌がダメージを受けると、シミやしわになるだけでなく、肌の角層が厚くなり、ごわつきの原因になるなど、さまざまな肌トラブルを引き起こします。
日常生活では、紫外線からできるだけ肌を守るようにしましょう。

生活習慣を整える

バリア機能を低下させないためには、外側からのケアにプラスして、内側からの肌ケアも重要です。睡眠不足や栄養の偏りなどで、生活習慣が乱れないように注意しましょう。
生活習慣が乱れると、肌のターンオーバーが正常なサイクルで起こらなくなります。
肌のターンオーバーの乱れは、バリア機能を低下させる要因になりやすいといわれています。
肌のターンオーバーを正常に保つためにも、栄養バランスの整った食事はもちろん、ビタミンCやビタミンB2など、皮膚の健康維持をサポートする栄養素を積極的に摂取するのも効果的です。

顔の赤みはマスクも関係している?

マスクの着用機会が多い今、肌に対するマスクの影響も気になりますよね。
顔の赤みはマスクも関係しているのでしょうか。

マスクによる肌荒れも赤みの原因

マスクが肌のバリア機能の低下や乾燥を招き、赤みの原因になっている可能性があります。
マスクの着用により繊維が肌と擦れることで刺激され、肌のバリア機能が低下しやすくなるためです。
また、マスクを外すとマスク内に溜まっていた水分とともに肌表面の水分まで蒸発してしまい、マスクの着脱は乾燥を招きやすいともいわれています。

マスクによる肌荒れを軽減する方法

肌にとってデメリットとメリットのあるマスク。
着用時にできるだけマスクによる肌荒れを軽減するためには、どんな工夫をすればいいのでしょうか。

まず覚えておきたい対策としては、マスク着用前に肌を十分保湿することです。例えば、油分が多いクリームなどを塗り重ねると、摩擦を軽減してくれます
また、肌への刺激を減らすためには、肌に優しい素材のマスクを選ぶのも良いでしょう。
マスクの素材としておすすめなのは、天然素材の綿やシルク、ガーゼ、フリースなどがあります。

長時間のマスク着用は、かぶれや吹き出物などの肌荒れを引き起こし、ニキビが悪化している方も多く見られます。
できるだけ肌を清潔な状態に保つようにしましょう。

顔 赤み

正しいケアでマスク着用時も赤みに悩まされない肌に

顔の赤みの原因となる皮膚炎を引き起こさないためにも、日々の保湿ケアだけではなく、正しい生活習慣を心掛けることが大切です。
また、皮膚炎による赤みやニキビ跡の赤みに関する治療については、自分でできるケアのほかに、専門機関によるレーザー治療やケミカルピーリングなどの治療法もあります。
今回ご紹介した対策をしても症状が改善されなかったり、悪化してしまったりする場合は、肌荒れ以外の原因が生じている可能性もあるので、早めに皮膚科を受診して改善方法を相談し、先生の指示の下、正しい治療を行うようにしましょう。

日々正しいケアを行って、赤みに悩まされないすこやかな肌をキープしていきましょう。

【監修医師】久保田 潤一郎
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医

杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。

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