美肌を支える栄養素・ビタミンCが体に与える影響や、紫外線との関係とは

ビタミンCというと、「美白」や「風邪予防」を連想される方が多いと思います。
でも、実際どのような効果があるのか、なぜ摂取したほうがいいのかについては意外と曖昧だったりしませんか?

また、シミ予防・改善の効果や、さわやかな柑橘系のイメージから、ビタミンC=夏を連想しがちですが、強い紫外線から肌を守るためには、夏からあわてて補給するのではちょっと遅いかもしれません。
肌への効果だけでなく、私たちの健康にも深くかかわっている栄養素・ビタミンC。
今回は、体に与える影響や、効果的な摂取方法・時期、紫外線との関係などについてお話します。

まずはビタミンについて知ろう

人体に必要不可欠なのに、体内でほぼ生成できない栄養素

ビタミンは、人間が生きるために欠かせない5つの栄養素(炭水化物/タンパク質/脂質/ビタミン/ミネラル)のうちのひとつ。
体の調子を整え、人体機能を正常に保つために必要不可欠な成分ですが、体内では生成することができないため、食べ物などから摂取する必要があります。

ビタミンはその性質から、水に溶ける水溶性ビタミンと、油脂に溶ける脂溶性ビタミンの2種に分類されます。

水溶性ビタミン

その名の通り水に溶けやすく、過剰に摂取すると尿などから排出されてしまうため、普段からこまめに摂取することが大切。ビタミンCはこの水溶性ビタミンのひとつです。
食事から摂取する場合は、熱に弱く、調理の過程で失われてしまうこともあるため、注意が必要です。

脂溶性ビタミン

一方、脂溶性ビタミンは体内に蓄積されやすいため、摂りすぎると過剰症を引き起こします。
普段の食事で過剰摂取となることはほとんどありませんが、サプリメントなどから摂取する場合には気をつけましょう。

ビタミンCの働きについて

ビタミンCは、以下のような働きを担っています。

・メラニン色素の生成を抑えてシミを薄くする
・コラーゲンの生成を助ける
・活性酸素の過剰生成を抑えて、体の抵抗力を高める

それぞれみていきましょう。

メラニン色素の生成を抑えてシミを薄くする

メラニンとは、皮膚や毛髪、眼球などに存在する黒色の色素のこと。
日焼けをすると皮膚が黒くなるのは、紫外線から体を守るべくメラニンが増加するためで、生成されたメラニンは皮膚のターンオーバーによって体外に排出されます。
しかし、過剰に紫外線を浴びたり、加齢やストレスなどによってターンオーバーが乱れたりすると、メラニンが過剰に生成され、これがシミやソバカスになってしまいます。

ビタミンCには、このメラニンの生成を抑制する働きがあります。
さらに、生成されたメラニンを無色化する還元作用もあるため、できてしまったシミを薄くする効果も期待できます。

コラーゲンの生成を助ける

コラーゲンは体内で最も多いたんぱく質で、体全体の、たんぱく質の約30%を占めています。
皮膚や骨、軟骨、血管、角膜などを構成し、細胞同士をつなぎ合わせたり、支えたりして各部位の強度と柔軟性を保つ働きをしています。
そのため、
コラーゲンが不足すると、肌のハリや弾力を支える力が弱まることでシワやたるみの原因になったり、肌の乾燥をまねいたりします。
また、血管がもろくなる、骨粗しょう症や関節炎の原因になるなど、深刻な健康問題を引き起こす可能性もあります。

体の基盤を支えているといっても過言ではない、コラーゲン。その生成に必要不可欠なのがビタミンCです。
ビタミンCというと美白効果のイメージが強いかもしれませんが、肌のハリツヤを支えている立役者でもあるのです。

活性酸素の過剰生成を抑えて、体の抵抗力を高める

活性酸素とは、呼吸によって体内に取り入れられた酸素が変化した化合物。紫外線を浴びることでも発生します。
細菌やウイルス、がん細胞を攻撃したり、細胞から細胞へ情報を伝える役割をしたりと、人体に有益な働きをしてくれる反面、増えすぎると体の構成成分であるたんぱく質や脂質、DNAを酸化し、細胞の老化を促進してしまいます。

この活性酸素の働きを抑える抗酸化物質として機能してくれるのがビタミンC。
過不足なく摂取することで、動脈硬化や糖尿病、白内障など、多くの老化関連疾患の予防効果が期待できます。

さらに、ビタミンCは白血球やリンパ球の働きを助けて免疫機能を強化し、細菌やウイルスへの抵抗力を高める、ストレスに対抗するホルモンの分泌を促して、ストレスへの抵抗力を高めるなど、心身の健康面でもわたしたちをサポートしてくれています。

 

食事から? 皮膚から? ビタミンCの摂取方法

美容と健康を支えてくれているビタミンC。ではどのように摂取するのが効果的なのでしょうか。

ビタミンCが多く含まれる食材

先に述べたように、ビタミンCは体に必要不可欠であるにもかかわらず、体内で生成することができないため、食事やサプリメントで摂取することになります。

野菜ではブロッコリーやピーマン、じゃがいもやさつまいもなどに多く含まれています。
ビタミンCは水に溶けやすく、熱に弱い性質であるため、スープごと食したり、加熱時間を短くしたりするとよいでしょう。

オレンジやグレープフルーツ、イチゴやキウイフルーツなどの生で食べられる果物はお手軽でおすすめです。

スキンケアで効果的に肌に届ける

ビタミンCは、ストレス解消やさまざまなホルモンを分泌している副腎を筆頭に、小脳、大脳などで多く使われています。
基本的にはバランスの取れた食事で充分まかなえますが、ストレスの多い現代社会において、ビタミンCは不足しがち。
肌への効果を期待するなら、
食事やサプリメントで摂取すると同時に、肌に直接届けるスキンケアで取り入れるのも効果的といわれています。

ビタミンC配合のスキンケアは、敏感肌の方には刺激が強すぎる場合もあるので、濃度の低い製品から試す、なるべく添加物の少ないものを選ぶなど、自分に合ったものを選びましょう。

ビタミンCと紫外線

紫外線対策、夏から始めるのでは遅い!?

紫外線は、波長の長さによってUV-A、UV-Bに分類されます。
紫外線といえば、強烈な太陽にじりじりと焼かれる真夏の7・8月が強そうな印象ですが、実はUV-A、UV-Bでそれぞれ紫外線量のピークが違うのをご存じでしょうか。

UV-A UV-B 紫外線量の年間変動

8月にピークがくるUV-B

UV-Aに比べると波長が短く、皮膚の外側(表皮)に作用するため、短時間でも肌に炎症を引き起こしたり、赤くなってヒリヒリする日焼け(=サンバーン)になったりして、肌を乾燥させます。
また、
メラニンを作るメラノサイトを活性化させるため、シミ・ソバカスの原因になります。

5月にピークがくるUV-A

波長が長く、皮膚の奥深く(真皮)にまで届くため、コラーゲンやエラスチンにダメージを与えて肌の弾力を失わせ、シワやたるみの原因にもなります。雲やガラスも通過するため、曇りの日や、日の当たる窓際、車の中でも注意が必要です。

紫外線の種類

私たちが浴びている紫外線の9割は、5月にピークがくるUV-A。
このUV-Aを長年に渡って浴び続けると「光老化」という肌の老化現象を促し、シミやソバカス、シワやたるみなどの原因となります

5月~9月は積極的にビタミンC摂取を

美白※効果もさることながら、肌のハリを支えるコラーゲンや、肌の水分保持を担うセラミドの生成を促進し、紫外線ダメージを受けた肌のバリア機能を高めてくれるビタミンC。

紫外線が強くなる5月~9月は、特に意識してビタミンCを摂り入れていきましょう。

 

※メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐこと

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