いないけどあるやさしさに支えられて

心配性の私にとって、初めての出産は怖くて仕方のないものでした。 不安がる私に「大丈夫、大丈夫」と声をかける夫に対し、「当事者じゃないあなたに、私の気持ちなんてわからないしょ!」とイライラをぶつけてしまったことも(苦笑)。子どもの成長過程での発達の遅さが気になったときも「大丈夫、大丈夫、そのとき助けていけばいい」と、どっしり構えていてくれた彼の態度にいつも励まされていました。そんな夫が、実は自分と同じように不安と向き合っていたと知ったのは、彼が亡くなってからのこと。 夫のカバンから発達遅れに関する書籍が出てきたのを見て「気にしていないそぶりを見せていたけれど、本当は不安だったんだ…」と胸がいっぱいになりました。

夫亡き後、まだ幼い長男が、「買い物袋、運ぶの大変だから僕がいつでも持つからね」と言ってくれたことがありました。

5歳なので、もちろん持てないんですよ(笑)。 でも、その言葉だけでもすごくうれしくて。
夫の”やさしさ遺伝子“が息子にも受け継がれているんだなと、夫を近くに感じられた瞬間でもありました。心配ごとがあっても、今不安がるより実際に問題が起きたら悩もうと思えるようになった私。夫のおかげで少しは変われたのかなと思いきや、家族の中ではまだまだ一番の心配性。夫が残してくれた「大丈夫、大丈夫」。その言葉をお守りに、今日も一日を乗り切っていこうと思います。

システム部 ばしさん