顔がかゆい…適切なスキンケアと注意点|乾燥予防で悪化を防ごう

マスクをつけて過ごすことが日常になり、肌荒れだけでなくマスクがあたる部分のかゆみに悩まされている方も多いと聞きます。
これから暑い季節になってくると気温も上がり、マスクの素材による肌への刺激はもちろん、ムレや汗も気になりますよね。もちろんマスク以外にも、花粉やアレルギー、ストレスなどかゆみが起こる原因はさまざま。

「顔がかゆい!」と感じたら、確認しておきたいポイントがいくつかあります。今回はそんな、顔のかゆみが起こる仕組みや対処法、スキンケアについてご案内します。

顔がかゆい

「顔がかゆい!」と感じる仕組みと原因

顔にかゆみを感じた時にまず確かめたいのは、何に反応してかゆみの症状が発生しているのか。
ここではかゆみが起こる仕組みと、かゆみを引き起こす原因についてお話しします。

かゆみが生じる仕組み

かゆみが生じる主な原因は、肌が刺激を受けること。刺激を受けた肌にはヒスタミンなどのかゆみの原因となる物質が分泌され、それらがかゆみを引き起こすのです。

肌は表面から表皮、真皮、皮下組織の3層で成り立っているのですが、ヒスタミンなどの物質が真皮に存在するかゆみ神経(知覚神経)を刺激するため、その刺激が表皮まで伸びることでかゆみを感じやすくなります。
皮脂膜が薄くなり乾燥してくると、外的刺激を受けやすい状態になってしまいがち。かゆみを誘発する外的刺激から肌を守るためには、乾燥予防を意識すると良いでしょう。
乾燥が進行すると、かゆみや水疱を伴う乾燥性皮膚炎という病気につながるので注意が必要です。

肌がかゆくなるメカニズム

かゆみの原因

乾燥

表皮の表面に位置する角層には、外的刺激から肌を守るバリア機能や、水分を保つ保湿機能が備えられており、その一つが皮脂膜です。汗腺から分泌される汗と皮脂腺から分泌される皮脂によって皮脂膜が構成され、角層表面を覆っています。

バリア機能や保湿機能がバランスよく働くことで、健康的な肌を維持することができます。湿度の低下などにより肌が乾燥し、角層のうるおいが失われると、これらが十分に機能しなくなるため、外的刺激を受けやすい状態となり、かゆみを感じやすくなります。
乾燥により毛穴詰まりや毛穴の開きといった、毛穴の悩みを引き起こすことも多くあります。

また、乾燥対策で盲点となるのは、毎日の紫外線対策。スキンケアでしっかり保湿を行うことはもちろんですが、紫外線も乾燥の原因となるため、一年を通じて日焼け止めを塗り、紫外線ケアを行うことも乾燥予防に一役かってくれますよ。

汗には微量のアンモニアや乳酸といった老廃物が含まれています。汗の水分は時間が経つと蒸発しますが微量の老廃物は肌に残ってしまうため、バリア機能が低下している肌だと、自分の汗が異物として肌への刺激となり、かゆみが生じるケースもあります。
また、汗には皮脂や塩分も含まれているため、汗を洗わずに放置すると、湿疹やあせもができてしまうおそれがあります。

大量の汗をかいてしまった時は、可能であればシャワーを浴びる、外出先の場合は濡らしたハンカチや汗拭きシートでしっかりと拭き取るなど、できる範囲で汗から出る成分を肌に残さない工夫をしてみてくださいね。

アレルギー物質

化粧品に含まれる成分や空気中の花粉、アクセサリーに使用されている金属、マスクや洋服の繊維、洗剤や外に干した洗濯物についた黄砂などが肌に接触することで、かゆみにつながることもあります。

アレルギー症状を引き起こす原因となる物質を「アレルゲン」と言い、接触性のアレルゲンが原因の皮膚炎をアレルギー性接触皮膚炎と呼びます。特定の物質が肌に触れてアレルギー反応を起こすことで、ヒスタミンが分泌されてかゆみを感じる場合などを指します。
花粉などの体に害を与えない物質に対しても免疫機能が過剰に反応してしまい、除去しようとする働きでかゆみが起こるのです。

乾燥してカサカサな肌は、皮膚表面のバリア機能が低下しておりアレルゲンが付着しやすいため、日ごろから十分に肌を保湿してあげることが大切です。
アレルゲンは体質によって異なるため、血液検査で自分が反応しやすい物質を調べることも一つの手。自分が避けるべき化粧品成分や、衣服の素材を選別する目安にすることができます。

顔がかゆいときの適切な対策

顔にかゆみを感じると、つい手で触ったり、かいてしまったりしますよね。
かゆみに任せてかいてしまうと肌が傷つく上に、かくことで更にバリア機能を低下させてしまったりと悪循環…。
ここでは顔にかゆみを感じた時の対処法をご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

拭う、冷たいシャワーで流す

かゆみを感じる部分が熱を持っていると感じる方も多いのではないでしょうか。
炎症を起こしてかゆみを感じる部分には血液が集まっており、かゆみを引き起こす神経伝達物質も集中している状態。冷たいおしぼりを当てる、布でくるんだ保冷材を当てるなどの方法で冷やすと、一時的に患部の血液のめぐりが鈍くなるため、かゆみ神経が鎮まったように感じられることがあります。
ただし、あくまで一時的なため、かゆみを予防するという考えでは保湿することが最善でしょう。

かゆみが出てから対処するのではなく、あらかじめかゆみが起きないように乾燥を予防するケアをしておくことが重要です。そのためには常に肌に水分が保たれていることが大切。メイク前にきちんと乾燥を予防できていれば、かゆみで掻いて化粧崩れを起こすようなこともありません。
また、その場では鎮まってもかゆみがぶり返してしまうこともあります。
炎症などが酷くなっている場合には一時的な対処ではなく、皮膚科の受診や処方薬の使用も検討しましょう。

肌を清潔にする

かゆみを引き起こす主な原因は、外的刺激。かゆみを抑えるためには外的刺激となりうる汚れや雑菌、アレルゲンなどを取り除くことが大切です。丁寧にやさしく洗顔し、肌を清潔に保つことを心がけてくださいね。

肌のかゆみは乾燥によって生じることが多いので、洗顔後は十分に保湿を行うこともポイントです。
乾燥肌の方はクレンジングや洗顔の際に保湿成分が配合された洗顔料を使うと、皮脂の取りすぎを予防できるのでぜひ試してみてください。
他にもお湯や水で洗うと余分な皮脂を取り除きにくかったり、皮脂を取りすぎてしまったりすることがあるため、お湯や水でなくぬるま湯で洗い流すことも意識すると良いでしょう。

また、肌だけでなく枕や化粧パフなど肌に接触するアイテムも小まめに洗って清潔にする習慣をつけましょう
いわゆるニキビダニと呼ばれるダニや、真菌(カビ)が原因でかゆみが起きていることもあります。
メイク用品やパフに発生する細菌やダニ、長期間使用した枕や表面に付着したホコリなどが肌に影響を及ぼすことも多くありますよ。

ニキビダニ イメージイラスト

乾燥を予防する

肌の汚れを洗い流した後は、しっかりと保湿を行ってください。
ただ化粧水、美容液、乳液、クリームなどを塗り重ねるのではなく、きちんと自分の肌タイプや状態に合ったアイテムを用いて肌に十分なうるおいを補給することがポイントです。

乾燥を予防するためには、各アイテムの持つうるおいの持続力に注目して化粧品を選ぶと良いでしょう。
ひと塗りで化粧水と乳液、美容液など多機能な役割を果たすオールインワンアイテムも便利。忙しい日でもワンステップでケアが可能になるため、毎日のスキンケアを継続しやすいのでおすすめです。長時間肌のうるおいを保ち、逃がさないことであらかじめ乾燥を防ぎ、バリア機能が高くてかゆみの起きにくい肌作りが叶うでしょう。

その他、食事や睡眠などの生活習慣を整えることも肌のターンオーバーの正常化に繋がるため、乾燥予防に効果的です。
また、顔や体だけでなく、頭皮の乾燥ケアも大切。頭皮の痒みやフケが気になる方は、使用しているシャンプーの洗浄力が強すぎるのかもしれません。穏やかな洗い心地の商品に変えるなど、自分に合った商品を見つけましょう。

顔のかゆみ対策の注意点

一つ前の段落では顔にかゆみを感じた際の対処法をお伝えしましたが、ここでは顔のかゆみ対策の注意点をお伝えします。
顔のかゆみに悩んでいる方が疑問に感じていることも多いと思うので、じっくり読んでみてくださいね。

肌をかかない

「かゆいからといって肌をかくと、さらにバリア機能を低下させてしまう」ということはお伝えしましたが、ではなぜかくことでバリア機能が低下するのでしょうか。それはかゆみを感じて肌を引っ掻くことで、角層がダメージを受けてしまうからです。

角質が傷ついた肌には、かく前よりも余計にヒスタミンが分泌され、さらにかゆみを感じやすくなります。また、引っ掻いて皮膚が傷つくと、殺菌の侵入による炎症や吹き出物の発生など、さまざまな肌トラブルの原因につながることも。
そのため前段でご紹介した「保湿・乾燥予防する」「清潔にする」など、かかないための工夫が大切なのです。

長期に渡ってかゆみが引かない場合は、皮膚科へ行き医師の判断を仰いでください。市販の塗り薬を使用するよりも病院で処方された薬で治療した方が早く治ることが多いので、積極的にプロの力を頼ってくださいね。

肌に負担の少ないスキンケア、メイクをする

乾燥してカサカサになっている肌は、バリア機能が低下してとても敏感な状態です。
肌が敏感に傾いている時は、保湿のために使うスキンケアアイテムや毎日使うメイクアイテム選びにも注意が必要。スキンケアやメイクアイテムの配合成分が肌に合わないと、かゆみが悪化し、炎症につながる可能性があるからです。アルコール、パラベン、鉱物油などの成分に注意して、肌への負担が少ないアイテムを選ぶと良いでしょう。
心配な方は、使用前にテスターやサンプルなどを使って、今の自分の肌に合うかどうかを確かめることができると安心です。
顔のかゆみには細菌やホコリも大敵なので、メイクブラシ、チップなどを定期的に洗浄し、メイク道具を清潔に保つことも重要ですよ。

乾燥で顔にかゆみを感じるときに試したい薬

乾燥予防の保湿ケアでも痒みが治まらない場合は、痒みや症状を緩和してくれる薬を試してみるのもオススメです。
関連記事もご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

ステロイド外用薬

ステロイド外用薬は炎症を鎮め、かゆみの症状を抑える効果があります。ステロイド外用薬は病院から処方されるか、市販薬を買うことで入手できます。
一口のに「ステロイド外用薬」と言っても、成分が弱いものもあれば強いものもあります。薬の強さが幅広いため症状に合わせて選ぶことが上手に薬を使うポイントなので、市販薬を使う場合は注意が必要です。
自分の症状に合う薬がわからない場合は、薬剤師や医師に相談したほうが良いでしょう。

医薬品のクリーム

ステロイド外用薬のほかにも、かゆみを抑える働きや、保湿効果のあるクリームが市販されています。
クリームタイプは肌になじみやすく塗りやすいほか、薬局などで手軽に手にはいるのも頼りになるポイントです。
市販のものを使っても症状が改善されない場合は、皮膚科を受診して医師の判断を仰ぐようにしましょう。

乾燥による顔のかゆみに関するQ&A

乾燥による顔の痒みに悩まされている方は、お悩みも様々。ここでは中でもお悩みの方が多い2つの質問に答えます。

Q. 市販薬を使用しても改善されないときの対処法は?

A. スキンケアや市販薬を使用しても改善が見られない場合は、医療機関に診てもらうことをお勧めします。
長引く痒みや湿疹は乾燥からくるものではなく、脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの皮膚の病気の可能性もあります。また真菌(カビ)が原因のこともあります。
病気が原因の場合は、皮膚科医の診断を受けた上で適切な治療が必要です。プロの判断に任せて適切な治療を行うことは、症状が治まるだけでなく、寛解も早いため、「おかしいな」と思ったら、早めに病院を受診してください。

Q. 顔のかゆみが軽度でも病院に行っていいの?

A. 軽度の場合でも、病院を受診して問題はありません。
顔がかゆい原因が病気の可能性がありますし、もしも病気だった場合は軽い症状の段階から病院に行くことで早期発見につながります。
少しでも違和感を感じたり、症状が長引いている方は、早めに病院を受診してください。

「顔がかゆい!」と感じる前に乾燥を防ぐ

顔にかゆみが生じる一番の原因は、肌表面が十分に保湿されず乾燥していること。
肌が乾燥することで生じるバリア機能の低下は、かゆみやアレルギー反応など肌状態を悪化させるきっかけとなるため、一年を通じて肌が湿潤した状態を保つことが大切です。
敏感な状態になった肌は、普段は問題なく使用できるスキンケアアイテムやメイクアイテムですら刺激を感じることも…。
もしもの時のために敏感肌用や高保湿成分の入った商品が手元にあると安心ですよ。

また、肌の調子が生活習慣と比例していることも覚えておくと良いでしょう。
例えば睡眠時間が十分でない場合、寝不足により自律神経が乱れて免疫機能が低下し、その結果アレルギーを引き起こし肌にかゆみを感じることも考えられるからです。
他にも「生活習慣の乱れが続くと肌がベタついてかゆくなる」「お酒を飲むとじんましんが出たり、肌に赤みが出てかゆくなりやすい」など、どんな時に自分が不調になりやすいかを覚えておくと、体調や肌の調子を整える際の対処法を考える時に役立ちます。
もし皮膚炎の症状がなかなか治まらない場合は、乾燥が原因の肌荒れではなく、皮膚の病気が潜んでいる可能性もあります。
おかしいなと思ったらなるべく早めに皮膚科を受診し、医師の判断を仰ぎましょう。適切な治療を行うことも、美しく健康な肌を作る秘訣です。

【監修医師】久保田 潤一郎
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医

杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。

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