老化の防止が期待できる抗酸化物質と取りいれたいスキンケア

加齢によって、ハリやうるおいなどの肌状態、身体機能などの変化。気になりますよね。
人の体は日々細胞分裂を繰り返し、変化し続けるもの。それにより人は成長することができますが、その成長過程を過ぎると徐々に身体機能は低下していきます。つまり、老化がはじまるのです。
なぜ、人の体は老化してしまうのでしょうか。その要因には、体の「酸化」があるといわれています。

今回は、老化を引き起こすこの体の酸化について、詳しくご紹介していきます。
老化の原因だけでなく、老化防止におすすめの食べ物やスキンケアなど、役立つ情報をお伝えしていくので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

老化 防止

老化の原因とサイン

なぜ、体は老化してしまうのか。まずは、その原因について見ていきましょう。

老化の原因

老化の原因の一つといわれているのは、体の酸化を引き起こす物質です。
どんな物質かというと、「活性酸素」とよばれる物質です。
活性酸素は強い殺菌力を持ち、病原菌やウイルスから体を守る重要な働きをしていますが、過剰に発生すると正常な細胞や遺伝子を傷つけてしまいます。
細胞が傷つくとスムーズに働かなくなり、「体の酸化」と言われる状態になってしまうのです。

酸化の他にも老化に関わるとされているものがあります。それが、「糖化」と「遺伝子」です。
糖化は、体内に摂取された余分な糖質が身体の骨や血管のたんぱく質と結びついて細胞を劣化させる反応のことです。
この時、AGEs(終末糖化産物)とよばれる老化物質が生成されてしまうのですが、このAGEsの蓄積によって、シワやシミ、たるみなどの肌老化をはじめとする身体の老化が進み、病気になるリスクが高められてしまうといわれています。
また、遺伝子については、長寿遺伝子ともよばれるサーチュイン遺伝子の活動が鈍り、細胞が修復されにくくなると老化につながるとされています。

老化のサイン

では、老化の原因がわかった所で、老化のサインはどのような所に現れるのでしょうか。

まず、老化のサインが現れやすい場所は、たとえば肌。肌の老化が進むと、シミやくすみ、小ジワ、肌のしぼみ、たるみなどが生じます。
これらの肌状態は、老けた印象を与えやすいので注意が必要です。特に、触ったときにざらつきやハリのなさを感じる場合は、老化が進行している可能性があります。

また、肩こりや疲労感などの身体の異変も、老化のサインの場合があります。老化によって関節や筋肉が弱くなることで、正しい姿勢を維持できなくなっていたり、再生能力が衰えてしまっている状態なのかもしれません。

老化の防止が期待できる抗酸化物質

年齢を重ねるたびに気になる老化ですが、防止することはできるのでしょうか。

実は、老化の防止が期待できる抗酸化物質という物質があります
抗酸化は、体の酸化を抑制する作用のことで、抗酸化物質とは活性酸素の発生や働きを抑制し、活性酸素そのものを取り除く働きをもつ物質です。
抗酸化物質が不足していると、体を酸化させ、正常な細胞を攻撃してしまい、老化だけではなく、生活習慣病やがん、動脈硬化の発症にもつながる恐れもあるといわれています。

老化の防止につながる可能性がある抗酸化物質。普段からの食事で取り入れることできるので、抗酸化物質の含有量が多い食物を使った料理をレシピに取り入れるなど、食を通した老化防止の対策をぜひ行ってみると良いでしょう。

抗酸化作用をもつ物質の代表的なものとしては、たとえば以下のようなものがあります。

ビタミンA

ビタミンAの仲間として分類されるβカロテンは、高い抗酸化作用を持つと言われている物質です。ビタミンAには、このβカロテンが含まれています。
βカロテンを多く含む食品としては、モロヘイヤ、にんじん、ホウレンソウなどがあります。

ビタミンC

コラーゲンの合成に欠かせない栄養素であり、皮膚や粘膜の健康維持や免疫機能を高める働きがあるといわれているビタミンCも抗酸化物質の一つです。
ビタミンCは多くの野菜や果実類などに含まれており、普段の食生活でも比較的摂取がしやすい栄養素です。
ビタミンCを多く含む食品には、ピーマン・芽きゃべつ・じゃがいも・さつまいもなどの野菜やオレンジ・グレープフルーツなどの柑橘類、アセロラ・イチゴ・メロンといった果物などがあります。

ビタミンE

植物油やナッツ類などに豊富に含まれるビタミンEも抗酸化物質です。
小麦胚芽油・ひまわり油・大豆油、ピーナッツ・ヘーゼルナッツ・アーモンドなどの他、卵やウナギ、ホウレンソウ、ブロッコリーなどにも多く含まれています。

ポリフェノール類

ポリフェノールには、アントシアニン、カテキン、カカオポリフェノール、ルチン、イソフラボンなどがありますが、いずれも抗酸化力があると言われています。
アントシアニンはブルーベリーや黒豆、カシス、赤ワイン、しそなどに多く含まれており、カテキンは緑茶や紅茶などから摂取することができます。カカオポリフェノールはチョコレートやココアなどに多く含まれています。ルチンはそばや柑橘類、玉ねぎ、アスパラガス、トマトなどから、そして、イソフラボンは豆類から摂取できます。

カロテノイド

カロテノイドは、緑黄色野菜、果実類、海藻類、甲殻類に多く含まれる物質です。
カロテノイドを摂れる食品には、具体的にはマンゴー・パパイヤ・柿・すいか、わかめ・こんぶ・ひじき、えび・かになどがあります。

見た目の老化防止が期待できるスキンケア

老化防止が期待できるスキンケアについてもご紹介していきましょう。

肌の状態に合わせた美容液を取り入れる

毎日のお手入れで使用する美容液は、シミや乾燥小ジワ、ハリのなさなどの悩みに合わせたものを取り入れるのがおすすめです。
もしも肌の悩みを感じたら、早めに対処すると良いでしょう。肌状態の改善は継続的なスキンケアが大事。使用を続けることで効果を感じる場合があります。

十分に保湿をする

ハリと弾力のある肌を維持するためには、保湿は欠かせません。
特に、加齢による乾燥はシワやかさつきの原因となりやすいものです。
乾燥を予防し、長時間水分を与え続けて乾かさないようなスキンケアを心掛けると良いでしょう
乾燥予防処方のアイテムを選ぶ、または基本的なケア方法として、化粧水の後にはきちんと乳液を塗るなどを心掛けましょう。
化粧水で肌に水分を与えた後、乳液の油分で水分の蒸発を防ぐようにすることが大切です。

紫外線対策をする

肌の乾燥を引き起こす要因になるなど、スキンケアにおいては常に注意したい紫外線。この紫外線は、肌の老化に深く関係していると言われているものです。
たとえば、日光が当たる身体の場所はシワやたるみが多くなりやすい傾向があります。

紫外線から肌を守るためにも、外出前に日焼け止めや下地や、BBクリームなどのUVカット成分が含まれるメイクアイテムを塗るようにしましょう。
また、日差しの強い日中は帽子やサングラス、上着を着用するなど、紫外線対策を習慣化するのがおすすめです。

老化 防止

老化を防いで、健康的な肌とボディを維持していきましょう」

老化を防ぐためには、体を酸化させないことが大切。
今回ご紹介した抗酸化作用のある食物などを毎日の食事に取り入れるなど、日常生活での対策を心掛けると良いでしょう。
ただし、飲食物は若々しい身体を維持するための材料であり、ビタミンや補酵素などをきちんと働かせるためには、身体を治すための睡眠時間をきちんととることが大切。
良い睡眠習慣は体を長持ちさせるために必須です。
肌のケアにおいては、そもそも乾かさないよう、長時間うるおいを保てるような乾燥予防ケアに着目してお手入れしましょう。

また、食事やスキンケアだけではなく、筋力アップのための適度な運動やストレスを抱え込まない生活というのも大事です。
日中にきちんとエネルギーを消費し、代謝を上げることが若々しい身体を保つ毎日のメンテナンスの一つ。
空いた時間は近所をウォーキングするなど、自分の取り入れやすい形で老化対策を習慣化して、いつまでも健康的な肌とボディをキープしていきましょう。

【監修医師】久保田 潤一郎
医学博士 久保田 潤一郎 もっと詳しく
久保田潤一郎クリニック院長 元杏林大学医学部助教授(形成外科学)
日本形成外科学会専門医・日本レーザー医学会永年レーザー専門医

杏林大学医学部卒業。慶應義塾大学病院に勤務し、医学博士号取得。後に、杏林大学医学部助教授(准教授)として診療を行うかたわら、後輩の指導にも熱心にあたる。数々の臨床・研究を重ね、多くの形成外科・美容外科の治療のほか、レーザーや光線療法により様々な皮膚のトラブルに対処し、皮膚レーザー療法を確立。国内外の医学会だけに留まらず、各種講演会でも積極的に講演し、自らの治療・基礎研究を主とした様々な情報や最新情報を広く伝えている。

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